源氏物語歌集-悠山人編

『源氏物語』中の短歌(和歌)のすべてを、
原作の順序にしたがって、紹介する。→日本初!

45橋姫12 目の前に

2009年01月30日 | 45橋姫~48早蕨
源氏物語歌集 630
巻四十五 橋姫 12 柏木

    目の前に この世をそむく 君よりも
    よそに別るる 魂ぞ悲しき


2009-0130-ysg630
Kad08-129

□・・・、つぶつぶとあやしき鳥の跡のやうに書きて、
(柏木)「目の・・・しき」
またはしに、・・・□

45橋姫11 さしかへる

2009年01月29日 | 45橋姫~48早蕨
源氏物語歌集 629
巻四十五 橋姫 11 姫君(大君)

    さしかへる 宇治の川長 朝夕の
    しづくや袖を くたしはつらむ


2009-0129-ysg629
Kad08-118

□・・・、ときをこそかかる折には、とて、
(姫君(大君))「さし・・・らむ
身さへ、浮きて」と、・・・□

45橋姫10 橋姫の

2009年01月28日 | 45橋姫~48早蕨
源氏物語歌集 628
巻四十五 橋姫 10 薫

    橋姫の 心をくみて 高瀬さす
    棹のしづくに 袖ぞぬれぬる


2009-0128-ysg628
Kad08-118

□硯召して、あなたに聞こえ給ふ。
(薫)「橋姫・・・ぬる
ながめ給ふらむかし」とて、・・・□

45橋姫09 雲のゐる

2009年01月27日 | 45橋姫~48早蕨
源氏物語歌集 627
巻四十五 橋姫 09 姫君(大君)

    雲のゐる 峰のかけぢを 秋霧の
    いとどへだつる ころにもあるかな


2009-0127-ysg627
Kad08-117

□・・・、例のいとつつましげにて、
(姫君(大君))「雲の・・・かな」
少しうち嘆い給へるけしき、・・・□

45橋姫07 山おろしに

2009年01月25日 | 45橋姫~48早蕨
源氏物語歌集 625
巻四十五 橋姫 07 薫

    山おろしに たえぬ木のはの 露よりも
    あやなくもろき わが涙かな


2009-0125-ysg625
Kad08-107

□・・・、心細くをかしく思されけり。
(薫)「山お・・・かな」
山がつのおどろくもうるさしとて、・・・□

【訂正】「山おろしに」落歌のため拾遺し、挿入。「朝ぼらけ」と合わせて、付番変更します。

45橋姫06 あとたえて

2009年01月24日 | 45橋姫~48早蕨
源氏物語歌集 624
巻四十五 橋姫 06 八の宮(古宮)

    あとたえて 心すむとは なけれども
    世をうぢ山に やどをこそかれ


2009-0124-ysg624
Kad08-103

□御返し、
(八の宮(古宮))「あと・・・かれ」
聖の方をば卑下して、・・・□

45橋姫05 世をいとふ

2009年01月23日 | 45橋姫~48早蕨
源氏物語歌集 623
巻四十五 橋姫 05 冷泉院

    世をいとふ 心は山に かよへども
    八重たつ雲を 君やへだつる


2009-0123-ysg623
Kad08-103

□・・・、聞こえ給うて、
(冷泉院)「世を・・・つる」
阿闍梨、この御使ひを先に立てて、・・・□

45橋姫04 見し人も

2009年01月22日 | 45橋姫~48早蕨
源氏物語歌集 622
巻四十五 橋姫 04 八の宮(古宮)

    見し人も やどもけぶりに なりにしを
    何とてわが身 きえ残りけむ


2009-0122-ysg622
Kad08-100

□・・・、思ひいで聞こえ給はぬ折なかりけり。
(八の宮(古宮))「なく・・・まし」
生けるかひなくぞ、思しこがるるや。□