源氏物語歌集-悠山人編

『源氏物語』中の短歌(和歌)のすべてを、
原作の順序にしたがって、紹介する。→日本初!

24胡蝶14 うちとけて

2008年04月30日 | 21乙女~24胡蝶
源氏物語歌集 370
巻二十四 胡蝶 14 源氏

    うちとけて ねも見ぬものを わか草の
    ことあり顔に むすぼほるらむ


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Kad04-187

□(源氏)「たぐひなかしり御けしきこそ、辛きしも忘れ難う。いかに人見奉りけむ。
 うち・・・らむ
をさなくこそものし給ひけれ」 ・・・。

24胡蝶13 袖の香を

2008年04月29日 | 21乙女~24胡蝶
源氏物語歌集 369
巻二十四 胡蝶 13 玉葛

    袖の香を よそふるからに 橘の
    みさへはかなく なりもこそすれ


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□・・・、いとうたておぼゆれど、おほどかなるさまにて、ものし給ふ。
(玉葛)「袖の・・・すれ」
 むつかしと思ひてうつぶし給へるさま、いみじうなつかしう、・・・□

24胡蝶12 橘の

2008年04月28日 | 21乙女~24胡蝶
源氏物語歌集 368
巻二十四 胡蝶 12 源氏

    橘の かをりし袖に よそふれば
    かはれる身とも 思ほえぬかな


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□箱のふたなる御くだものの中に、橘のあるをまさぐりて、
(源氏)「橘の・・・かな
世とともの心にかけて忘れ難きに、・・・□

24胡蝶11 今さらに

2008年04月27日 | 21乙女~24胡蝶
源氏物語歌集 367
巻二十四 胡蝶 11 玉葛

    今さらに いかならむ世か わか竹の
    おひはじめけむ 根をばたづねむ


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□・・・ 思へばうらめしかべいことぞかし」と、みすを引き上げて聞え給へば、ゐざり出でて、
(玉葛)「今さ・・・ねむ
なかなかにこそ侍らめ」と聞え給ふを、いとあはれと思しけり。□

24胡蝶10 ませのうちに

2008年04月26日 | 21乙女~24胡蝶
源氏物語歌集 366
巻二十四 胡蝶 10 源氏

    ませのうちに 根深くうゑし 竹のこの
    おのが世々にや 生ひわかるべき


2008-0426-ysg366
Kad04-181

□御前近き呉竹の、いと若やかにおひたちて、
うちなびくさまのなつかしきに、立ちとまり給うて、
(源氏)「ませ・・・べき ・・・□

24胡蝶09 思ふとも

2008年04月25日 | 21乙女~24胡蝶
源氏物語歌集 365
巻二十四 胡蝶 09 柏木

    思ふとも 君は知らじな わきかへり
    いはもる水に 色し見えねば


2008-0425-ysg365
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□(源氏)「これはいかなれば、かく結ぼほれたるにか」とて、
引き開け給へり。手いとをかしうて、
(柏木)「思ふ・・・ねば」 書きざま今めかしうそぼれたり。□

24胡蝶08 こてふにも

2008年04月24日 | 21乙女~24胡蝶
源氏物語歌集 364
巻二十四 胡蝶 08 中宮

    こてふにも さそはれなまし 心ありて
    八重山吹を 隔てざりせば


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□中将の君には、藤の細長添へて、女の装束かづけ賜ふ。御かへり、
(秋好)「昨日は音に泣きぬべくこそは、
(中宮)こて・・・せば」 とぞありける。□

24胡蝶07 花園の

2008年04月23日 | 21乙女~24胡蝶
源氏物語歌集 363
巻二十四 胡蝶 07 紫

    花園の 胡蝶をさへや 下草に
    秋まつ虫は うとく見るらむ


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□わらはべども、御階のもとに寄りて、花ども奉る。行香の人々とりつぎて、
閼伽に加へさせ給ふ。御消息、殿の中将の君して聞え給へり。
(紫)「花園・・・らむ」□

24胡蝶06 淵に身を

2008年04月22日 | 21乙女~24胡蝶
源氏物語歌集 362
巻二十四 胡蝶 06 源氏

    淵に身を 投げつべしやと この春は
    花のあたりを 立ちさらで見よ


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□いといたうほほ笑み給ひて、
(源氏)「淵に・・・見よ」
と、せちにとどめ給へば、え立ちあかれ給はで、けさの御遊び、ましていと面白し。□

24胡蝶05 紫の

2008年04月21日 | 21乙女~24胡蝶
源氏物語歌集 361
巻二十四 胡蝶 05 宮

    紫の ゆゑに心を しめたれば
    淵に身投げむ 名やはをしけき


2008-0421-ysg361
Kad04-173

□御かはらけのついでに、いみじうもてなやみ給うて、(宮)「思ふ心侍らずは、
まかり逃げ侍りなまし。いと堪へがたしや」と、すまひ給ふ。
(宮)「紫の・・・けき」とて、大臣の君に、同じかざしを参り給ふ。