「昨年7月の参院選広島選挙区を巡る買収事件で、前法相の衆院議員河井克行容疑者(57)と妻の参院議員案里容疑者(46)から現金を受け取った疑いのある広島県議らが26日、釈明に追われた。(中略)県議や市議、首長など、地元政治家40人以上に計約1800万円を提供した疑いがある。26日午前、県議会常任委員会が開かれるのに合わせ、議会棟には報道関係者数十人が集まった。克行前法相から昨年4月中旬に30万円を受け取ったとされる県議は『気持ちの整理がまだなので、ノーコメント』と繰り返した」(2020/06/26共同通信)。
広島県は一県上げて選挙買収汚染でパニック状態のようだ。コロナウィルスよりこちらの方がパンデミック状態、「気持ちの整理がまだなので、ノーコメント」などと言うところを見ると、公選法違反は「良心を侵すパンデミック」という意味でCOVID-19ウィルスよりはるかに悪質ではあるまいか??
それにしても広島はこれを「ヒロシマ」と表記して、日本人にとっては心を寄せる「聖地」という思い入れがある。奈良・京都と並んで「ヒロシマ」は生涯に一度は訪れて原爆ドームを見て、原爆記念館を訪れ、平和公園を歩くこと。今でも中学・高校の平和教育を兼ねての修学旅行は圧倒的に広島である。この「聖地」としての神聖性を一気に崩壊させたのがこの「河合夫妻集団公選法違反事件」である。まして、あの一発のピカドンで殺され、または負傷し、生涯その障害に苦しめられながらも平和を希求し反核運動に生涯を捧げた人々への冒涜は言うもはばかられる程のものである。
主犯たる河井衆参院議員夫婦は言うに及ばないが、上記一群の広島県地方議員の行状は文字通りに万死に値する犯罪であり、広島=ヒロシマが帯びてきた「聖性」を一気に消滅させた冒とく行為である。かくなる上は、この政治汚染に関わった者たちはその金額の多寡やコミットメントの深浅に拘わらず洗いざらい懺悔して罪に復すべきである。
また、主犯たる河井夫妻両容疑者に法定選挙資金の3倍にもあたる1億5千万円もの巨額犯罪資金を提供し、ヒロシマを汚染させた政党本部の責任もこの際厳しく問われるべきである。
少なく見積もってもこの10年間国民の信頼を失い続けた法務・検察の信頼回復のためにも、この「選挙資金疑獄」についてはその全容を詳らかにし、一点の疑念も無いように捜査を完遂してもらいたい。ヒロシマは日本人の聖地だと述べたが、「ゲルニカ」と並んで平和を希求する世界中の人々にとっても同様に聖性を帯びた都市である。この「事件」はこれらの人々からも注視されているのである。