日々是好日日記

心にうつりゆくよしなしごとを<思う存分>書きつくればあやしうこそものぐるほしけれ

朝鮮戦争休戦70周年戦記念日に寄せて

2023年07月31日 07時20分14秒 | 政治
 先週木曜27日は,1953年に朝鮮戦争が休戦に入ってから実に70年目の一日だった。「休戦記念日」といえば,それは歴史年表に記されたその日が平和到来の初日になって,遠からず和平が確定される「好き日」であったはずだ。が,この「休戦記念日」はその後70年の長きにわたって「生き」続け,いつまた戦闘が再発して戦争状態に復してもおかしくないという,実に「非歴史的な記念日」になっている。ダモクレスの剣が常に頭上にある南北朝鮮の人々の鬱陶しさは如何ばかりかと,その神経に「驚嘆」するのと同時に「同情」を禁じ得ない。
 世界一の富める国アメリカを相手に,かたや世界屈指の貧困国家の北朝鮮が張り合う,それも核に大陸間弾道弾ミサイル(ICBM)に,潜水艦発射型弾道ミサイル(SLBM)やら,加えて核兵器まで繰り出して世界一の大国と張り合う。ムソルグスキーの組曲「展覧会の絵」に出てくる「金持ちのユダヤ人と貧しいユダヤ人:(サミュエル・ゴールデンベルクとシュミュイレ)」の一枚の絵のように,横柄な金持ちのアメリカ人と貧乏な北朝鮮人の屈辱的争いの「70年」。痛くもかゆくもないアメリカ国とアメリカ人に対抗して張り合う指導者一家三代に収奪され続ける北朝鮮の民。実に割が合わない70年であり,この強権独裁政治が生きながらえる根拠ともなってきた「休戦70年<記念日>」だ。
 この国では,金氏一族の栄耀栄華をよそに無数の餓死者が出ていると聞けば,これ以上の矛盾が有るか!とヒト事と言って切って捨てられない怒りがこみあげてくる。
 


「新しい人よ目覚めよ!」と大きな声で叫びたい

2023年07月28日 07時26分54秒 | 政治
 「日本維新の会・馬場伸幸代表の『第1自民党と第2自民党の改革合戦が政治を良くする』という発言が波紋を広げている。過去にも『第2自民党』と揶揄された政治勢力はあったが、自らそう認めるとすれば異例。二大政党を目指す趣旨とされるが、自民の補完勢力になる懸念を深める人々もいる。他党を尻目に、支持率も好調の維新から飛び出した言葉は、どんな意味を持つのか。『それって自民党に尻尾を振ってるだけじゃないの?』。24日、東京・有楽町で、埼玉県の調理師女性(67)が<第2自民党>の印象をこう言い放った。維新の馬場代表は23日に生出演したネット番組で、維新が目指す方向性に言及。『第2自民党』と批判されているとの指摘を受け、『第1自民党、第2自民党でいいんです。第1、第2自民党の改革合戦が政治を良くすることにつながる。立民がいても日本は何も良くならない』と反論した。野党第1党の立憲民主党との連携は『未来永劫ない。やるか、やられるかの戦いだ』と否定した」(2023/07/25東京新聞)。
 「自家撞着」という言葉が有る。これは,過去と現代の時間の流れ,右と左の空間での接合などがうまくいかないことを言う言葉だ。上の記事中で発言している当人は気が付かないようだが,上の記事が言うような馬場氏の発言ならあえて党派を宣言するには当たらない。この国の「昭和」と年号が変わった時代への先祖返り,これは「いつか来た道」のファシズム時代への単純回帰ではないか???
 馬場氏には,悪態をつくのではなく本心から語ってもらいたい,「維新の会」という集団は「第二自民党」でよいと確信しているのか?,それとも全く独自の世界観をもって政党を結党しているのか?
どうも,かれらが結党以来約10年の足跡を見れば,確かに「第2自民党」と「揶揄」したくなるような行動しか取ってこなかった。大阪府・市でやってきた地方行政は言葉の正確な意味で「ポピュリズム」政治で,その惨憺たる結果は間もなく明らかなになるであろう大阪夢洲に誘致した世界万博の顛末,その跡地に予定するカジノ政策等々,彼らが政治の重要な痕跡だがこういう額に汗しない政策ばかりで未来が開かれると思っているのか? 彼らはこの10年,「破壊」を「改革」と混同してやってきただけではなかったのか? そしてそれはそのまま与党自由民主党のとりわけ安倍政治が実行してきた政治そのものと同種同根のポピュリズム政治だったのではなかったか?
それが,何の反省もなく「第2自民党」でよくて,「第1自民党」との改革合戦だというのでは,彼らが存在意義は皆無ではないのか? 冒頭記事の馬場氏の発言は例によって「タンカ」を切ったものと解釈したいが,これが本気なら近い将来この国は減衰曲線から脱することはできないだろう。この手詰まり感ゆえに,「新しい人よ目覚めよ!」と大きな声で叫びたくなる今日この頃。

リニア住民訴訟に勝ったJR東海,それでも苦労は続くよ何処までも

2023年07月27日 07時29分26秒 | 政治
 東京・品川―名古屋間で工事が進むリニア中央新幹線について、工事に反対する沿線住民らが、JR東海の計画を認めた国を相手取り、認可の取り消しを求めた訴訟で、東京地裁(市原義孝裁判長)は7月18日、住民らの請求を棄却する判決を言い渡した。
 訴えた住民らは、JR東海による「環境影響評価」は水源への影響や地盤沈下、騒音・振動、南アルプスの自然環境に与える影響などについて「具体性に欠け、不十分な内容だ」と主張したが,判決は、環境影響評価に基づく認可が違法となるのは、国交相の判断が、重要な事実の基礎を欠いているか、社会通念に照らして著しく妥当性がないことが明らかな場合と指摘。今回の評価書は省令などに基づいた手続きがとられており、記載事項を精査しても「認可に違法があるとは認められない」と判断した,ものである。
 法廷でどんなやり取りが行われたのか,行われなかったのか詳らかにしないが,明らかにこの事業はすでに失敗している。本来, 5年前になされたこの訴えを奇貨として,国も当事者JR東海も計画を中止または変更する機会とすればよかったものを,これを「警鐘」とし再考する機会とすることなく計画を強行・継続したため,この間にさまざまな事故や問題が発生し工期と経費ばかりがいたずらに浪費され,いまや「完工」の時期を予想すらできなくなっている。JR東海はその責を静岡県知事に全部かぶせているが,完成時期が見えなくなっているのは「時間」という単純な事情ではなく,この先に見え隠れする「失敗」への畏怖または恐怖のためではないか!
 「東京と名古屋の⒉点間を結ぶ最短距離は直線である」とばかりに,無数にある断層だらけの脊梁山脈の,地底にもぐるモグラのようにトンネルばかりの直線を引き,ただただ速度が速いだけの乗り物を作る。一人でも多くの人に利便性を与え乗車賃を払っていただくという乗り物本来の役目を放棄して,山脈とは言い条ただ土盛りしただけのような山にトンネルを掘るという不見識。それよりも伊那谷を北上して諏訪地方を迂回しホッサマグナに入る経路を取れば格段に乗客数も見込めて営業的にも期待が持てるのを,1兆円余分になるとしてこれを蹴って直線を取ったばかりに静岡県知事と衝突し,生じる残土処理に悩まされ,計画に倍加する支出を迫られる羽目におちいった。
 しかも,技術的な実証性の無い超電導磁気浮上システムという危険性の人命軽視。これらへの自信の無さがこれまでの工事遅延の本当の原因ではないのか? その証拠が,品川と名古屋の両終着駅でのJR東海自身の足下における未着工が何よりの証拠ではないのか?
 初級審で争いが始まった時点を奇貨として計画を穏便なものに変えればよかったリニア計画。この一審裁判勝利は,益々もって後へ引けなくなった不幸へのターニングポイントとなるであろうと筆者は予期しているのであるが・・・

悪ければ悪いほど儲かる「ビッグモーター」商法

2023年07月26日 07時20分55秒 | 政治
 「中古車販売大手のビッグモーターが自動車保険の保険金を水増し請求していた問題で、兼重宏行社長ら経営陣が、不正に関する内部告発を受けながら放置していた疑いがあることが分かった。その後、外部の指摘を受けて行った調査では、修理件数の4割強で不適切とみられる行為が見つかるなど、組織ぐるみの不正だった疑いが強まっている。過大請求を受けた大手損保関係者は憤りを隠さない」(朝日新聞2023/07/16)
 「♪車を売るならビッグモータ!」,TVをつければどこのチャンネルからでも執拗に聞こえてくる「ビッグモーター」社のコマ-シャルソング。こんなに広告宣伝にお金をかけていて大丈夫なのか?と思っていたが,この会社,長州山口が生んだとんでもカンパニーだったらしい。
 同社は顧客から事故車の修理を請け負った際、さらにわざと車に傷をつけたり、タイアをパンクさせたり,事故には無関係な部品交換をしたりして、修理費を水増しして保険会社に高額の費用請求をしていた疑いがあるという。明らかな器物損壊の犯行であり,事故車とはいえ、顧客から預かった他人の財産に新たに傷をつけて事故による損傷を追加増幅し,それによって倍化された修理代を保険会社に請求する。明らかな器物損壊罪であり,窃盗罪に文書偽造であり,悪徳商法の極致である。
 こうして増幅された保険金が保険会社から支払われるのだから,一義的には保険会社はビッグモーターによる「詐欺」に遭遇したことになる。しかし,このような形で保険加入者相互に損害を与えた加入者は罰則として次年度から保険料が増額されて支払うことになるうえに,マクロに保険金の増額という形で全加入者全員にも広く負担を分散することになって保険会社としては利益を毀損しない。報道によれば,保険会社は修理会社の現場監視を手抜きしてきたらしい。こうして,ビッグモーターの悪事はマクロな保険の互助システムの中で育成され,悪事を働けば働くほど同社は儲かり,そういう悪事が加入者に見つからなければ保険会社も損にはならない。健康な体にとりついた腸内寄生虫のようにサービス利用者集団全体に損失を広くばらまくことで,自動車保険システム全体は何事も無かったように動いていく。文字通り「悪い奴ほどよく眠る」システムとなっていたらしい。
 ここで一番馬鹿を見ているのは,事故を起こさず,よってビッグモーターの修理工場で愛車を汚されることもないが,なぜか高い保険金を毎年払わされている優良運転手たちで,ビッグモーターが売っている中古車なら5台や10台は買える金額を生涯に保険金として支払っていたのではないか?? まことにこの世では,悪い奴ほどよく儲かる。現代を象徴する惡の華「ビッグモーター」だ。
 筆者は免許返上して3年,払うはずだった保険金の10分の一の支出でたっぷりタクシーに乗っている。世人よ,車を降りよ!
 


ジャニーズ問題の国連人権理事会調査に期待する

2023年07月25日 07時36分06秒 | 政治
 「ジャニーズ事務所の創設者ジャニー喜多川氏(2019年に87歳で死去)による性加害問題を巡り、国連人権理事会の『ビジネスと人権』作業部会による事務所の藤島ジュリー景子社長や元ジャニーズJr.らへの聞き取りが、25日に東京都で、28日に大阪府で行われることが分かった。被害を訴える元ジャニーズJr.のメンバーが先月、国連に『人権侵害ではないか』と意見書を送っており、作業部会の動きはその声に応える形だ」(2023/07/24東京新聞)。
 このいわゆる「ジャニーズ問題」だが,日本国内では一部の週刊誌(週刊文春)と,新聞では朝日・毎日・東京などのごく一部の新聞が小さく報道している以外には各種メディアのほとんどが沈黙を守り,テレビはNHKが一回だけ5分間ニュースの中で触れただけ,他に民放各局は口を閉ざしたまま,沈黙を守っている。どうでもよい世上の些事にあれほど騒ぎ立てる日本のTVのこと,どうしたことか?・どこか悪いところでもあるのか?,と不思議になるほど寡黙に控えている。こういうところが,西欧先進各国から見れば,やっぱり「Japanは不思議の国,異文化の国」とみられる原因であろう。
 そんな国内におけるモラルの処理に困窮しているところへ,思いがけなく英国の放送局BBCや,国連人権理事会などの国外から鋭利な「矢」が飛んできた。これらの意味するところは実に大きい。わけても今日から始まる国連調査では,この際しっかりと国際基準に則って調査して,かつ助言してもらいたい。この問題の淵源には巷間でひそひそ語られる異常性犯罪としての「ジャニーズジュニア問題」という「臍下事犯」というだけでなく,戦後対米従属の上下関係の中に脈々と「支配するもの」対「支配されるもの」の「上下の関係」までが色濃く含まれている。それゆえに刑事事件として扱われない「政治性」が問題を歪曲させ複雑化させてもいるのだと思われる。
 「国連」という,大きな視野や枠組みから問題が論じられるのは,国家として恥じ入る事態ではあるものの,小文字で書いた「戦後政治の決算」としては実に有意義だと期待している。結果のレポートが待ち遠しい。