源氏物語歌集-悠山人編

『源氏物語』中の短歌(和歌)のすべてを、
原作の順序にしたがって、紹介する。→日本初!

07紅葉賀09 立ちぬるる

2008年06月21日 | 05若紫~08花宴

源氏物語歌集 421
巻七 紅葉賀 09 典侍

    立ちぬるる 人しもあらじ あづまやに
    うたてもかかる 雨そそぎかな


2008-0621-ysg421
Kad02-069

□・・・、(典侍)「おし開いて来ませ」と、
うち添へたるも、例にたがひたる心地ぞする。
(典侍)「立ち・・・かな」□

【編者注】閉じ鍵括弧を加えて、依拠本を訂正。
【編者からお詫びと訂正】角川書店版『新編 国歌大観』と照合中に、私の不注意で、「立ちぬるる
」の一歌の落失が分かりました。今回は臨時の措置としますが、訂正後は、巻七紅葉賀第08歌の直後に「立ちぬるる」が挿入されます。(歌集422以後は正常)お詫びして訂正します。


08花宴08 心いる

2007年07月17日 | 05若紫~08花宴

源氏物語歌集 107
巻八 花宴 08 女

    心いる 方ならませば ゆみはりの
    月なき空に 迷はましやは


2007-0717-ysg107
Kad02-086

□(源氏)「あづさ弓・・・見ゆると 何ゆゑか」とおしあてに宣ふを、
えし忍ばぬなるべし、 (女)「心いる・・・ましやは」 といふ声、
ただそれなり。いとうれしきものから。
□(角文版)
巻八花宴了]


08花宴07 あづさ弓

2007年07月16日 | 05若紫~08花宴

源氏物語歌集 106
巻八 花宴 07 源氏


    あづさ弓 いるさの山に まどふかな
    ほの見し月の 影や見ゆると

2007-0716-ysg106
Kad02-086

□・・・さまかへける高麗人かな」といらふるは、心知らぬにやらむ。
いらへはせで、ただ時々うち嘆くけはひする方によりかかりて、
几帳ごしに手をとらへて、 (源氏)「あづさ弓・・・
□(角文版)


08花宴06 わが宿の

2007年07月15日 | 05若紫~08花宴

源氏物語歌集 105
巻八 花宴 06 右大臣

    わが宿の 花しなべての 色ならば
    何かはさらに 君を待たまし

2007-0715-ysg105
Kad02-085

□源氏の君にも、一日、うちにて御対面のついでに聞え給ひしかど、
「おはせねば、くちをしう、物の栄えなし」とおぼして、
御子の四位の少将を奉り給ふ。 (右大臣)「わが宿の・・・□(角文版)


08花宴05 世に知らぬ

2007年07月14日 | 05若紫~08花宴

源氏物語歌集 104
巻八 花宴 05 源氏

    世に知らぬ 心地こそすれ 有明の
    月のゆくへを 空にまがへて

2007-0714-ysg104
Kad02-082

□・・・、桜の三重がさねにて、濃きかたに霞める月をかきて、
水にうつしたる心ばへ、目慣れたれど、ゆゑなつかしうもてならしたり。
「草の原をば」と言ひし様のみ、心に給へば、 (源氏)「世に・・・□(角文版)


08花宴04 いづれぞと

2007年07月13日 | 05若紫~08花宴

源氏物語歌集 103
巻八 花宴 04 源氏

    いづれぞと 露の宿りを わかむまに
    小笹が原に 風もこそ吹け

2007-0713-ysg103
Kad02-080

□・・・とや思ふ」 といふ様、えんになまめきたり。(源氏)「道理や。聞え違へたる文字かな」とて、 (源氏)「いづれぞと・・・こそ吹け」 わづらはしく思す事ならずは、何かつつまむ。もし、すかい給ふか」とも言ひあへず、・・・□(角文版)


08花宴03 うき身世に

2007年07月12日 | 05若紫~08花宴

源氏物語歌集 102 
巻八 花宴 03 女

    うき身世に やがて消えなば 尋ねても
    草の原をば 訪はじとや思ふ

2007-0712-ysg102
Kad02-080

□らうたしと見給ふに、程なく明け行けば、心あわただし。女はまして、
様々に思ひ乱れたる気色なり。(源氏)「なほ名のりし給へ。いかでか聞ゆべき。
かうて止みなむとは、さりとも思されじ」と、宣へば、 (女)「うき身・・・
□(角文版)


08花宴02 深き夜の

2007年07月11日 | 05若紫~08花宴

源氏物語歌集 101 
巻八 花宴 02 源氏

    深き夜の あはれを知るも 入る月の
    おぼろげならぬ 契とぞ思ふ

2007-0711-ysg101
Kad02-079

□・・・、うち誦して、こなたざまには来るものか。いとうれしくて、ふと袖をとらへ給ふ。
女、恐ろしと思へる気色にて、(女)「あなむくつけ。こは誰ぞ」と、宣へど、
(源氏)「何かうとましき」とて、 (源氏)「深き夜の・・・
□(角文版)