源氏物語歌集 150
巻十 賢木 19 若草
風吹けば まづぞ乱るる 色かはる
浅ぢが露に かかるささがに
2007-0830-ysg150
Kad02-159
□・・・心なき」 などこまやかなるに、女君もうつ泣き給ひぬ。御返し、
白き色紙に、 (若草)「風吹けば・・・ささがに」 とのみあり。
「御手はいとをかしうのみなりまさるものかな」と独りごちて、・・・□
巻十 賢木 19 若草
風吹けば まづぞ乱るる 色かはる
浅ぢが露に かかるささがに
2007-0830-ysg150
Kad02-159
□・・・心なき」 などこまやかなるに、女君もうつ泣き給ひぬ。御返し、
白き色紙に、 (若草)「風吹けば・・・ささがに」 とのみあり。
「御手はいとをかしうのみなりまさるものかな」と独りごちて、・・・□
源氏物語歌集 149
巻十 賢木 18 源氏
浅ぢふの 露のやどりに 君を置きて
よもの嵐ぞ しづ心なき
2007-0829-ysg149
Kad02-159
□・・・、試みはべる道なれど、つれづれも慰めがたう、心細さまさりてなむ。
聞きさしたる事ありて、やすらひ侍る程を、いかに」などみちのくに紙に、
うちとけ書き給へるさへぞめでき。 (源氏)「浅ぢふ・・・□
源氏物語歌集 148
巻十 賢木 17 藤壺
長き世の 恨みを人に 残しても
かつは心を あだと知らなむ
2007-0828-ysg148
Kad02-155
□・・・へん 御ほだしにもこそ」と聞え給へば、さすがにうち嘆き給ひて、
(藤壺)「長き・・・なむ」 はかなく言ひなさせ給へるさまの、
言ふよしなきここちすれど、人のおぼさむところも、・・・□
巻十 賢木 17 藤壺
長き世の 恨みを人に 残しても
かつは心を あだと知らなむ
2007-0828-ysg148
Kad02-155
□・・・へん 御ほだしにもこそ」と聞え給へば、さすがにうち嘆き給ひて、
(藤壺)「長き・・・なむ」 はかなく言ひなさせ給へるさまの、
言ふよしなきここちすれど、人のおぼさむところも、・・・□
源氏物語歌集 147
巻十 賢木 16 源氏
逢ふ事の かたきを今日に 限らずは
今いく世をか 嘆きつつへん
2007-0827-ysg147
Kad02-155
□(源氏)「世の中にありと聞しめされむも、いと恥づかしければ、
やがて亡せ侍りなむも、またこの世ならぬ罪となり侍りぬべき事」など聞え給ふも、
むくつけきまで思し入れり。 (源氏)「逢ふ事の・・・□
源氏物語歌集 146
巻十 賢木 15 源氏
嘆きつつ わが世はかくて 過ぐせとや
胸のあくべき 時ぞともなく
2007-0826-ysg146
Kad02-150
□・・・つけても」 と宣ふさま、はかなだちていとをかし。 (源氏)「嘆き・・・
ともなく」 しづ心なくて出で給ひぬ。 夜深きあかつき月夜の、
えも言はず曇りわたれるに、いといたうやつれて、・・・□
巻十 賢木 15 源氏
嘆きつつ わが世はかくて 過ぐせとや
胸のあくべき 時ぞともなく
2007-0826-ysg146
Kad02-150
□・・・つけても」 と宣ふさま、はかなだちていとをかし。 (源氏)「嘆き・・・
ともなく」 しづ心なくて出で給ひぬ。 夜深きあかつき月夜の、
えも言はず曇りわたれるに、いといたうやつれて、・・・□
源氏物語歌集 145
巻十 賢木 14 尚侍
心から かたがた袖を 濡らすかな
あくと教ふる 声につけても
2007-0825-ysg145
Kad02-150
□腹ぎたなきかたへの、教へおこするぞかし」と。大将は聞き給ふ。
をかしきものからわづらはし。ここかしこ尋ねありきて、「とらひとつ」と申すなり。
女君、 (尚侍)「心から・・・□
巻十 賢木 14 尚侍
心から かたがた袖を 濡らすかな
あくと教ふる 声につけても
2007-0825-ysg145
Kad02-150
□腹ぎたなきかたへの、教へおこするぞかし」と。大将は聞き給ふ。
をかしきものからわづらはし。ここかしこ尋ねありきて、「とらひとつ」と申すなり。
女君、 (尚侍)「心から・・・□
源氏物語歌集 144
巻十 賢木 13 命婦
年暮れて 岩井の水も こほりとぢ
見し人影の あせもゆくかな
2007-0824-ysg144
Kad02-146
□・・・悲しき」 と、おぼすままに、あまり若々しうぞあるや。王命婦、
(命婦)「年暮れ・・・ゆくかな」 そのついでに、いと多かれど、
さのみ書きつづくべき事かは。渡らせ給ふ儀式変らねど、・・・□
巻十 賢木 13 命婦
年暮れて 岩井の水も こほりとぢ
見し人影の あせもゆくかな
2007-0824-ysg144
Kad02-146
□・・・悲しき」 と、おぼすままに、あまり若々しうぞあるや。王命婦、
(命婦)「年暮れ・・・ゆくかな」 そのついでに、いと多かれど、
さのみ書きつづくべき事かは。渡らせ給ふ儀式変らねど、・・・□
源氏物語歌集 143
巻十 賢木 12 源氏
さえわたる 池の鏡の さやけきに
見なれしかげを 見ぬぞ悲しき
2007-0823-ysg143
Kad02-146
□・・・暮れかな」 何ばかりのことにもあらぬに、折からものあはれにて、
大将の御袖いたう濡れぬ。池のひまなう氷れるに、 (源氏)「さえわたる・・・
悲しき」 と、おぼすままに、・・・□
源氏物語歌集 142
巻十 賢木 11 兵部卿の宮
かげ広み 頼みし松や 枯れにけん
下葉散りゆく 年の暮れかな
2007-0822-ysg142
Kad02-145
□・・・、院の内やうやう人めかれゆきて、しめやかなるに、
大将殿こなたに参り給ひて、古き御物語聞え給ふ。おまへの五葉の、
雪にしをれて、下葉枯れたるを見給ひて、みこ、 (兵部卿の宮)「かげ・・・□