チバニアンの申請手続きが中断していることが報じられた。
チバニアンは既に国際標準(国際標準模式層断面及び地点)として認定されているものと思っていたが、現状は、認定する国際学会の規定する4段階のうち第2段階までクリアーしている状態であるらしい。第3段階では「基準地への自由な立ち入りが保証されている」ことが条件となっているが、命名認定に反対する楡井久茨城大名誉教授が基準地一帯の土地の共同地権者となって、自由な立ち入りを拒んでいることが原因であるらしい。さらに楡井氏を会長とする研究団体は、2018年に現地にコンクリートブロック製の観光用階段を設けるという妨害行為も行っているらしい。楡井氏は基準地研究グループのメンバーであったが、平成10年ごろから「研究データは捏造されたもので登録申請に反対」する主張に転じたとされている。事の真偽・正邪について判断する能力はないが、世評で見る限り楡井氏の功名心に起因するグループ内の軋轢が原因とされている感が強い。少なくとも、階段を作ったり土地を借り上げて申請条件に抵触させるやり方や、研究者の往来を不可能にするやり方は、研究者・学究として如何なものだろうか。楡井氏は「基準候補地から2㎞離れた地点のデータを使用している」としてデータ捏造を主張しているらしいが、それなら2㎞離れた地点を基準地とするように主張すべきであると素人目には映るのだが、そうではないようである。楡井氏は1940(昭和15)年生まれの79才であり、残り少ない人生をかけて・私財を投げ打って誤りを正すために妨害とも取れる行動をしているのかもしれないが、私財を投げ打つならば自分が候補地と確信する地点の借り上げ・研究に注力する方が研究者の姿勢として共感できるように思える。
「チバニアン」と命名したい地層は、地球史上これまでで最後の地磁気逆転が起きた時期(約77万年前(新生代の第四期更新世))の痕跡を示す地層で、地上で観察できるのは世界でもまれで、千葉県以外ではイタリアに同様の地層がある程度らしい。当該地層に日本に由来する呼称がつけられるのは喜ばしいことであるが、研究データを捏造してまで命名権を争うほどのものではなく、後世の・海外の研究者が検証すれば容易に適否が判断されるものと思う。楡井氏に於かれては、晩節のためにも姑息な手段を弄することなく、学術的に争って欲しいものである。
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