源氏物語歌集-悠山人編

『源氏物語』中の短歌(和歌)のすべてを、
原作の順序にしたがって、紹介する。→日本初!

44竹河24 流れての

2009年01月18日 | 41幻~44竹河
源氏物語歌集 618
巻四十四 竹河 24 薫
    流れての 頼めむなしき 竹河に
    世はうきものと 思ひ知りにき


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Kad08-082

□・・・、みづから思ひ知らる。
(薫)「流れ・・・にき」
ものあはれなるけしきを、人々をかしがる。□

44竹河23 竹河の

2009年01月17日 | 41幻~44竹河
源氏物語歌集 617
巻四十四 竹河 23 女房(大君付)

    竹河の その夜のことは 思ひ出づや
    しのぶばかりの ふしはなけれど


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Kad08-082

□・・・、内より、
(女房(大君付))「竹河・・・れど」
といふ。□

44竹河22 紫の

2009年01月16日 | 41幻~44竹河
源氏物語歌集 616
巻四十四 竹河 22 藤侍従

    紫の 色はかよへど 藤の花
    心にえこそ かからざりけれ


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Kad08-078

□・・・、わが心にあらぬ世のありさまにほのめかす。
(藤侍従)「紫の・・・けれ」
まめなる君にて、いとほしと思へり。□

44竹河21 手にかくる

2009年01月15日 | 41幻~44竹河
源氏物語歌集 615
巻四十四 竹河 21 薫

    手にかくる 物にしあらば 藤の花
    松よりまさる 色を見ましや


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Kad08-077

□・・・、世の中恨めしげにかすめつつ語らふ。
(薫)「手に・・・しや」
とて、花を見上げたるけしきなど、・・・□

44竹河20 生ける世の

2009年01月14日 | 41幻~44竹河
源氏物語歌集 614
巻四十四 竹河 20 蔵人少将

    生ける世の 死は心に まかせねば
    聞かでややまむ 君が一言


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□・・・、かごとがましくて、
(蔵人少将)「生け・・・一言
塚の上にもかけ給ふべき御心の程と、・・・□

44竹河19 あはれてふ

2009年01月13日 | 41幻~44竹河
源氏物語歌集 613
巻四十四 竹河 19 大君(髭黒長女)

    あはれてふ 常ならぬ世の 一言も
    いかなる人に かくるものぞは


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Kad08-076

□・・・、やがてこの御文の端に、
(大君(髭黒長女))「あは・・・ぞは
ゆゆしきかたにてなむ、・・・□

44竹河17 花を見て

2009年01月11日 | 41幻~44竹河
源氏物語歌集 611
巻四十四 竹河 17 蔵人少将

    花を見て 春は暮らしつ 今日よりや
    しげきなげきの 下にまどはむ


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□さて例の、
(蔵人少将)「花を・・・はむ」
と聞こえ給へり。□

44竹河16 あはれとて

2009年01月10日 | 41幻~44竹河
源氏物語歌集 610
巻四十四 竹河 16 蔵人少将

    あはれとて 手を許せかし 生き死にを
    君にまかする わが身とならば


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Kad08-072

□といらふるさへぞつらかりける。
(蔵人少将)「あは・・・らば」
泣きみ笑ひみ、語らひあかす。□

44竹河15 わりなしや

2009年01月09日 | 41幻~44竹河
源氏物語歌集 609
巻四十四 竹河 15 中将御許

    わりなしや 強きに寄らむ 勝ち負けを
    心ひとつに いかがまかする


2009-0109-ysg609
Kad08-072

□中将うち笑ひて、
(中将御許)「わり・・・する」
といらふるさへぞつらかりける。□