もうチョットで日曜画家 (元海上自衛官の独白)

技量上がらぬ故の腹いせにせず。更にヘイトに堕せずをモットーに。

日本文明とについて

2018年03月16日 | 科学

 正論大賞を受賞した新保祐司氏の、講演記事を読んだ。

 記事中、次の引用語句に興味を惹かれた。一つは英国の歴史家トインビーの「文明は挑戦(外圧の意味か?)に対する応答から生まれ、応答・応戦できなかった場合に文明は滅びる」であり、二つ目はサミュエル・ハンティントンが「日本文明を世界の8大文明と位置づけ、1国1文明は日本文明だけ」としているとのことである。不勉強で両書ともに読んでいないが、なるほどと頷ける発想・分析ではないだろうか。聖徳太子が中国の朝貢要求を拒絶し、鎌倉幕府が元の侵攻を阻止し、江戸幕府・明治政府は黒船以後の外圧を局限したが、これらのいずれもが日本文明維持のための行動であったと解釈すれば、そこには「何を守るのが重要か」に対する指導者の採るべき道と国民の選択肢が示されているように思える。高大連携歴史教育研究会の主張に代表される現代史家は明治維新を富国強兵の出発点として否定的に捉えているようであるが、維新を文明防護の一里塚とするならばその存在は極めて大きいものと考える。更には明治維新から大東亜戦争までをアジア侵略の歴史と捉える主張も自虐史家を中心として根強よく唱えられているが、冒頭の助けを借りて「異文明の確執」とするならば、人類史の必然とも思われる。3月1日にEUや米国の難民け入れの排斥動向に書いたことが、あながち的外れでもなかったのではなかろうかと自賛するところである。

 荘厳な響きと大伴家持の詩情から日本人の故郷ともいえる「海ゆかば」さえも否定する教育界の現状。日本文明崩壊・喪失の序曲と見るのは的外れなのだろうか。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿