源氏物語歌集-悠山人編

『源氏物語』中の短歌(和歌)のすべてを、
原作の順序にしたがって、紹介する。→日本初!

47総角28 おくれじと

2009年03月30日 | 45橋姫~48早蕨
源氏物語歌集 680
巻四十七 総角 28 薫

    おくれじと 空ゆく月を したふかな
    つひにすむべき この世ならねば


2009-0330-ysg680
Kad08-251

□・・・、かすかなるを聞きて、
(薫)「おく・・・ねば」
風のいとはげしければ、・・・□

47総角27 紅に

2009年03月29日 | 45橋姫~48早蕨
源氏物語歌集 679
巻四十七 総角 27 薫

    紅に おつる涙も かひなきは
    かたみのいろを そめぬなりけり


2009-0329-ysg679
Kad08-250

□・・・、ほの見給ふも、
(薫)「紅に・・・けり」
ゆるし色の氷とけぬかと見ゆるを、・・・□

47総角26 かきくもり

2009年03月28日 | 45橋姫~48早蕨
源氏物語歌集 678
巻四十七 総角 26 薫

    かきくもり 日かげも見えぬ 奥山に
    心をくらす 頃にもあるかな


2009-0328-ysg678
Kad08-245

□光もなくて暮れはてぬ。
(薫)「かき・・・かな」
似つかはしからぬ御かはりなれど、・・・□

47総角25 あかつきの

2009年03月27日 | 45橋姫~48早蕨
源氏物語歌集 677
巻四十七 総角 25 中の宮

    あかつきの 霜うち払ひ 鳴く千鳥
    もの思ふ人の 心をや知る


2009-0327-ysg677
Kad08-243

□・・・、弁してぞ聞こえ給ふ。
(中の宮)「あか・・知る」
似つかはしからぬ御かはりなれど、・・・□

47総角24 霜さゆる

2009年03月26日 | 45橋姫~48早蕨
源氏物語歌集 676
巻四十七 総角 24 薫

    霜さゆる 汀の千鳥 うちわびて
    鳴く音悲しき あさぼらけかな


2009-0326-ysg676
Kad08-243

□・・・、尊くこそ侍りけれ」とて、
(薫)「霜さ・・・かな」
言葉のやうに聞こえ給ふ。□

47総角23 あられ降る

2009年03月25日 | 45橋姫~48早蕨
源氏物語歌集 675
巻四十七 総角 23 中の宮

    あられ降る 深山の里は 朝夕に
    眺むる空も かきくらしつつ


2009-0325-ysg675
Kad08-237

□・・・、ただ一言なむ、
(中の宮)「あら・・・つつ」
かく言ふは神無月のつごもりなりけり。□

47総角22 眺むるは

2009年03月24日 | 45橋姫~48早蕨
源氏物語歌集 674
巻四十七 総角 22 匂宮

    眺むるは 同じ雲居を いかなれば
    おぼつかなさを そふる時雨ぞ


2009-0324-ysg674
Kad08-237

□例のこまやかに書き給ひて、
(匂宮)「若草・・・すれ」
「かく袖ひづる」などいふこともやありけむ、・・・□

47総角21 若草の

2009年03月23日 | 45橋姫~48早蕨

源氏物語歌集 673
巻四十七 総角 21 匂宮


    若草の ね見むものとは 思はねど
    むすぼほれたる ここちこそすれ

2009-0323-ysg673
Kad08-231

□・・・、忍びがたくて、
(匂宮)「若草・・・すれ」
御まへなる人々は、・・・□