「『自己PRの内容をご説明いただけますか』。パソコンの画面に表示されたイラストの面接官が人工音声で問いかけると、学生は『塾講師のアルバイトで生徒と積極的にコミュニケーションを取り志望校に合格させました』とアピール。AI面接官は『その経験は素晴らしいですね』とほめ、『問題に取り組む視点をどう変化させましたか』と追加で質問を投げかけた。・・・人工知能(AI)が就活生らを面接するサービス=<AI面接官>がにわかに広がっている。企業側は就職希望者を客観的に評価でき、採用活動を効率化できるという。一方で、AIの判断は、偏見や差別につながるリスクをはらんでおり、海外では採用時の利用には規制の動きも。AI面接官はどこまで信用できるのか」(2024/08/24東京新聞)。
ついにここまで来ましたか?と筆者は大いに呆れている。一次判定の「足切り」として使おうというのだろうけれど、応募してくれた入社希望者に対して如何にも礼儀を欠いた扱いではないか? AI側の判断アルゴリズがユニークであればあるほどに似たような人材ばかりを集めてしまって、企業人材の幅が狭量化する危険は無いのだろうか? あるいは、似たような才覚と行動様式の人間ばかりが採用されて結果として非常につまらない組織が出来上がってしまうというようなことにもならないか?
なんならその使っているアルゴリズムのままに、今社内で働いている社員たちをこの人工知能で面接してみたらよい。みんな不合格になってしまったとか、社長や役員など幹部社員が特に不合格判定をもらってしまうとか、愉快な結果が現れるかもしれない。
「人工知能に判定させました、その結果あなたは不合格でした!」と言われる応募学生の屈辱は如何ばかりであろうか?と筆者はおもしろく、やがて悲しくこの記事を読んだのである、が・・・。
(所用のため明日8月30日の本欄は休載します。大型台風接近中、命を守る行動を!)