源氏物語歌集 200
巻十二 須磨 32 良清
かきつらね 昔のことぞ 思ほゆる
かりはそのよの 友ならねども
2007-1030-ysg200
Kad03-051
□(源氏)「はつかりは・・・かなしき」
と宣へば、良清、
「かきつらね・・・ならねども」□
源氏物語歌集 199
巻十二 須磨 31 源氏
はつかりは 恋しき人の つらなれや
旅の空とぶ 声のかなしき
2007-1029-ysg199
Kad03-050
□・・・、うちながめ給ひて、涙こぼるるをかき払ひ給へる御手つき、
くろき御数珠に映え給へるは、
ふるさとの女恋しき人々の心みななぐさみにけり。(源氏)「はつかり・・・□
巻十二 須磨 31 源氏
はつかりは 恋しき人の つらなれや
旅の空とぶ 声のかなしき
2007-1029-ysg199
Kad03-050
□・・・、うちながめ給ひて、涙こぼるるをかき払ひ給へる御手つき、
くろき御数珠に映え給へるは、
ふるさとの女恋しき人々の心みななぐさみにけり。(源氏)「はつかり・・・□
源氏物語歌集 198
巻十二 須磨 30 源氏
恋ひわびて なく音にまがふ 浦波は
思ふ方より 風や吹くらむ
2007-1028-ysg198
Kad03-049
□・・・、波ただここもとに立ち来るここちして、涙落つともおぼえぬに、
枕浮くばかりになりけり。琴をすこしかき鳴らし給へるが、
われながらいとすごう聞ゆれば、弾きさし給ひて、 (源氏)「恋ひ・・・□
巻十二 須磨 30 源氏
恋ひわびて なく音にまがふ 浦波は
思ふ方より 風や吹くらむ
2007-1028-ysg198
Kad03-049
□・・・、波ただここもとに立ち来るここちして、涙落つともおぼえぬに、
枕浮くばかりになりけり。琴をすこしかき鳴らし給へるが、
われながらいとすごう聞ゆれば、弾きさし給ひて、 (源氏)「恋ひ・・・□
源氏物語歌集 197
巻十二 須磨 29 花散里
荒れまさる 軒のしのぶを ながめつつ
しげくも露の かかる袖かな
2007-1027-ysg197
Kad03-047
□・・・ものを (源氏)あまが・・・めむ 聞えさせむ事の、
いつとも侍らむこそ、つきせぬ心地し侍れ」などぞありける。
かやうにいづこにもおぼつかならず聞えかはし給ふ。□
巻十二 須磨 29 花散里
荒れまさる 軒のしのぶを ながめつつ
しげくも露の かかる袖かな
2007-1027-ysg197
Kad03-047
□・・・ものを (源氏)あまが・・・めむ 聞えさせむ事の、
いつとも侍らむこそ、つきせぬ心地し侍れ」などぞありける。
かやうにいづこにもおぼつかならず聞えかはし給ふ。□
源氏物語歌集 196
巻十二 須磨 28 源氏
あまがつむ なげきの中に しほたれて
いつまですまの 浦にながめむ
2007-1026-ysg196
Kad03-046
□・・・ものを (源氏)あまが・・・めむ 聞えさせむ事の、
いつとも侍らむこそ、つきせぬ心地し侍れ」などぞありける。
かやうにいづこにもおぼつかならず聞えかはし給ふ。□
巻十二 須磨 28 源氏
あまがつむ なげきの中に しほたれて
いつまですまの 浦にながめむ
2007-1026-ysg196
Kad03-046
□・・・ものを (源氏)あまが・・・めむ 聞えさせむ事の、
いつとも侍らむこそ、つきせぬ心地し侍れ」などぞありける。
かやうにいづこにもおぼつかならず聞えかはし給ふ。□
源氏物語歌集 195
巻十二 須磨 27 源氏
伊勢人の 波の上こぐ 小舟にも
うきめはからで のらましものを
2007-1025-ysg195
Kad03-046
□御返り書き給ふ。言の葉思ひやるべし。かく世を離るべき身と、
思ひ給へましかば、同じくは慕ひ聞えましものを」などなむ。
つれづれと、心細きままに、(源氏)「伊勢・・・ものを□
巻十二 須磨 27 源氏
伊勢人の 波の上こぐ 小舟にも
うきめはからで のらましものを
2007-1025-ysg195
Kad03-046
□御返り書き給ふ。言の葉思ひやるべし。かく世を離るべき身と、
思ひ給へましかば、同じくは慕ひ聞えましものを」などなむ。
つれづれと、心細きままに、(源氏)「伊勢・・・ものを□
源氏物語歌集 194
巻十二 須磨 26 御息所
伊勢島や 潮干の潟に あさりても
いふかひなきは わが身なりけり
2007-1024-ysg194
Kad03-045
□・・・浦にて よろづに思ひ給へ乱るる世の有様も、
なほいかになりはつべきにか」と多かり。 (御息所)「伊勢・・・けり」
物をあはれと思しけるままに、うち置きうち置き書き給へる、・・・□
源氏物語歌集 193
巻十二 須磨 25 御息所
うきめかる 伊勢をのあまを 思ひやれ
もしほたるてふ 須磨の浦にて
2007-1023-ysg193
Kad03-045
□・・・、明けぬ夜の心惑ひかとなむ。さりとも年月は隔て給はじ、
と思ひやり聞えさするにも、罪深き身のみこそ、
また聞えさせむ事もはるかなるべけれ。 (御息所)「うきめ・・・」□
源氏物語歌集 192
巻十二 須磨 24 紫の上
浦人の 塩くむ袖に くらべ見よ
波路隔つる 夜のころもを
2007-1022-ysg192
Kad03-044
□姫君の御文は、心ことにこまかなりし御返りなれば、
あはれなること多くて、 (紫の上)「浦人・・・ころもを」 物の色、
し給へるさまなど、いと清らなり。□
巻十二 須磨 24 紫の上
浦人の 塩くむ袖に くらべ見よ
波路隔つる 夜のころもを
2007-1022-ysg192
Kad03-044
□姫君の御文は、心ことにこまかなりし御返りなれば、
あはれなること多くて、 (紫の上)「浦人・・・ころもを」 物の色、
し給へるさまなど、いと清らなり。□