私は大のトマト好きである。
毎朝、食卓の一品に必ず加えている。
でもそのトマトの食べ方が、一風変わっているという。
串型に切ったトマトに、砂糖代わりに甘味料(ノンカロリーのパルスイ
ート)を振りかけ、甘くして食べている。
現役時代、同僚に「トマトに砂糖をかけて食べる」と言ったら「ええ!」
と驚かれた。
「トマトには、ふつう塩をかけるんやで」。
私の「甘いトマト」にはわけがある。
子供の時代、おやつなんか贅沢品で食べられなかったから、畑でもいだ
トマトを井戸水で冷やして、くし形に切って砂糖をかけて食べていた。
スイカと並んで、何より美味しい夏のおやつだったのだ。
高校生になって町に出て下宿して自炊した時も、トマトに砂糖をかけて食
べるのが普通だった。
甘いトマトは、私にとってごく当たり前のこと。
後年家庭をもっても、トマトに砂糖をかけて食べるのを見たカミさんは目を
丸くしたけど、私は止めなかった。
トマトは砂糖漬けが最高、と舌がしっかりと覚えていたから。
「トマトはホンマに塩だけで食べるんやろか」
暇ジジイだから、ネットで「トマトと砂糖」を検索してみたら・・・
なんとトマトには「塩派」と「砂糖派」があるんですねえ。
しかも、地域的にかなりはっきり分かれているのには驚いた。
アンケート調査によると、関東から東は圧倒的に砂糖派、関西は真逆の塩派
だというんです。
どうも関西のトマトには甘みがあるけど、関東のトマトは酸っぱいのが多く、砂
糖の助けが必要になったと言う説があるらしい。
もっともらしいけど、本当かしらん。
トマトの関西・塩派、関東・砂糖派で思い出すのは「アホバカ」分布のこと。
民放のバラエティ番組「探偵ナイトスクープ」(1991年)の傑作として、今も語り
草となっている「アホとバカの境界線」。
漠然と、アホは関西(西日本)系、バカは関東(東日本)系と言われているが、も
っとはっきりした「言語地図」を作れないか。
全国調査結果、東北や北海道の一部に「アホ」を使う地域と、名古屋の「タワケ」
もあるが、どうも岐阜の関が原あたりがアホとバカの境界線ではないか、との結
論だったように思う。
なお、この番組は全国的に注目を集め、後に「全国アホ・バカ分布考ーはるかな
る言葉の旅路」として、新潮社文庫で出版されている…参考までに。
なかなか面白いですよ~
また横道にそれたが・・・
さて、トマトの「塩派」と「砂糖派」の分水嶺(境界線)は、果たしてどこか・・・
<美味しいトマト>

<甘くしていただく>
