源氏物語歌集-悠山人編

『源氏物語』中の短歌(和歌)のすべてを、
原作の順序にしたがって、紹介する。→日本初!

12須磨32 かきつらね

2007年10月30日 | 09葵~12須磨

源氏物語歌集 200
巻十二 須磨 32 良清

    かきつらね 昔のことぞ 思ほゆる
    かりはそのよの 友ならねども

2007-1030-ysg200
Kad03-051

□(源氏)「はつかりは・・・かなしき」
と宣へば、良清、
「かきつらね・・・ならねども」□


12須磨31 はつかりは

2007年10月29日 | 09葵~12須磨
源氏物語歌集 199
巻十二 須磨 31 源氏

    はつかりは 恋しき人の つらなれや
    旅の空とぶ 声のかなしき

2007-1029-ysg199
Kad03-050

□・・・、うちながめ給ひて、涙こぼるるをかき払ひ給へる御手つき、
くろき御数珠に映え給へるは、
ふるさとの女恋しき人々の心みななぐさみにけり。(源氏)「はつかり・・・□

12須磨30 恋ひわびて

2007年10月28日 | 09葵~12須磨
源氏物語歌集 198
巻十二 須磨 30 源氏

    恋ひわびて なく音にまがふ 浦波は
    思ふ方より 風や吹くらむ


2007-1028-ysg198
Kad03-049

□・・・、波ただここもとに立ち来るここちして、涙落つともおぼえぬに、
枕浮くばかりになりけり。琴をすこしかき鳴らし給へるが、
われながらいとすごう聞ゆれば、弾きさし給ひて、 (源氏)「恋ひ・・・□

12須磨29 荒れまさる

2007年10月27日 | 09葵~12須磨
源氏物語歌集 197
巻十二 須磨 29 花散里

    荒れまさる 軒のしのぶを ながめつつ
    しげくも露の かかる袖かな


2007-1027-ysg197
Kad03-047

□・・・ものを (源氏)あまが・・・めむ 聞えさせむ事の、
いつとも侍らむこそ、つきせぬ心地し侍れ」などぞありける。
かやうにいづこにもおぼつかならず聞えかはし給ふ。□

12須磨28 あまがつむ

2007年10月26日 | 09葵~12須磨
源氏物語歌集 196
巻十二 須磨 28 源氏

    あまがつむ なげきの中に しほたれて
    いつまですまの 浦にながめむ


2007-1026-ysg196
Kad03-046

□・・・ものを (源氏)あまが・・・めむ 聞えさせむ事の、
いつとも侍らむこそ、つきせぬ心地し侍れ」などぞありける。
かやうにいづこにもおぼつかならず聞えかはし給ふ。□

12須磨27 伊勢人の

2007年10月25日 | 09葵~12須磨
源氏物語歌集 195
巻十二 須磨 27 源氏

    伊勢人の 波の上こぐ 小舟にも
    うきめはからで のらましものを


2007-1025-ysg195
Kad03-046

□御返り書き給ふ。言の葉思ひやるべし。かく世を離るべき身と、
思ひ給へましかば、同じくは慕ひ聞えましものを」などなむ。
つれづれと、心細きままに、(源氏)「伊勢・・・ものを□

12須磨26 伊勢島や

2007年10月24日 | 09葵~12須磨

源氏物語歌集 194
巻十二 須磨 26 御息所

    伊勢島や 潮干の潟に あさりても
    いふかひなきは わが身なりけり


2007-1024-ysg194
Kad03-045

□・・・浦にて よろづに思ひ給へ乱るる世の有様も、
なほいかになりはつべきにか」と多かり。 (御息所)「伊勢・・・けり」
物をあはれと思しけるままに、うち置きうち置き書き給へる、・・・□


 


12須磨25 うきめかる

2007年10月23日 | 09葵~12須磨

源氏物語歌集 193
巻十二 須磨 25 御息所

    うきめかる 伊勢をのあまを 思ひやれ
    もしほたるてふ 須磨の浦にて


2007-1023-ysg193
Kad03-045

□・・・、明けぬ夜の心惑ひかとなむ。さりとも年月は隔て給はじ、
と思ひやり聞えさ
するにも、罪深き身のみこそ、
また聞えさせむ事もはるかなるべけれ。 (御息所)
「うきめ・・・」□


12須磨24 浦人の

2007年10月22日 | 09葵~12須磨
源氏物語歌集 192
巻十二 須磨 24 紫の上

    浦人の 塩くむ袖に くらべ見よ
    波路隔つる 夜のころもを


2007-1022-ysg192
Kad03-044

□姫君の御文は、心ことにこまかなりし御返りなれば、
あはれなること多くて、 (紫の上)「浦人・・・ころもを」 物の色、
し給へるさまなど、いと清らなり。□