気分はガルパン、、ゆるキャン△

「パンツァー・リート」の次は「SHINY DAYS」や「ふゆびより」を聴いて元気を貰います

ゆるキャンから始めたNゲージ その7  ゆるキャンの大井川鐡道の車輌

2023年07月10日 | ゆるキャン△

 ゆるキャンのアニメは、2023年7月時点で2期までが放送されているが、さらに3期が予定されている。その放送時期に関してはまだ公表されていないものの、ストーリーの大半が大井川キャンプ編になるであろうという点だけは、このアニメが原作コミックのストーリーと世界観を忠実になぞっていることから間違いなく予想される。
 したがって、大井川キャンプ編にて各務原なでしこが利用した大井川鐡道の本線と井川線がアニメに登場することも容易に首肯される。

 そのことを話すと、川本氏は「それは向こうにとっても追い風になるやろな。いまだに台風被害の復旧が進んでへん、不通が続いてると設備のメンテも車両の維持も大変な負担になるからな・・・、最近にようやっと鉄道災害調査隊も派遣されて復旧までの道筋の第一歩に踏み出せたんかな、という感じはあるものの、果たしてどうなってくんかはよう分からんな。俺は何度も乗りに行ってるし、とにかく応援してゆきたいし、今度の「客車普通列車」企画にも行く積りや」と言った。

「へえー、「客車普通列車」にも乗りに行くのか、流石やな」
「ホッさんも、乗りに行かへんかね?」
「いや、あれはちょっと・・・、夕方から夜までの運行なんやろ、昼間の景色が見られへんやん・・・」
「うーん、夕方から乗って昭和の夜行鈍行の雰囲気を味わうのがええんやけどなあ・・・」

 次第に話題が横にそれかけていったが、川本氏は「それで、大井川鐡道がアニメに出るとなったら、どういう車輌が出るか、ということやな・・・」と一気に本筋に戻して、腕組みをしつつ「面白いことになりそうやな」と興味津々の表情になった。
 それで、アニメ第3期のストーリーの大まかなあらすじを、原作コミック第10巻の内容から抽出して簡単に説明した。第10巻のカバー表紙も見せた。

 

 御覧のように原作コミック第10巻のカバー表紙には、大井川鐡道本線の旧近鉄16000系と千頭駅駅舎が描かれている。作中で志摩リンが最初に訪れる大井川鉄道の施設が千頭駅であり、各務原なでしこが金谷駅から乗る列車は旧近鉄16000系である、というストーリーを表徴している図である。

 さらに表紙カラーページの目次のイラストは、旧近鉄16000系の座席に乗っている各務原なでしこの図である。これらを見た川本氏は、「これで、我らの近鉄吉野特急の往年のスターがアニメに出るのは確定やな・・・」と感慨深げに、そして満足そうにつぶやいた。そして「金谷駅と千頭駅の間の駅が一つも出ないのな・・・」とやや不満気に付け加えた。

「しかしなあ、川さん、16000系がアニメに出てきたとしても、その頃に現実の16000系が走っていてくれるかどうか・・・」
「それは大丈夫や。最近に得た情報によれば、16000系は定期検査を終えて営業運転に復帰しとるというな。車体の塗装も一新してピカピカになったというで」
「ほんまか!それはほんまか!・・・しばらく走ってなかったんは、新金谷の車両区にずっとおったんは、検査のためやったのか・・・。あー、良かったあ・・・」
「重検(重要部検査)のほうか、全検(全般検査)のほうかは確認してねえけど、おそらくは重検のほうかも。もしそうなら、少なくともあと3、4年は運行されるとみてええかな。塗装も一新したというから、ホッさんが危惧しとった廃車ってのはまず有り得ねえ。安心してええぞ・・・」
「そうか・・・、よし、これで、各務原なでしこのファンたちがみんな安心して16000系に乗れるわけやな・・・」
「ていうかさ、ゆるキャンのアニメに登場するってのを大井川鐡道さんも重視しとるんと違うか?折角、南海の6000系を貰ってきてんのに、3年近くも置いたまんま運行に入らんというのもおかしな話やで。本来ならば、置き換える予定やった16000系第3編成を、アニメ効果を期待して延命にかかってるんやもん・・・。ある意味、16000系がゆるキャンアニメコラボの主役になるわけやろ、南海6000系に置き換えるのを後送りにして、アニメの次のコラボキャンペーンで大々的に16000系を走らせて大勢のファンに来てもらおうっていう魂胆かも・・・」
「それは、たぶんそうやと思う。トーマスに続くドル箱列車を16000系に担ってもらって、全国のゆるキャンファンに大井川鐡道に乗りにきて貰うのよ・・・」

 話しつつ、来年2014年1月ぐらいにアニメ3期がスタートした場合、その放送期間後の春にまたコラボキャンペーンを展開するだろうな、と考えている。もしそうなったら、また行かねばなるまい。

 

 続く第11巻では各務原なでしこが井川線のアプト式列車に乗って、奥大井湖上駅まで乗って行く経緯が描かれる。それを表徴するかのように、上図の第11巻カバー表紙にも、井川線のアプト式列車が描かれる。川本氏は「うん、DD20形やな。アプトいちしろ駅からの急勾配区間もあるから、ED90形も間違いなく出るな」と嬉しそうに言った。

「ああ、出るよ。11巻のストーリーには、アプトいちしろ駅でのED90形の連結作業も出てるんや」
「そりゃええ、すると長島ダム駅での切り離し作業も出るわけやな」
「いや、そこまでは描写がないのよ、なでしこが乗る場面だけ」
「なんや・・・」

 かくして第10巻と第11巻に描かれる大井川鐡道の車輌と施設をざっと把握して貰い、続いて参考資料としてコラボイベントの描き下ろしイラストも見て貰った。

 

 つまり、上図の2023年春のコラボキャンペーンにて見かけたイラストである。原作コミックのストーリーとは別の設定で描かれて、御覧のように本栖高校の5人全員が揃っているほか、金谷駅と千頭駅の間の駅も三ヶ所追加され、旧南海の21000系とSLかわね路号の蒸気機関車も描かれるという、豪華で情報量が多い画である。

 これらのうち、原作コミックにも描かれるのはSLかわね路号のみで、第11巻の塩郷吊橋の場面で各務原なでしこ、志摩リン、土岐綾乃の三人が吊り橋を渡っている最中に下を通過してゆくシーンがある。だからSLかわね路号も間違いなくアニメに出るものと思われるが、他はどうであろうか・・・。

「川さん、僕が思うに、これらは原作のストーリーとは関係ないのが多いけど、アニメ3期でこれらの駅とか、南海ズームカーも追加されて登場するよ、という伏線なのかもしれん、と思うんやが・・・」
「あー、その可能性はあるやろうな。大井川鐡道をアニメでどう見せてゆくかの方針次第やろうな」
「まあ、そういうことやな・・・。で、さっきの身延線の313系の話では、2018年以前の様子がアニメ化されているということやったが、大井川鐡道でも同じようなことになるわけなんかな・・・」
「原作コミックの大井川編の連載時期が2019年3月からなんやろ?・・・そんならそれ以前になるやろうな」
「すると、車輌は、いまの状況とあんまり変わらないわけか」
「いや、違うな」
「えっ・・・」
「このかわね路号のSLをよく見てくれ。ホッさんは、たぶんこのSLは見てないと思うな・・・。今までに見たSLのナンバーは覚えているかね?」
「ええと、静態保存も含めたら、C10-8、C11-312、C12-164、C11-227の4輌を見た、と思う」
「やっぱりな・・・、C11-190は見てへんわけやな」
「うん、在籍してるのは知ってるけど、なんでか全然見たことがないのよ」
「トーマスは見たことある?」
「うん、トーマスはこの春にも新金谷の車両区で見たよ」
「それがC11-190やで。トーマスを担当してるんやで」
「あっ、そうなんか、道理で見かけないわけや。そうか、あれが熊本から来て復活したというC11-190やったのか・・・」
「そう。・・・で、この絵(上図)のかわね路号のSLも、C11-190になっとるんや」
「ナンバーはなんかちゃんと描かれていないみたいで読めへんけど、よく分かるな」
「煙突に金色の帯が2本巻いてあるやろ、これはC11-190特有の仕様なんや。C11-190がかつて熊本でお召列車を率いた際の仕様にしてあるんや」
「ふーん」
「で、このC11-190がかわね路号を引いてた時期は、実は限られるんよ。C11-190は確か、2021年の冬からトーマスを担当してるんで、かわね路号を引いてたんは2021年の秋までかな。それ以前は長らく休車状態になってて、一時はバラしてあったらしい」
「えっ、そのバラした、言うのはオーバーホールなわけ?」
「そうや、その前のコロナでかわね路号が休止になってたからね。それ以前はほとんどC11-227がかわね路号を引いてたんで、交替機としてのC11-190が引いてたんは、回数的にもそんなに多く無いの。しかもC11-190は2017年か2018年ぐらいにデフレクター(除煙板)を門司鉄道管理局式のタイプに交換しとるのよ。この絵(上図)やと、デフレクターが通常タイプになっとるやろ、それでかわね路号を普通に担当しとった時期というと、2016年とか、それよりも以前の昔になるかな。俺も一度さ、かわね路号に乗りに行ったけど、確か2013年の夏やったかな、そんときはC11-190が引いてたんよ」
「そんなら、身延線の313系とあんまり変わらんどころか、もっと以前の状況、ということになるわけか」
「かもしれんけど、この漫画の作者さんが、大井川鐡道を取材したのはもっと最近の話なんと違うかね?コロナ前にC11-190がかわね路号で走ってた時期というと2019年ぐらいかな、そのくらいの頃やったんかもな。その頃なら、デフレクターも通常タイプに戻してるよ」
「なるほど・・・原作の大井川編の連載時期が2019年3月からだしな・・・」

 かくして、ゆるキャン原作コミックにおける大井川鐡道の状況が、身延線と同じように現在とは違う、少し以前のそれである可能性が高いことが分かってきたのであるが、アニメ3期でそれがそのまま反映されるのか、それともアニメ制作陣の取材時期が最近に行われてその成果が活かされるのかは、まだ分からない。

 ただ、川本氏は「おそらく、このアニメ化には、災害復興支援の側面もあるんと違うかね?もともと意図していたわけじゃねえだろうけど、たまたま台風災害で不通が出て、それで長く苦しんでるから、それにアニメ化のタイミングが偶然に重なって、その人気で出てくる巡礼の動きがある意味救世主になり得るんじゃねえかな・・・」と指摘していた。
 それは私も同感であるので、アニメ3期のムーブメントが、少しでも大井川鐡道全線復旧を後押ししてくれれば、と切に願う次第である。  (続く)

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする