源氏物語歌集-悠山人編

『源氏物語』中の短歌(和歌)のすべてを、
原作の順序にしたがって、紹介する。→日本初!

13明石14 しほしほと

2007年11月30日 | 13明石~16関屋
源氏物語歌集 230
巻十三 明石 14 源氏

    しほしほと 先づぞ泣かるる かりそめの
    みるめはあまの すさびなれども


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□・・・、またあやしうものはかなき夢をこそ見侍りしか。
かう聞ゆる問はず語りに、隔てなき心の程は思し合はせよ。誓ひしことも」
など書きて、 (源氏)「何事につけても、 しほ・・・ども」・・・□

13明石13 明けぬ夜に

2007年11月29日 | 13明石~16関屋
源氏物語歌集 229
巻十三 明石 13 娘

    明けぬ夜に やがてまどへる 心には
    いづれを夢と わきて語らむ


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□・・・やと」 (娘)「明け・・・らむ」 ほのかなるけはひ、
伊勢の御息所にいとよう覚えたり。何心もなくうちとけてゐたりけるを、
かう物覚えぬに、いと理なくて、近かりける曹司の内に入りて、・・・□

13明石12 むつごとを

2007年11月28日 | 13明石~16関屋

源氏物語歌集 228
巻十三 明石 12 源氏

    むつごとを 語りあはせむ 人もがな
    憂き世の夢も なかばさむやと


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□・・・、筝の琴のひき鳴らされたるも、けはひしどけなく、
うちとけながら掻きまさぐりけるほど見えてをかしければ、
(源氏)「この聞きならしたる琴をさへや」など、よろづに宣ふ。(源氏)「むつ・・・□


13明石11 秋の夜の

2007年11月27日 | 13明石~16関屋

源氏物語歌集 227
巻十三 明石 11 源氏

    秋の夜の つきげの駒よ わがこふる
    雲居をかけれ 時のまも見む


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□道の程も、四方の浦々見渡し給ひて、思ふどち見まほしき入江の月影にも、
先づ恋しき人の御事を思ひ出で聞え給ふに、やがて馬引き過ぎておもむきぬべく思す。
(源氏)「秋の・・・見む」 と、うちひとりごたれ給ふ。□


13明石10 思ふらむ

2007年11月26日 | 13明石~16関屋

源氏物語歌集 226
巻十三 明石 10 娘

    思ふらむ 心のほどや やよいかに
    まだ見ぬ人の 聞きか悩まむ


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□・・・、いみじうかひなければ、なかなか、世にあるものと尋ね知り給ふにつけて、
涙ぐまれて、さらに例の動なきを、せめて言はれて、浅からずしめたる紫の紙に、
墨つき濃く薄くまぎらはして、 (娘)「思ふ・・・まむ」□


13明石09 いぶせくも

2007年11月25日 | 13明石~16関屋

源氏物語歌集 225
巻十三 明石 09 源氏

    いぶせくも 心にものを なやむかな
    やよやいかにと 問ふ人もなみ


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□陸奥国紙に、いたう古めきたれど、書きざまよしばみたり。「げにも好きたる
かな」と、
めざましう見給ふ。御使に、なべてならぬ玉裳などかづけたり。
またの日、(源氏)「宣旨書きは、見知らずなむ」とて、(源氏)「いぶ・・・□


13明石08 ながむらむ

2007年11月24日 | 13明石~16関屋
源氏物語歌集 224
巻十三 明石 08 入道

    ながむらむ おなじ雲居を ながむるは
    思ひもおなじ 思ひなるらむ


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□・・・、「ここちあし」とて寄り臥しぬ。言ひわびて入道ぞ書く。
(入道)「いとかしこきは、田舎びて侍る袂に、つつみあまりぬるにや、
さらに見給へも及び待ちぬかしこさになむ。さるは、 (入道)「ながむ・・・□

13明石07 をちこちも

2007年11月23日 | 13明石~16関屋

源氏物語歌集 223
巻十三 明石 07 源氏

    をちこちも 知らぬ雲居に ながめわび
    かすめし宿の 梢をぞとふ


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□心恥づかしき様なめるも、なかなかかかる物の隅にぞ思ひの外なる事も篭るべかめると、
心づかひし給ひて、高麗の胡桃色の紙に、えならず引きつくろひて、
(源氏)「をち・・・とふ 思ふには」 とばかりやありけむ。□


13明石06 旅衣

2007年11月22日 | 13明石~16関屋

源氏物語歌集 222
巻十三 明石 06 源氏

    旅衣 うらがなしさに あかしかね
    草のまくらは 夢もむすばず


2007-1122-ysg222
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□まして年月思ひ給へわたるいぶせさを、おしはからせ給へ」と聞ゆるけはひ、
うちわななきたれど、さすがにゆゑなからず。(源氏)「されど、
浦なれ給へらむ人は」とて、 (源氏)「旅・・・むすばず」・・・□


13明石05 ひとりねは

2007年11月21日 | 13明石~16関屋
源氏物語歌集 221
巻十三 明石 05 入道

    ひとりねは 君も知りぬや つれづれと
    思ひあかしの うら淋しさを


2007-1121-ysg221
Kad03-081

□・・・、と思ひ屈しつるを、さらば導き給ふべきにこそあなれ。
心細きひとり寝の慰めにも」など宣ふを、限りなく嬉しと思へり。
(入道)「ひとり・・・さを まして・・・□