52蜻蛉11 ありと見て

源氏物語歌集　766
巻五十二　蜻蛉　11　薫

　　　　ありと見て　手にはとられず　見ればまた
　　　　ゆくへもしらず　消えしかげろふ　

2009-0626-ysg766
Kad10-137

□・・・、蜻蛉のものはかなげに飛びちがふを、
（薫）「あり・・・ろふ
あるかなきかの」と、・・・□

52蜻蛉10 宿かさば

源氏物語歌集　765
巻五十二　蜻蛉　10　薫

　　　　宿かさば　ひと夜は寝なむ　おほかたの
　　　　花にうつらぬ　心なりとも

2009-0625-ysg765
Kad10-132

□・・・、さだめ聞こえさせむ」と言へば、
（薫）「宿か・・・とも」
とあれば、・・・□

52蜻蛉09 旅寝して

源氏物語歌集　764
巻五十二　蜻蛉　09　弁の御許

　　　　旅寝して　なほ心みよ　をみなへし
　　　　盛りの色に　うつりうつらず

2009-0624-ysg764
Kad10-132

□・・・、にくく侍り」とて、
（弁の御許）「旅寝・・・らず」
さてのち、・・・□

52蜻蛉08 花といへば

源氏物語歌集　763
巻五十二　蜻蛉　08　中将の御許

　　　　花といへば　名こそあだなれ　をみなへし
　　　　なべての露に　乱れやはする

2009-0623-ysg763
Kad10-132

□・・・、のどやかに、いととく、
（中将の御許）「花と・・・する」
と書きたる手、・・・□

52蜻蛉07 をみなへし

源氏物語歌集　762
巻五十二　蜻蛉　07　薫

　　　　をみなへし　乱るる野辺に　まじるとも
　　　　つゆのあだ名を　われにかけめや

2009-0622-ysg762
Kad10-132

□・・・、思ふ身ぞくち惜しき。
（薫）「をみ・・・めや
心やすくは思さで」と、・・・□

52蜻蛉06 荻の葉に

源氏物語歌集　761
巻五十二　蜻蛉　06　薫

　　　　荻の葉に　露ふきむすぶ　秋風も
　　　　ゆふべぞわきて　身にはしみける

2009-0621-ysg761
Kad10-126

□・・・、思ふ身ぞくち惜しき。
（薫）「荻の・・・ける」
と書きても添へまほしく思せど、・・・□

52蜻蛉05 常なしと

源氏物語歌集　760
巻五十二　蜻蛉　05　薫

　　　　常なしと　ここら世を見る　憂き身だに
　　　　人の知るまで　嘆きやはする

2009-0620-ysg760
Kad10-117

□・・・、にくからず、
（薫）「常な・・・する
このよろこび、・・・□

52蜻蛉04 あはれ知る

源氏物語歌集　759
巻五十二　蜻蛉　04　小宰相の君

　　　　あはれ知る　心は人に　おくれねど
　　　　数ならぬ身に　きえつつぞふる

2009-0619-ysg759
Kad10-116

□・・・、忍びあまりて聞こえたり。
（小宰相の君）「あは・・・ふる
かへたらば」と、・・・□

52蜻蛉03 われもまた

源氏物語歌集　758
巻五十二　蜻蛉　03　薫

　　　　われもまた　憂きふる里を　荒れはてば
　　　　たれやどり木の　かげをしのばむ

2009-0618-ysg758
Kad10-110

□今はここを来て見むことも心うかるべしとのみ見めぐらし給ひて、
（薫）「われ・・・ばむ」
あざり、今は律師なりけり。□

52蜻蛉02 たちばなの

源氏物語歌集　757
巻五十二　蜻蛉　02　匂宮

　　　　たちばなの　かをるあたりは　ほととぎす
　　　　心してこそ　なくべかりけれ

2009-0617-ysg757
Kad10-100

□・・・、と見給ひて、
（匂宮）「たち・・・けれ
わづらはし」と書き給ふ。□