防災ブログ Let's Design with Nature

北風より太陽 ソフトなブログを目指します。

悲観的な記事。。。

2010年03月12日 | 技術動向
建設業の雇用は「改善する見込みはない」が35%
http://kenplatz.nikkeibp.co.<WBR>jp/article/const/news/<WBR>20100310/539913/
帝国データバンクは3月3日、<WBR>2010年度の雇用動向に関する企業の意識調査の結果を
発表。回答した建設業の約半数が正社員を「採用する予定はない」<WBR>とし、3分の1に当た
る524社は雇用環境が「長期的に改善する見込みはない」<WBR>とみていることがわかった。

公共事業は増えませんということでうしょうか。工夫が必要です。

防災はやりだせばきりがない部分

2010年03月05日 | 技術動向
週間防災格言は良質な情報源です。砂防をやっていると、土砂整備率という、”ある意味永遠に向上しない数字”がありますが、これと似たような話です。

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災害対策が災害を呼ぶ 利根川改修工事に見る例

流域面積日本一、信濃川に次ぐ二番目に長い日本一ビッグな川が利根川である。もちろん日本の一級河川である。
徳川家康将軍が治めた江戸時代から利根川の大きな流れは、歴史的な災害が多発し、度重なる改修事業(江戸時代は一般的に東遷事業と呼ぶ)に費やされてきた。

近代的な改修工法による利根川改修計画は、明治33(1900)年に始まった。
この時、それまでの洪水時の最大水量 3,750 m3/s(立方メートル/秒)というデータを元に、最大の増水量 3,750 m3/s を無事に流すことを目的に堤防建設や支流への分流工事などが行われた。

それまでの利根川水害の最大洪水流量
水害 流量
明治18(1885)年7月水害 3,700 m3/s
明治23(1890)年8月水害 3,780 m3/s
明治27(1894)年8月水害 3,710 m3/s
明治29(1896)年9月水害 3,870 m3/s
しかし、この工事の途中である明治43(1910)年8月に 847名の死者・行方不明者を出す大洪水が発生した。
この時の流量は6,960 m3/sを記録。

つまり想定していた水量より2倍近い洪水が発生してしまったのである。

当然、利根川改修計画の目標水量は、明治44(1911)年に変更がなされ、総延長204kmに及ぶ堤防が昭和5(1930)年に完成することになる。

ところが、昭和10(1935)年9月の洪水では 流量 9,030 m3/sに達し、再度の改修がなされることになった。

しかし、今度は、昭和22(1947)年9月のカスリーン台風による洪水(死者・行方不明者:1,100名、浸水家屋:約30万戸)では、流量 17,000 m3/s が発生してしまった。

年を増すごとに利根川水害の洪水量が増していった。

これは、地球温暖化や気候変動だとかの影響で、年々、降雨量が増えていっているからである・・・なんてことではなく、単に改修工事の結果として、利根川の流量が増えていってしまったという "悪循環" が発生していたのである。

何も利根川に限ったことではなく、こういった状況は、多かれ少なかれどこの河川でも見られる現象という。

「いつまでたっても河川の工事って終わらないよね」という地元民の"ボヤキ"は、実はこの様な理由も一つにある、ということだ。

就職活動 ずれる思惑

2010年02月17日 | 技術動向

今日の朝のニュースで、学生の大企業志向が強すぎることも相俟って内定率が最悪のペースなんだそうです。私は就職氷河期元年とも言われる年に就職活動をしていたわけですが、当時社員数25人の会社に1社だけうかり、そのことを両親に伝えたら、心配だ心配だ、、の連呼、、

いまの会社は通算4社目ですが、人数的にはいちばん小さい会社です。毎月なんらかの仕事を取りにいかないと仕事がないのでネガティブにみれば万年危機なのですが、いったん信頼されるとドッと仕事が来るやりがいとメリットを感じます。結果として、いまの収入がいちばん安定しています。大手だと、アウトソーシングで利ざやを稼ごうとしすぎて、技術が空洞化しているところもちらほら、、そういうところは巨体を支える力があるかという点では、ある意味不安定です。


ロットリング世代

2010年02月16日 | 技術動向
いまはGoogle スケッチアップなども台頭し、”墨入れ”などどいう言葉は死語になりました。先日若手社員が”ロットリング?知りません”といったので、すごく年を感じさせられました。考えてみれば、私が就職してから3年間ぐらいは、ロットリングで図面を書いていました。2000年代のCADやイラストレーターの台頭によって、一気に影が薄くなりました。

昔の図面の方が、味があるし、情報を伝える、という意図を強く感じます。私だけではないでしょう。
http://www.lextyle.com/product-group/29

住まいの耐震博覧会

2010年02月14日 | 技術動向

来る3月27日、28日に、東京ビッグサイトで住まいの耐震博覧会が開かれ、家族を守る斜面の知識を宣伝してもらう予定です。それまでに、仕事を片付けねば、、、、


応用地質学会誌50巻6号

2010年02月13日 | 技術動向
私の3本目の論文が、応用地質学会誌50巻6号に掲載されました。妻が、この学会誌の表紙、ちょっと硬いよね、、と、、、まず、手にとって見て親しみやすい、読んでみたいと思うことは大事なことだと思った次第、、そのようなことは論文にも書きましたが、でもやっぱりこの表紙はいかつい。

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そういえば、今年の応用地質学会の開催地が示されておりました。島根県は松江だそうです。私は発表する予定です。テーマはいまのところぼんやりしてますが、この論文とは直接関係ありません。いままで、道路やダムなどの大規模公共施設造成など、土木地質学のための基礎的情報図であった地形分類図・地質図を、環境地質学的な表現を盛り込もうと、、、、なんかうまくいえませんが、住宅雑誌の編集者と話したのは、良質な国産材はどのような地盤に生育しているか、植生と斜面の安定性との関連、根腐れの起こりにくい土地はどのような場所で、どのような発達史的背景があるのか、、、、、、とりあえず、いま超多忙なので落ち着いてから考えよう、、、

ポテンシャルはある、、しかし

2010年02月12日 | 技術動向

応用地質学会誌の最新号が届きました。特集号「応用地質と市民生活」ということでしたが、このテーマに則した論文は後ろのほうにありました。このなかで、短報として「地学教育への応用地質の関わり - 社会と自然の接点となる普及活動」というタイトルの論文がありました。冒頭からして、

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若者の『モノ離れ』『自然離れ』『理科離れ』が社会問題化して久しいが、自然を対象とする基礎教育は、感受性の高い小・中・高の時代から体験学習的に行うことが重要である
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とあります。ここまで離れてなんだかなあという感じですが、結論として、

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本当のところ、社会は『自然とのふれあい』を熱望しているにも関わらず、その機会が与えられていない、あるいは接触の仕方を知らないだけではないのか(略)、もしそうなら、社会に対し、自然と接触する機会を提供する。あるいは、自然とのふれあいの仕方を伝授するという仕事も、自然科学を業とする我々に課せられた大きな使命ではないか、、

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私はもう一歩突っ込んで、公共事業から脱却して実利化・産業化しないと、触れ合っても趣味に留まり、はやるまでいかないなあと思っています。その想いは、私の論文で書きました。


中小の技術高め活性化 - 日本技術士会の主催

2010年02月05日 | 技術動向
神奈川新聞の記事に、中小企業の技術を高め、産業界の発展を目指す「第26回中小企業活性化研究会」が横浜で行われたとの記事がありました。後で聞いてわかったのですが、私の会社の社長も参加しており、松沢神奈川県時事も来席され盛況だったようです。

社長によると、神奈川県内に技術士は1,000人以上いるが、技術士会に入会しているのは140人、それもかなり高齢化しているとのことでした。医者なら殆どの人が日本医師会に入るのに、この差はなんなのだろうと嘆いておりました。

私たちの分野、防災地質・環境地質の分野では、現場の見立て、PCの中の自然観に惑わされない底力が問われるので、高齢化というよりは経験豊富な方による技術伝承はとても重要だとおもうのですが、一方で「公共事業の元請参加資格」の色合いを濃くしている面も確かにあります。私のところの社長なんかは、これからどんどん世代交代していくために、教えられることは教えていくとおっしゃっていてあこがれるのですが、経済を発展させるまでとなると、やはり公共事業だけでなく、一般社会に存在をアピールすることが最も重要なことのようにも感じます。

神奈川県内にも衝撃 - プリウスショック

2010年02月04日 | 技術動向

私の住む神奈川県は日産のお膝元であり、工場も沢山あり、名工と呼ばれる方もたくさんおられます。そのなかで、ブレーキが効かないという根本的な問題が指摘されたことは、神奈川県内の部品メーカーにも大きな衝撃がはしったと、神奈川新聞の記事にありました。一部にアウトソーシングによる大企業病も指摘する声もあります。末端の下請けのモチベーションが上がらないと品質も上がらない、その現場を上がどこまで経験しているのか、、、どの業界にもあるんじゃないでしょうか、、、、そんな記事と同じ紙面に「中小の技術高め活性化 - 日本技術士会主催」とありました。そのことは明日に。


3D映画 - 臨場感・既視感

2010年01月31日 | 技術動向
サンデーモーニングを見ていたら、3D映画アバターの話題で、立体視の原理を模型付で解説してくれておりました。両目の視差による錯覚を利用したもので、厳密に言えば2.5次元なのです。いかにも、新しいことのように説明しておりましたが、私なんか空中写真判読で立体視を覚えてからもう18年、実務でこれを使わない日はありません(例えば以下のサイトなど、http://www.sabo-mgma.org/

臨場感はあるでしょうが、これがインターネットの画像・動画などに利用されると、ますます情報の既視感でおなかいっぱいになり、現場でものを感じたいという欲求の減退につながる、、、ってのは杞憂でしょうか。

白川郷の合掌家屋、初の耐震調査へ

2010年01月14日 | 技術動向
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100113-00000894-yom-soci
岐阜県白川村の世界遺産・合掌集落で、同村の世界遺産白川郷合掌造り保存財団と東大生産技術研究所(東京都目黒区)の研究グループが来年度、合掌家屋の耐震性能調査を共同で実施する。

 合掌家屋で同調査が行われるのは初めて。耐震性が低い場合、文化庁の許可を得て耐震補強する。

 合掌家屋は、かやぶき屋根がある白川村と隣の富山県五箇山地方の特徴的な民家。柱は礎石の上に建てられ、屋根の部材を縄や「ネソ」と呼ばれるマンサクの若木(長さ約2・5メートル、直径約3センチ)で縛り、クギや針金を使わずにできている。建物は柔構造のため、地震や強風に強いとされている。

 阪神大震災が起きた1995年以降、全国的に木造家屋などの耐震性能が課題となっていた。同村荻町の合掌集落は国の重要伝統的建造物群保存地区に選定され、それぞれの合掌家屋は世界遺産を構成する重要な文化財に位置づけられている。このため、同財団と東大が昨年春、保存を目的に調査を行うことを決めた。



余計なお世話にならんといいのですが

いさぼうネットから

2010年01月07日 | 技術動向
■ゲリラ豪雨等による水害・土砂災害への緊急的対応の強化418億円(1.04)]
・都市部において地下河川や調整池を整備するとともに災害時の避難に支援が必要な人々の関連施設を守る土砂災害対策について全国の危険箇所 の総点検を行い、特に保全対策が必要な箇所について対策を実施する。
・流域自治体の貯留浸透対策とも連携しつつ、河川管理者が河道改修と調整池の一体的整備を行って治水安全度を集中的に高めようとする地域において、優先的に事業を実施する仕組みを創設する。
・局地的大雨等による災害の防止・軽減のため、XバンドMPレーダーの整備や次世代予報スーパーコンピューターの導入等により、気象・洪水の予測及び流域における水害・土砂災害等の監視体制を改善・強化する。
・河川整備の目安としてきた時間雨量50ミリを大きく上回る時間雨量100ミリのゲリラ豪雨に対しても国民が安心して暮らせるよう河川管理者 に加え、下水道道路等の関係者が行うべき地域ごとの集中的な対策とそ の役割分担等を定めた「100ミリ/h安心プラン(仮称)」を策定する。

■社会資本ストックの戦略的維持管理による安全・安心の確保と長寿命化・
 ライフサイクルコストの縮減[2,189億円(1.18)]
・高度経済成長期に集中投資した道路、河川、下水道、港湾、公営住宅、都市公園等の社会資本ストックが今後急速に老朽化することを踏まえ、長寿命化計画の策定、点検から補修・更新に至る予防保全の計画的な実施等戦略的な維持管理を行い、安全・安心の確保とライフサイクルコストの縮減を図る。

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「100ミリ/h安心プラン(仮称)」??? 五十歩百歩を地で行くような印象があります。”想定外”という口癖はあまり聞きたくありません。

勘(再掲載)

2009年11月29日 | 技術動向
今日放送された『奇跡の地球物語』は興味深いものでした。機械は定量的であることを技術として求め、人間は定性的であることを技術という言葉がありました。そして、人間の勘が機械を上回る作業として、究極の平面鉄板作りがあげられていました。機械だとどうしても熱変性してしまうので、職人がノミのような道具で平面を作り上げる作業が紹介されました。

以下に、以前書いた記事を再掲載します。

数字というのは、世界共通の言語であり、かつ絶対的・圧倒的な説得力を持っています。しかし、それは木であって、それを支える根や土、さらには循環する大気ではないように思います。数値を与えるべき問題点を見つける能力は"勘”ピューターです。

勘とは経験の集積という言葉があります。経験の集積とはつまり、長年様々な事例にあたって意識の底にたまったデータが事に当たって力を発揮する、それが勘の正体、ということだ。とは、野球評論家の豊田泰光さんの言葉です。野球も観察からすべてが始まり、傾向と対策があるように、地質技術も同じなのかもしれません。