1947年(昭和22年)10月11日、東京地方裁判所判事山口良忠氏は、34歳の働き盛りに栄養失調を因に疎開先の佐賀県白石町で死亡した。当時全国民を、有無を言わさず縛っていた食糧管理令。これに違背してヤミ市でヤミ米などを売買する商人や仲買人はもちろんだが、これを買う消費者までも取り締まる当時一番の悪法。これを法的根拠に国民を裁く立場の裁判官としては、これに自ら違背するわけにはいかない。山口さんは闇物資を自分ろ家族に禁じ、政府が配る配給だけを頼みにして生活していたのだが、ために栄養失調におちいり倒れたのである。彼は死の1カ月前まで東京地裁の裁判長席で判決を下していたのだが、歩行中に倒れ療養のために郷里佐賀に帰省し、そこで絶命した。
当時、この国に何人の裁判官がいたかは知らないが、山口判事以外に栄養失調で失命した法曹人がいたという話を歴史年表の中に見つけることは困難だ。他方、同じ年表には、この時代食糧不足で栄養失調による日本人の死亡が無数にあったことは書きこまれている。つまり、名もなく貧しい人々はこの食糧管理法を破る以前に貧しさのために食物を口に入れる手立ての無いまま倒れていったのであって、罪を犯すことすらできなかったのである。
「中国で製造したとされる新型コロナウイルス感染症の未承認ワクチンが日本国内に持ち込まれ、日本を代表する企業の経営者など一部の富裕層が接種を受けていることが明らかになった。2020年11月以降、既に企業トップとその家族ら18人が接種を受けたという。ワクチンは、中国共産党幹部に近いコンサルタントの中国人が持ち込んでいる。個人が自分で使う以外の目的で海外からワクチンを持ち込むのは違法の可能性があるが、中国側がワクチンをテコに影響力拡大を狙っている姿が浮かんだ」(2021/01/01 毎日新聞)。
この記事本文には、「12月12日土曜日の午後6時半過ぎ、東京都品川区にあるクリニックを大手IT企業の社長と妻が訪れ」、そこで中国人男性から渡された『2本の注射器と5ミリリットルの容器1本(ラベルには、日付とともに中国の国有製薬会社<中国医薬集団(シノファーム)製「COVID-19 新型冠状病毒滅活疫苗>と記載」を受け取り、件の院長によって夫妻は注射を受けた、とある。つまり闇から闇の世界が今静かにうごめいている。
上記、山口判事餓死事件と同様、人々の知らない秘密の「楽園」では餓死どころか食っても食っても食いきれないような美食の品々が山積する酒池肉林が存在するのであるらしい。
公正さも公平さも失った時代、「私に責任が有ります、有ります」と言いながら一度も責任を取ったことのない指導者が平気で赤絨毯の上を闊歩する時代。天下のメディアは何の批判・論評も加えずにそれを報道する無恥と無智。いよいよ政府は「緊急事態宣言」を発出するという。山口判事が餓死したあの「時代」にいよいよ酷似してきた。