牛山先生の最大の研究成果として、リアルタイム豪雨表示システムがあります。このたび、そのパンフレットが公開されていました。
リアルタイム豪雨表示システム http://disaster-i.net/rain/
パンフレット http://disaster-i.net/notes/rain_leaflet.pdf
これはいわゆる”トリセツ”ではなく、豪雨とは何かということをしっかり考えさせ、そして解説してくださっています。
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「この場所にとって激しい雨」を理解するために
「豪雨」とはなんでしょう.何mm以上の雨が降ったら「豪雨」なのでしょうか.雨量は,気温などと異なりその大きさが地域によって大きく異なります.また,1時間雨量,24時間雨量など様々な指標が存在します.それぞれの場所にとっての「豪雨」を最も簡単に把握するのは,その場所で過去に降った雨量の記録を知ることです.このシステムは,今降っている雨量と,その場所の過去の雨量記録を簡単に見比べ,「この場所にとって激しい雨」を把握するための情報整備のあり方を模索する目的で,試験的に運用しているものです.
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アウトリーチとは単なる情報公開ではなくて、情報を受ける側がその分野を理解しようとするきっかけを与えるような表現だと思います。
群馬大学の片田先生のインタビューを思い出しました
http://www.itmedia.co.jp/enterprise/articles/0704/24/news005_3.html
知識を連呼する防災教育には、あまり意味はありません。受け取る側だって、そんなこと十分分かっているんですから。でも、知識を連呼しても効かないから、今度は脅し始める……そうしたやり方はあまり有効ではないと思います。
つまり、みんな「逃げなくてはいけない」ということは分かっています。百も承知なのですが、避難するという意志決定ができないだけ。けっして防災意識が低いから逃げないわけではなく、高くない、ということなのです。危機に備えないというのは人のさがです。そこをどうやって乗り越えていくか――津波がきたそのときに「ああ、やっぱり逃げてよかった」と思える、その一回をどう勝ち取るかが勝負です。これは結局、人間の心との戦いです。いくら専門家といっても、対象はITではなく「人」です。合理的な行動を取れない人、人のさがというものを前提に、どうするかを考えていかなければならないと思います。
地すべり学会の関西支部は、6月にいつも面白い企画があります。といっても太田さんが主催されることが多いので、実用的で興味深いテーマとなるのも自然にうなづけます。
今年のテーマは「斜面の健康診断」です。私もそろそろ体の健康診断があります。堂々たるメタボです。それはさておき、案内はこちら。
http://www.landslide-soc.org/branch/kansai/2009kansai_sympo.pdf
特別講演の松岡先生は、文献調査でよく目にしました。場所は大阪です。社長は経費節減といってましたが、やすい夜行バスで行きたい気分です。土日であれば、高速代1000円ですからねえ。でも時間がかかるなあ。
太田さんのブログに、「理系のための人生設計ガイド」という本が紹介されていましたので、早速買ってみました。http://www.bk1.jp/product/02997185
このうち興味深かったのが「表現力係数」です。
実力J×表現力H=社会的評価
どんなにすばらしい発明をしたとしても、それを論文として発表するなどの表現活動を行わなければ、それは社会での評価につながらない。そういうケースは、J10×H0=0
ブログをつくることも表現力を高めることに直結すると描いてあります。私も調子が悪くなると「雑感」のカテゴリーが増えてしまいます。
特に、地盤や地質などど言う現象は、とても限られた情報から目に見えない地下の世界を表現する技術です。しかも、現在は専門家ではない人にもわかりやすい説明が求められているので、どちらもバランスよく鍛えておく必要があるでしょう。
このうち興味深かったのが「表現力係数」です。
実力J×表現力H=社会的評価
どんなにすばらしい発明をしたとしても、それを論文として発表するなどの表現活動を行わなければ、それは社会での評価につながらない。そういうケースは、J10×H0=0
ブログをつくることも表現力を高めることに直結すると描いてあります。私も調子が悪くなると「雑感」のカテゴリーが増えてしまいます。
特に、地盤や地質などど言う現象は、とても限られた情報から目に見えない地下の世界を表現する技術です。しかも、現在は専門家ではない人にもわかりやすい説明が求められているので、どちらもバランスよく鍛えておく必要があるでしょう。
先日私が勤める会社に、「地質断面のデザインがわかりやすくて抜群にいい。それをつくったアプリーケーションやデザイン素材を送信してくれないか」という問い合わせがあったそうです。べつに特許をとっているわけでもないので、渡しても支障はないし信頼できる取引先なのですが、付加価値のあるものなのでちょっと無理ですといいました。プレゼンテーションも、もっと圧倒できるものにしないといけませんね。
住宅ジャーナルに文章を投稿しているのですが、もっとはっきり物腰強くてもいいですよと編集者に言われました。学会論文と違って、論理ではなく読者の気持ちになってレフェリーを受けることは貴重な体験です。なんといってもいくばくかのお金を頂いて文章を書くのもはじめてなので、いろいろ勉強になります。
http://socks-center.xsrv.jp/enkaku.html
2006年の「住生活基本法」の制定により、住宅業界のおける憲法ともいえる法制度が整備され、今年から超長期優良住宅(200年住宅)の先導的モデル事業の採択が継続的に進むなど、これまでの「質より量の住まい」の時代から「量より質の住宅」の時代へと目まぐるしい勢いでシフトチェンジしています。
弊社における新事業のスタードも、こうした時代の流れを受けて、業界誘導のためのマスプロモーション中心の時代から、成熟を深める市場の中で良質な情報を選択する時代へと転換する、ちょうど節目の時期にあたります。
業界誌の役割も近年では大きく変わりました。かつては各種産業をリードするための旗印的な役割だった業界誌は、日本の産業の成熟化とIT革命による情報発信形態の変化によって情報に対する意識が高まり、これまで以上に「本物志向」の情報提供が求められています。特に住宅建築に対するより科学的な目が向けられる中、メーカーとユーザーの相互理解が今よりも必要になっている時代はないと言っても過言ではないでしょう。ここに新しい時代のビジネスチャンスが開かれています。
さあ、防災です。
2006年の「住生活基本法」の制定により、住宅業界のおける憲法ともいえる法制度が整備され、今年から超長期優良住宅(200年住宅)の先導的モデル事業の採択が継続的に進むなど、これまでの「質より量の住まい」の時代から「量より質の住宅」の時代へと目まぐるしい勢いでシフトチェンジしています。
弊社における新事業のスタードも、こうした時代の流れを受けて、業界誘導のためのマスプロモーション中心の時代から、成熟を深める市場の中で良質な情報を選択する時代へと転換する、ちょうど節目の時期にあたります。
業界誌の役割も近年では大きく変わりました。かつては各種産業をリードするための旗印的な役割だった業界誌は、日本の産業の成熟化とIT革命による情報発信形態の変化によって情報に対する意識が高まり、これまで以上に「本物志向」の情報提供が求められています。特に住宅建築に対するより科学的な目が向けられる中、メーカーとユーザーの相互理解が今よりも必要になっている時代はないと言っても過言ではないでしょう。ここに新しい時代のビジネスチャンスが開かれています。
さあ、防災です。
今日私の論文が掲載された地すべり学会誌が届きました。最近の大規模地震と地すべりという特集号でした。最近地震に伴う地すべりが多発しているので、結構たくさんの投稿があるのかと思ったら、意外と少なく4編でした。そのうち3編は2004年に発生した新潟県中越地震でした。論文を投稿した時期は。中越地震からもう4年もたっていましたので、少ないのかなあと思ったのですが。
さて、このうち、論文として掲載されていたのは、ボーリング孔を利用した土質試験や物理探査を行ったものでした。すべり面の写真も掲載されていました。このような地中の状態を観察できる機会は貴重なので、今後も続けてほしい研究だと思います。
さて、このうち、論文として掲載されていたのは、ボーリング孔を利用した土質試験や物理探査を行ったものでした。すべり面の写真も掲載されていました。このような地中の状態を観察できる機会は貴重なので、今後も続けてほしい研究だと思います。
日本地すべり学会から、私が執筆していた論文の別刷が届きました。いまもいくつか執筆中ですが、なんとかデビュー作として日の目をみることになりました。
趣旨は、2004年新潟県中越地震を題材として、地すべりには人の人生に似た変遷史(誌)があるということを模式的に示して、今後の対策の大局観をつかもうとするものです。
いまだけ、そこだけ、をみてとりあえず、あるいはさしあたっての対策ばかりでは、結局つぎはぎだらけ、定額給付金的な話になってしまうわけです。いままでの日本は土木工事最優先で来てしまったゆえに、形なきものに対する価値をみとめようとはしませんでしたが、維持管理の時代になると、やはりどう維持されてきたか、いろんなスパンで見る目がないと、適切な管理もなされません。
ところで、いろんな人にこの論文をおくったんですが、その送り状にちょっと遊び心を入れてみました。地すべりってどんなもんか、、、さりげなく点検状況の写真も入れたりして、、、事務的な送付状もよいですが、封を開けた時に、おっと楽しんでもらおう?と言うわけです。
趣旨は、2004年新潟県中越地震を題材として、地すべりには人の人生に似た変遷史(誌)があるということを模式的に示して、今後の対策の大局観をつかもうとするものです。
いまだけ、そこだけ、をみてとりあえず、あるいはさしあたっての対策ばかりでは、結局つぎはぎだらけ、定額給付金的な話になってしまうわけです。いままでの日本は土木工事最優先で来てしまったゆえに、形なきものに対する価値をみとめようとはしませんでしたが、維持管理の時代になると、やはりどう維持されてきたか、いろんなスパンで見る目がないと、適切な管理もなされません。
ところで、いろんな人にこの論文をおくったんですが、その送り状にちょっと遊び心を入れてみました。地すべりってどんなもんか、、、さりげなく点検状況の写真も入れたりして、、、事務的な送付状もよいですが、封を開けた時に、おっと楽しんでもらおう?と言うわけです。
年度末の喧騒がそろそろ落ち着きつつあります。川崎ではもう桜のたよりも聞こえ始めています。これから数ヶ月は、これまでの喧騒がうそのように仕事が減ってしまいます(あんまりいいことではないですが)。
私は、今年、地盤工学会に応用地質学会、そして地すべり学会に論文を投稿します。現在既に地すべり学会に1編投稿中です。
でもこれらの学会の相手は全部専門家です。専門家でない方もわかる雑誌に投稿もしてみたいものです。
私は、今年、地盤工学会に応用地質学会、そして地すべり学会に論文を投稿します。現在既に地すべり学会に1編投稿中です。
でもこれらの学会の相手は全部専門家です。専門家でない方もわかる雑誌に投稿もしてみたいものです。
日経コンストラクション3月号に「データで見る総合評価-年々強まる技術力重視の傾向」のいう記事がありました。これによると、生産の『前段階』の提案に、高度技術提案の場合平均で1151万円ものコストがかかっているのだそうです。
私なんか数万円の仕事もするくらいで、提案にかかる費用など強いて言えば電話代くらいでしょうか。
しかも総合評価落札方式の導入が困難な理由の筆頭として「手続きに伴う事務量の増大」というのがあります。私はこのあたりの諸事情は詳しくないのですが、もうちょっと(定性的に?)書類を減らして評価できないのでしょうか。うまくいえませんが、技術って人柄(昔日立のキャッチコピーでした)なんですから。
よくみたら、技術提案を求めるような高度な工事がない(4位)、技術職員の不足(5位)。。。じゃあ評価以前の提案以前の問題か。。。
私なんか数万円の仕事もするくらいで、提案にかかる費用など強いて言えば電話代くらいでしょうか。
しかも総合評価落札方式の導入が困難な理由の筆頭として「手続きに伴う事務量の増大」というのがあります。私はこのあたりの諸事情は詳しくないのですが、もうちょっと(定性的に?)書類を減らして評価できないのでしょうか。うまくいえませんが、技術って人柄(昔日立のキャッチコピーでした)なんですから。
よくみたら、技術提案を求めるような高度な工事がない(4位)、技術職員の不足(5位)。。。じゃあ評価以前の提案以前の問題か。。。
昨年行われた日本地すべり学会関西支部現地検討会/紀伊山地における四万十地すべりという論文集を買いました。紀伊半島の地質構造は、四国や九州山地の自然を理解することにもつながります。そしたら最後にボーリングコア写真とボーリング柱状図が載っておりました。業務報告書ならわかるのですが、このような学術論文集に、観察者の実名入りで載っていることは珍しいと思います。勉強になります。
トンネル坑口上方のまさ土斜面の崩壊による土砂流動災害の事例
地味といえば地味ですが、現地調査結果を実直に反映した論文だと思いました。空中写真の時系列的判読にボーリング、土石流衝突痕の分布、地表・地質踏査、簡易間入試験、このような現地情報がふんだんに盛り込まれた論文は、最近減ってきたように思います。
この災害の教訓は以下のとおり
・1963年ごろに建設されたトンネルは、延長を短くすることを目的として造成されていることから、谷型斜面に多い。このため、土石流災害を受けやすい。
・地域特性や過去の災害を推定するには、過去に撮影された多時期の空中写真を時系列で判読し、崩壊発生状況や植生変化を追跡することが有効である。
地味といえば地味ですが、現地調査結果を実直に反映した論文だと思いました。空中写真の時系列的判読にボーリング、土石流衝突痕の分布、地表・地質踏査、簡易間入試験、このような現地情報がふんだんに盛り込まれた論文は、最近減ってきたように思います。
この災害の教訓は以下のとおり
・1963年ごろに建設されたトンネルは、延長を短くすることを目的として造成されていることから、谷型斜面に多い。このため、土石流災害を受けやすい。
・地域特性や過去の災害を推定するには、過去に撮影された多時期の空中写真を時系列で判読し、崩壊発生状況や植生変化を追跡することが有効である。
悲しい技術動向です。これが発注者から言われたことです。イマドキのゆとり教育を受けた世代でもあるまいし、マニュアル主義の弊害、ここにきわまれりです。聞けば、高度すぎるとみんなができない、とのこと。
そういう人は、学部2年生くらいの医学生に主たる執刀医となって手術をされても、とんと平気なひとなんでしょうね。
そういう人は、学部2年生くらいの医学生に主たる執刀医となって手術をされても、とんと平気なひとなんでしょうね。
昨日酒を飲みながら話したことは、前例至上主義、マニュアル主義によって、技術や想像(創造)力が失われていること、いわゆる”そもそも論”を肴に酒を飲むのが楽しみだったが、最近はそういうメンバーも機会も減ってしまった。パソコンのなかの自然がもてはやされ、新しい考え方を持とうとすると”経費が計算できない”のでやめろといわれる、、、論文を書きたくても受注に直結しない。
HandBook の域を出ない仕事
これに対して、昨年行った千葉県の方から相談案件の仕事の内容を私が話しました。
会社が求める受注額は億単位ですが、そのほとんどが”はい、ごくろうさん”以上の言葉がもらえない。それに対し、本当に困っている人からの依頼は”数万円”でしかないが、感謝の言葉やコンサルタントとしての充実感は、そしてそれで生計が立てられたら、それこそ桁が違ってくる。。。
Heartfull な仕事。
Heartfull Engineer と HandBook Engineer
前者の存在感をもっとださねばなりません。
東大阪市の町工場のおっちゃんたちの夢が詰まった”まいど1号”が打ち上げられました。
http://www.wassho-kun.jp/maido/index.html
「夢を打ち上げるんやない。夢で打ち上げるんや」
まいど1号は雷雲の観測実験を行うそうです。最近”ゲリラ豪雨”などの言葉がでてきましたが、温暖化どうのこうのではなく、それこそ”まいど”の現象であることをアピールしてほしいと思います。
http://www.wassho-kun.jp/maido/index.html
「夢を打ち上げるんやない。夢で打ち上げるんや」
まいど1号は雷雲の観測実験を行うそうです。最近”ゲリラ豪雨”などの言葉がでてきましたが、温暖化どうのこうのではなく、それこそ”まいど”の現象であることをアピールしてほしいと思います。