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「パンツァー・リート」の次は「SHINY DAYS」や「ふゆびより」を聴いて元気を貰います

ゆるキャンから始めたNゲージ その6  アニメゆるキャンに登場する鉄道車輌

2023年07月06日 | ゆるキャン△

 Nゲージのゆるキャン車輌を初めて走らせて楽しんだ翌日は、休みだったので、昼にもう一度レールをつないで走らせて楽しんだ。やっぱり模型が動いているのはいいなあ、と改めて思った。

 そのうちに、ゆるキャンのアニメに出ている鉄道車輌の勇姿をもう一度確かめてみたくなり、本棚からDVDを取り出して視聴をはじめた。実際にゆるキャン車輌が走っている天竜浜名湖鉄道の姿を、とりあえず探した。

 

 天竜浜名湖鉄道がゆるキャンアニメに登場するのは2期の第3話からである。正月に浜名湖佐久米駅近くの湖畔の祖母の家へ遊びに行く各務原なでしこが、気賀駅前で大判焼きを買って列車に飛び乗るシーンから始まる。その大判焼きは気賀駅前に実在するお店の大判焼きがモデルで、実際に巡礼ファンが殺到して大人気となり、聖地スポットの一つとして定着したことは周知の通りである。

 

 気賀駅に停車した天竜浜名湖鉄道の新所原行きTH2000形気動車は、御覧のとおりノーマル塗装の車体であり、各務原なでしこが飛び乗って浜名湖佐久米駅まで行くのもこの車輌である。なでしこは浜名湖佐久米駅にて志摩リンと合流し、駅ホームでカモメの群れを見物するが、その時に新所原発の列車が来てカモメの群れが飛び立つ有名なシーンがある。そのときの車輌も同じノーマル塗装の車体である。

 つまり、実際に聖地巡礼で天竜浜名湖鉄道に乗るとよく見かける複数のラッピング車輌は、アニメには一切出てこない。地元企業の広告ラッピングの車輌が殆どなので、それらをアニメに出すのは色々と差し障りがあるのだろう。

 ところでこのTH2000形気動車は、鉄道模型のNゲージ規格においては2種類がトミックスから商品化されている。いずれも実在するアニメラッピングであり、1種類はエヴァンゲリオン、もう1種類が私が走らせて楽しんでいるゆるキャンのデザインとなっている。
 そしてアニメに出ていたノーマル塗装の車輌は、川本氏も指摘していたように、なぜか商品化されていない。そのことに川本氏は不満があるようだったが、私はそこまで深刻に考えず、今後いつかは発売される可能性もあるだろう、と思うにとどめている。

 

 ゆるキャンのDVD視聴を続けているうちに、そういえばJR身延線の列車もアニメに出ていたな、と思い出してその場面を探した。確か1期の第8話で野クルの三人が身延駅前のカリブーへ行く際に乗ってたな、とその箇所をひっぱって視て、上図のシーンにあたったのであった。

 この車輌はJR東海の各路線で使われている313系で、実際に今でも運行している。私自身も聖地巡礼で何度か乗っているが、身延線だけでなく、浜松や掛川や三島などから東海道線を利用する際にも大抵この313系に乗っている筈である。川さんなら更に詳しく知ってるだろうな、と思いつつ、携帯電話に手を伸ばしてかけてみた。

「身延線の313系?ああ、確かに313系やな。JR東海の近郊形電車の主力や」
「特急ふじかわもそうだよな?」
「いや、違うで、ふじかわは373系や、外装も内装も全然違うで」
「そうなのか、見た感じでは同じに見えたんやけどな・・・」
「そりゃ、ホッさんは全然詳しくないんやから、違いなど分からんと思う。313系の違いだって見分けがつかんやろ?」
「313系の違いって何?・・・313系といったら313系一種類じゃないのん?」
「一種類どころか、沢山あるで。身延線の313系は、ええと、俺の知る限りでは5種類やったかな・・・」
「ええ、5種類もあるんか・・・、実はゆるキャンに313系が出てるんやけど、5種類のうちのどれかってのは、川さんは分かるの?」
「当然や。見れば分かる。・・・俺も休みなんで、今からそっち行くわ」

 川本氏は同じ京都市内に住んでいて、バイクで通勤しているため、休みの移動も大抵はバイクだそうである。だから数キロの距離もあっという間である。実際、玄関のチャイムが鳴ったのは、電話を切ってから28分後の事であった。

 

 早速、二人でモニターの前に陣取って、上図の場面を視た。視た瞬間に、川本氏は「身延線の3両編成なら、2500番台か2600番台。どっちかやな」と即答し、「このアニメは車両をちょっと実際とは違うふうに表してるけどな」と付け加えた。視てから3秒も経たなかった。私は呆気にとられた。

「・・・2500とか、2600とか言うのは型式番号なんか?」
「うーん、型式ってのは313系のほうなんで、厳密にはその区分になるかな・・・。つまり、313系という形式番号の車両のやな、性能とか設備とかが製造時期によって変えられたり改良されたりしているのに応じて分けるというか、そういう番号の区分やな・・・」
「するとあれか、戦車で言うと、Ⅳ号戦車のD型とかF型とかH型とかいうのに近いわけか?」
「ああ、戦車のことはよく知らんが、要するにバージョンというかバリエーションというか、そういう区分であるのなら似たようなものになる」
「そうか・・・、身延線の313系って、5種類もバージョンがあるのか・・・」
「俺の情報によれば、正確には冬季限定を含めて6種類や。身延線で運行しとる313系は静岡車両区の所属やから、身延線に配されてるのは、古い順に2300番台、2350番台、2500番台、2600番台、3000番台・・・、あと3100番台か。あと塗装が全く違う8000番台もあったと思うが、これは例外なんで、普通に身延線で通常運行してるんは3100番台までの6種類かな」
「その6種類とも見分けがつくんかね」
「ああ、内装の、例えばシートの形状で2つのグループに分けられる」

 

 川本氏は、上図のシーンを見るなり、「おおー」と言って指さした。
「見ろ、ロングシートや。間違いない。これの3両編成は2500番台か2600番台や、どっちかになるな。身延線では2300番台から2600番台までの全車がロングシートなのよ。あとの3000番台、3100番台はセミクロスシートやから違いは一目瞭然や。で、ロングシートのうち、2300番台、2350番台は2両編成なんで、3両のは2500番台と2600番台しかねえ」
「なるほど・・・、2500番台と2600番台の違いは見分けられるのか?」
「このアニメではちょっと無理やな。基本的には見た目での違いというのは殆ど無いんで、ダイナミックブレーキの抵抗器が装備されているかどうか、なんや」
「ダイナミックブレーキ?電気モーターの回生ブレーキのことか?」
「厳密にはちょっと違う、電気ブレーキのほうで、発電ブレーキとも呼ぶ」
「ふーん」
「それが装備されてるのが2600番台。無いのが2500番台。せやから同じ身延線でも、2500番台は西富士宮までの運行になってるんやなかったかな・・・。たぶんそうだった筈。それで正しいのならば、身延線の身延駅とかに停まるんは、ダイナミックブレーキの抵抗器が装備されてる2600番台、ということになる」
「するとこのアニメの313系は2600番台なわけか」
「そう考えて間違いないと思う」

 

 続いて2期の第8話にて上図のシーンを探しだし、「これも身延駅に停まってるから2600番台なわけやね?」と訊いたら、川本氏は「いや、これは違う。2350番台や」と即答した。私は再び呆気にとられた。

 

「なんで分かるの?」
「パンタグラフをよく見てくれ。車輌の屋根の前についてるやろ?」
「うん」
「これは、後ろにももう一つパンタグラフがついとるのよ。霜取りパンタというやつがな。ダブルパンタなわけ。で、ダブルパンタは2両編成にしか無いのやで」
「ふーん」
「身延線の313系で2両編成で、かつダブルパンタなのは2350番台、3000番台、3100番台やけど、3000番台のは後からの増設が多くて標準装備じゃねえのよ。さらに見分けるポイントは、この女の子(各務原なでしこ)の冬服っぽいスタイルや。でっかいマフラー巻いてるし。このアニメのストーリーの季節は冬なのか?」
「ああ、冬や。時系列的には冬休みが終わって学校が始まった頃や」
「なら間違いない。身延線で、2両編成でダブルパンタで冬季限定で運行されとったのは2350番台しかねえ」
「運行されとった・・・?・・過去形かね?」
「ああ、現在は冬季限定とかの運行はもう無くなってるし、2350番台の運行も過去の事やからな。いまなら、身延線のダブルパンタ2両編成は一年を通じてたいてい3000番台か3100番台のはずやからな」

 

「そういえば、ゆるキャンの聖地巡礼で山梨行って身延線に乗り始めたんが、2018年からなんやけど、乗った列車はみんなセミクロスシートやったんよ」
「そうや、ホッさんが乗ってたのは、3000番台、3100番台やろうな。現在の身延線の313系はもうそっちが主力なんやからな」
「確かに、このシーン(上図)のようなロングシートは一度も乗った事が無いな。するとロングシートである2600番台までの列車には一度も乗ったことが無いってことになるな」」
「せやろ?その筈や。ゆるキャンのアニメは、2018年1月からと聞いたけど、原作とかはもっと前やろ、アニメの取材かて2018年よりはずっと前の筈やから、その時点での身延線の313系の運行状況が反映されてくるわけやな。まだロングシートの2600番台までがメインで運行しとった頃のな・・・」
「つまり、このアニメは、2018年以前の身延線の313系の様子なわけか」
「そう考えて間違いないと思う」
「なるほど・・・、やっぱり現在とはちょっと違うわけなんやな・・・」

 すると、大井川鐡道のほうも、似たような状況になるんだろうか、と疑問が湧いた。早速川本氏に話しかけた。  (続く)  

 

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