日々是好日日記

心にうつりゆくよしなしごとを<思う存分>書きつくればあやしうこそものぐるほしけれ

隠微に生まれて大きく暴れる「大阪万博」

2023年09月29日 06時16分31秒 | 政治
 「2025年「大阪・関西万博」の開催を巡り、日本維新の会がジレンマを抱えている。かねて『大阪誘致』を党の実績としてアピールしてきた万博だが、準備遅れや建設費の増加が課題となっているためだ。(中略)万博の誘致は、党創設者の橋下徹大阪市長(当時)と松井一郎知事(同)が14年に表明し、18年に大阪が開催地に選ばれた。維新は万博を『成長の起爆剤』と訴え、大阪を含む関西を中心とした党勢拡大にもつなげてきた。しかし、最近では建設資材や人件費高騰を理由に、目玉となる海外パビリオンの着工遅れが深刻化し、建設費の増加も明らかになっている」(2023/0924読売新聞)。
 「天気晴朗なれど波高し」,なにしろIR(統合型リゾート)という博打場づくりの時間つぶし・景気づけをごみで埋め立てた人口島でやったら間が持つだろうとばかりに,いい加減な見積もりでコトを始め,当初見積もり1250億円だった予算枠は,2020年には「暑さ対策」と称して1800億円に増額,この間何もしないまま今になって2300億円に増額ときた。北新地か堂島あたりの料亭の酒亭で決めた計画は,その張本人たる橋本徹・松井一郎・安倍晋三・菅義偉四人ともそれぞれに別れて身を隠し,どこ吹く風と責任を感じるふうは天にも地にも皆無ときた。
 「さあ誰が 万博無理と 言い出すか」(大阪府 末吉利次 朝日川柳」),上記の4人には入らなかった吉村現府知事は,俺に責任は無いとばかり8月末岸田首相に援助協力を要請した。不人気の今,他人に頼られるのがうれしくてしかたない岸田氏は、政府が「主体的に」関与する意向を明らかにしたという。他方,この9月に就任したばかりでこの巨大事業には「ずぶの素人」の自見万博相も「危機感を持って取り組んでいく」と官僚の書いたメモを読むが,夢洲の現実は文字通り「感」ではなく「危機」そのものだ。こうした動きを不快に思うらしき政権党内には、「維新は万博誘致は自分たちの手柄にしながら、困ったら政府に頼ってきた」(中堅)と指摘する声があるという。急場を前についに仲間割れの様相だ。8月30日には、維新の馬場代表がかの党の会合で「『大阪の責任とかではなく、国を挙げてやっていく』と発言し、他党からは『責任放棄だ』との批判も浴びた」(同上)。
 「ホップ・ステップ・・・」と跳んできた「大阪」万博だが,会場建設からイベント開催までの遠い道のりは三段ばかりの跳躍では終わらないからまだまだ予算増額は避けられまい。なにしろ昨今の人手不足は深刻で突貫工事を敢行するとなれば大枚の経費は避けられまい。おまけに,ゴミ捨て場を世紀のイベント・万博会場に選んだズッコケ判断は,どんな設計変更や思わぬ地盤変形・会場倒壊などといくつの危険を抱懐しているか分からない。「藤田維新の会幹事長は会見で、万博開催について、『党派を超えて成功させるのが国民の願いではないか。党としてできることがあればサポートしたい』と述べた」(同上)。どいつもこいつも「三十六計逃げるに如かず!,こういう「輩」を一人前の「政治家」と目して投票した選挙民の「顔(つら)」を見たいものだ。
 「ドラ息子 みたいに夢洲 金を喰い」千葉県・加藤安博「朝日川柳」
 


国民健康保険証のマイナンバーカード利用という悪政

2023年09月28日 08時15分09秒 | 政治
 「預貯金口座を別人の番号にひもづける誤りが多発した問題で、デジ庁が、自ら所管するマイナンバー法に基づく行政指導を個人情報保護委員会(個情委)から受けた。立ち入り検査で本人確認の不備や法令に反する対応が見つかり、是正状況を報告するよう求められている。マイナンバー制度を担う組織としての責任を自覚しているのか。膨大な個人情報を扱う能力があるのか。根本的な疑念すら持たれかねない事態だ。デジタル庁は、再発防止と信頼回復に全力を挙げなければならない」(2023/09/24朝日新聞社説)。
 日本国は,情報化の進捗度が世界63か国・地域のうち27位の低位にあると言われている。ここで言う「情報化」とはコンピュータの性能やネットワークの速度・パケット伝送速度や容量などというハイテクの話ではない。そういうことでなら,この国のレベルは世界トップクラスにあるはずだ。ノーベル賞の国別受賞者数などといえば遅れて近代化した日本ではあったが決して見劣りはしないのと同じように。コンピュータの速さを競うスーパーコンピュータの計算速度では近頃血道をあげる中国などと争そっているものの,それでも日本技術はトップの善い線を行っている,という具合だ。
 しかるにこれが広く世俗社会レベルでの情報化レベルと言われると上記のような話に落下してしまう。世界で27番目などという発展途上国なみにランクされる状況は,ほかにも実に多くの場面で起こっているのではないか。これは何のことは無い,政治や行政の「質的」問題なのである。情報社会化というテーマで言えば,デジタル庁という官庁組織を作ったもののそこに魂が入らない。国家行政の「情報化」なるものを,「情報によるより深化した国民支配システム」などと心得ているからである。その格好の例がマイナンバーカードの100%普及という専制国家システムを画策したことが何よりの悪例である。
 これに抵抗する国民に一網打尽の網をかけようとたくらんだのがデジタル大臣提案の国民健康保険カードを廃止してマイナンバーカードへの移行という「悪政」であった。お金でほとんどの民を釣り上げたものの,一部に残った「無駄な抵抗を試みる一部のまつろわぬ民」を一網打尽捕らえるにはこれに限るとばかり河野大臣が謀った第一等の悪政であった。ここかと思えばまたあちらと逃げ惑うマイナンバーカード忌避者を捕縛する有効な投網であった。「この世をば我が世とぞおもう望月の欠けたることの無しと思わば」と詠む三代目の,庶民をなめた態度がこういう勘違いを起こす。
 この一大失敗にも拘らず,岸田首相は河野氏のクビを取らなかった。野に置くと危険とみてデジタル庁という役所の檻に軟禁しようというのだという。失敗させるのも悪くないと思っているとしたら一番馬鹿を見るのは国民だということを,選挙権を持つ民はよくよく考えておくことが重要だ。村の衆,この恨みを次の選挙で晴らそうではないか?
 


越えられない,越えてはならない恩讐の彼方

2023年09月27日 07時20分14秒 | 政治
 「棚上げ」という「言葉」がある。国語辞書を引いてみると,「1.問題を一時保留して、解決・処置をあとにのばすこと。2.需要の調節のため、商品を市場に出さずに一時蓄えておくこと」(Oxford辞書),などとある。以下の「話題」は1が当てはまるか?
 「広島市の平和記念公園と米ハワイ州のパールハーバー国立記念公園との姉妹公園協定をめぐり、広島市の局長が市議会で『原爆投下に関わる米国の責任の議論を現時点では棚上げする』と答弁した件で被爆地広島に波紋が広がっている」(2023/9/23朝日新聞)。
 言うまでもなくここで問われているのは「棚上げ」という言葉そのものというより,「棚」に上げるには重すぎて揚がるわけの無いモノを「上げる」と,市の重役が如何にも「軽く」語ったことが市民感情を傷つけたからであろう?
ここで主題たる「日本軍によるパールハーバー攻撃」と「米国による原爆投下」は,80余年を過ぎても断じて「超克」できない歴史的事実であること,前者はアメリカ人にとって,後者は日本人にとって,共に「棚に上げる」には重すぎて上がらず,第一これらを支える頑丈な棚などあるわけもない。それを軽く「棚上げ」できると判断した局長の軽率さが問われたのではないか?
 「歴史を超克する」などと,新刊書等の腰巻キャッチコピーにはしばしば出てくるが,現実の歴史的事実は「超克」などできるものではない。ましてやアメリカ人にとって「リメンバーパールハーバー」は忘れられない屈辱以上に多民族国家を束ねる「紐帯」となっている。広島・長崎の原爆投下は,日本国中無辜の民が住む街という街を焦土と化したアメリカの焼夷弾や機銃掃射の許しがたき悪魔の所業と並んで日本民族永遠の屈辱。その感情は軽く「超克」できるような代物では断じてない。
 広島市は,先のオバマ大統領の訪問を機に,ハワイ在住の日本移民の後裔の人々の「善意」に誘われたモチベーションが有ったらしいが,歴史には「超克できない,してはいけない」主題があることに広島のみならずハワイの関係者,いな全日本人と全米国民においてもまた,かく気付くべきだったのではないか? 
 互いに恩讐を越えて過去を理解し合うことは善いことと言いながらも,むやみに乗り越えてしまうことは歴史の冒涜であることに気付くべきだったのである。
 


彼女を,国会に置いてはいけない議員です

2023年09月26日 08時03分28秒 | 政治
 2016年,ニューヨークで開かれた国連主催の女性差別撤廃委員会に参加した衆議院議員杉田水脈氏は,そこで燃え上がった「人間みな平等」の世界的なうねりを見て感想をブログに写真と共に投稿し,「チマチョゴリやアイヌの民族衣装のコスプレおばさんまで登場。完全に品格に問題があります」などと,ブログという,プライベートとはいえ「帰朝報告」に過激な投稿を敢行した。これはもはや「差別撤廃」という国際運動への参加国政府の一員たる者の発言ではありえず「全」日本国民への「反逆・謀反」ですらある。
 この「暴言」について,北海道および大阪両法務局にそれぞれ異議を申し立てた参加者たちに対して,この度両在地法務局から「調査が終了し、杉田議員にたいして啓発した」との連絡が入ったという。つまり,国会議員が日本国からその不適切な行動に対して「厳重注意」を受けたというのである。
 性差別や人種差別等々あらゆる差別を無くそうという世界的な運動,それに日本国としてこのムーブメントに賛同し同意して,政府代表と共に啓発運動を続けてきた民間人も参加した場にあって「チマチョゴリやアイヌの民族衣装のコスプレおばさんまで登場。完全に品格に問題があります」はないだろう!
 この御仁,死んだ安倍晋三氏の寵愛をもっぱら受け,何を勘違いしたのか権力の走狗となってさまざまな人権侵害事件を起こしてきたことはよく知られている。あろうことかその数々の不適切な過去を承知しながら,この人物を含む第一次岸田内閣の組閣時点は安倍氏の生前でもあったから,岸田新首相は安倍氏の歓心を意識したのであろう?,岸田首相は杉田氏の問題点をよくよく熟知しながらもなお軽い職とは言い条「政務官」に起用し,上記国連行事は彼女の主務として政府代表団の資格と責任で参加したものである。
 それゆえ,上記この人物のすべての不適切な行状は岸田首相の「任命責任」である。この度は行政機関として「注意」という生ぬるいものの一応の処分はした。しからば党として岸田総裁は党首としての責任を取るべきだろう。次期国政選挙では断じて「党公認」からはずすべきではないか?
 


百年浄化をまつ日本政治

2023年09月25日 07時05分30秒 | 政治
 「高市早苗経済安全保障相は19日、自身のX(旧ツイッター)を更新し,『先週は、大臣室の掃除を殆ど済ませたところで留任となり、戸惑いましたが、経済技術版のセキュリティ・クリアランス制度を創設する為の法整備が、今の私が最優先で成し遂げるべき使命だと考え、懸命に働く決意です』と投稿。高市氏は昨年の内閣改造直後にも、自民党政調会長を外されて経済安全保障担当大臣として入閣した自身の立場について『今も辛い気持ちで一杯です』と投稿。自身の人事をめぐり、任命した岸田文雄首相に不満があるような投稿をして、大きな波紋を呼んだ(2023/09/19日刊スポーツ)。
 高市氏を閣僚として任命した岸田首相は,女性大臣を過去タイ記録の5人も任命したと胸を張ったが,その5人の中にはいやいやながら閣僚に残留させられたと嘆く「婦人」が入っているということは注意しておく方がよい。その人=高市早苗氏は,内閣改造と聞いて大臣ポストから解放されるかと大いに喜んで,大臣執務室の掃除に取りかかっていたというから,世の政治家はすべからく大臣病に罹っているという言説は必ずしも正しくないことの一例になる。真相は,高市氏を閣外に出して倒閣運動をされては困ると考えた首相が,とかく「不規則な」発言をする高市女史を座敷牢に軟禁したというのが真相なのであろう。こういうのを政治用語で「閣内不一致」という。同一例は河野デジタル大臣も軟禁組と政治通のうちでは目されている。
 ドリル優子の名で有名な小渕優子氏の「選挙対策委員長」という党四役抜擢の影にも,同じ茂木派メンバーの小渕氏を筆頭党役員である茂木幹事長と組ませることで茂木派内の人心収攬をかく乱しようという「悪意」が読み取れる。権謀術数は政治世界の常とは言いながら,斯くの如き読み易い悪意の組織は如何なものであろう?
 前首相暗殺というまがまがしい事件,その原因は世界統一家庭連合(統一教会)なる宗教団体による文字通り「法外」な拡幅運動に起因していたとして,いまその存続の可否が大きな政治・行政・司法テーマになっている。その歴史的な重要局面に面しているこの時期に,件の宗教団体と関係のある人物を主務官庁文部省の最高責任者=文部大臣に任命する。それだけではない,新しく副大臣・政務官に任命された者たち54人の中で26人がこの宗教団体と深浅の違いはあっても関係していたという。これがこの国の政治の純度である。
 百年河清を待つのは黄河ばかりではない。この国の足下が腐敗している。