源氏物語歌集-悠山人編

『源氏物語』中の短歌(和歌)のすべてを、
原作の順序にしたがって、紹介する。→日本初!

32梅枝11 限りとて

2008年07月18日 | 29行幸~32梅枝
源氏物語歌集 438
巻三十二 梅枝 11 雲居の雁

    限りとて 忘れ難きを 忘るるも
    こや世に靡く 心なるらむ


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□「気色ばかりもかすめぬつれなさよ」と、思ひ続け給ふは憂けれど、
(雲居の雁)「限り・・・らむ」
とあるを、あやし、と、うち置かれず、かたぶきつつ見居給へり。□

32梅枝09 珍しと

2008年07月16日 | 29行幸~32梅枝
源氏物語歌集 436
巻三十二 梅枝 09 源氏

    珍しと 古里人も 待ちぞ見む
    花の錦を 着て帰る君


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□御車かくる程に追ひて、
(源氏)「珍し・・・る君
又なき事と思さるらむ」と、あれば、いといとうからがり給ふ。□

32梅枝08 花の香を

2008年07月15日 | 29行幸~32梅枝
源氏物語歌集 435
巻三十二 梅枝 08 兵部卿の宮

    花の香を えならぬ袖に うつしもて
    ことあやまりと 妹やとがめむ


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□御贈物に、自らの御料の御直衣の御よそひ一くだり、手触れ給はぬ薫物二壷添へて、
御車に奉らせ給ふ。宮
(兵部卿の宮)「花の・・・めむ」□

32梅枝07 霞だに

2008年07月14日 | 29行幸~32梅枝
源氏物語歌集 434
巻三十二 梅枝 07 弁の少将紅梅

    霞だに 月と花とを 隔てずは
    ねぐらの鳥も ほころびなまし


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□(宰相の中将夕霧)「心あ・・・べき
情けなく」と、皆うち笑ふ。弁の少将、
(弁の少将紅梅)「霞だ・・・まし」□

32梅枝06 心ありて

2008年07月13日 | 29行幸~32梅枝
源氏物語歌集 433
巻三十二 梅枝 06 宰相の中将夕霧

    心ありて 風のよくめる 花の木に
    とりあへぬまで 吹きやよるべき


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□(頭の中将柏木)「鶯の・・・笛竹」
宰相の中将、
(宰相の中将夕霧)「心あ・・・べき□

32梅枝05 鶯の

2008年07月12日 | 29行幸~32梅枝
源氏物語歌集 432
巻三十二 梅枝 05 頭の中将柏木

    鶯の ねぐらの枝も なびくまで
    なほ吹き通せ 夜半の笛竹


2008-0712-ysg432
Kad05-159

□(源氏)「色も・・・なむ」
頭の中将に賜へば、とりて宰相の中将にさす。
(頭の中将柏木)「鶯の・・・笛竹」□

32梅枝04 色も香も

2008年07月11日 | 29行幸~32梅枝
源氏物語歌集 431
巻三十二 梅枝 04 源氏

    色も香も 移るばかりに この春は
    花咲く宿を かれずもあらなむ


2008-0711-ysg431
Kad05-159

□(兵部卿)「鶯の・・・りに
千代も経ぬべし」と、聞え給へば、
(源氏)「色も・・・なむ」□