私のガルパン車輌プラモデル製作は、アニメシリーズの劇中車だけでなくコミック版の作中車も対象としています。既に「激闘!マジノ戦ですっ!」や「フェイズエリカ」、「リボンの武者」や「樅の木と鉄の羽の魔女」などの作品の登場車輌も幾つか作ってきています。
他にも色々作ってみたい車輌がありますが、今回は上図の同人誌「フェイズエリカのこぼれ話」の作中車を作ってみようと思い立ちました。
この「フェイズエリカのこぼれ話」は、「フェイズエリカ」を主軸と位置づけてのサイドストーリー的な存在で、主役の逸見エリカたち黒森峰女学園チームがBC自由学園チームと試合をする物語になっています。そのBC自由学園チームの登場人物群は、アニメ版のキャラクターにコミック版独自のキャラクターを合わせた豪華な顔触れとなっています。
アニメ版のBC自由学園チームではマリー、安藤、押田の三人がメインとなりますが、「フェイズエリカのこぼれ話」では「リボンの武者」にも登場しているアスパラガス、そして上図のボルドーやムールが加わっています。それぞれの搭乗車輌を見ると、アニメ版には出ていない車種が3つあって、模型的には面白そうに思えましたので、順に作ってみることにしました。
とりあえず、最初の製作対象として上図のボルドーの搭乗車である軽戦車M5A1を選びました。フランス軍テイストのBC自由学園チームにアメリカ車輌とは珍しい組み合わせのように見えますが、実際の第二次大戦期にてドイツに抵抗を続けた自由フランス軍がアメリカから供与を受けた軽戦車M5A1ゼネラル・スチュアートを多数運用していた史実に因みます。
御覧のように、作中車はほぼ実車準拠にて描かれているようで、ガルパン仕様と目される独自の要素は見当たりませんでした。つまりは市販されている軽戦車M5A1のキットをそのまま組み立てればよく、装備品の有無などを確認して外見を合わせてゆけば作中車を再現出来ることになります。
使用したキットはタミヤのMMシリーズの97番、かなり古い時期の製品です。かなり以前に中古ショップで500円で売られていたのを半ば衝動的に買っておいて押し入れにしばらく積んだままでしたが、今回ようやく役に立つことになりました。
中身はこんな感じです。タミヤ製で軽戦車のキットですから、パーツ数も少なくて組み立て易そうでした。
組み立てガイドの表紙は、タミヤ製品ならばでの解説文付きです。これを読んで作る車輌についての基本的な知識を得ておくと、知らないで作るのとは、製作時の楽しさが全然違います。解説文とは、キット車輌の基礎情報ですから、これがあるのと無いのとは雲泥の差がつきます。プラッツやファインモールド発のガルパン公式キット群が解説文をコミックやイラストに差し替えて情報量を最低限に下げてしまうのが、いかに得策でないかが改めて実感出来ます。
ステップ1ではドライブシャフトを取り付けます。ヘッジカッターのC4はホールド部分のみを切り離して使います。ステップ2ではドライブスプロケットつまり起動輪、リヤホイルを組み立てます。ステップ3ではサスペンションを組み立てます。
ステップ1の最初からガルパン仕様への改造が必要となります。作中車はヘッジカッターを装備していませんので、パーツC4の大部分が不要となります。
パーツC4の大部分が不要、というのは、一部が必要であるためです。一部とは、本来ならば車体側につくホールド部分です。
御覧のように、ヘッジカッターの基部のホールドも一体成型になっています。タミヤ製品にはよくあるパーツの一体化ですが、ガルパン仕様への製作においては時折支障をきたします。パーツがきちんと分割されているドラゴンなどの海外メーカーの製品がガルパン車輌の製作に適している、とよく言われるのは、こういう点からも納得出来ます。
ホールド部分だけを丁寧にカットして、車体に取り付けました。ヘッジカッターを付けない通常の姿になりますから、ガルパン仕様への改造というより、ヘッジカッター未装着の状態に戻した、というのが実態に合っています。
ステップ2で組み立てるドライブスプロケット、リヤホイルのパーツ群です。
組み上がりました。
ステップ3で組み立てるサスペンションのパーツ群です。これはタミヤ製品特有のパーツの少なさが有り難いです。ドラゴンなどの海外メーカーの製品ではもっと細かくパーツ割りされるので、組み立ても大変になってきます。
組み上がりました。タミヤの軽戦車クラスは本当に組み立てが楽でした。 (続く)