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日々是好日日記

心にうつりゆくよしなしごとを<思う存分>書きつくればあやしうこそものぐるほしけれ

青春の蹉跌 取り締まるばかりが対策ではない

2019年03月14日 08時06分10秒 | 教育

 下のような、実に「独創的」な新聞記事を見つけた。まだ、こんなに元気な中学生がこの国にいたらしい。この危なっかしい少年少女をどううまく育てられるか?。世の大人たちの力量が問われる。
 「卒業式後の中学3年生らが毎年、派手な柄や刺しゅうを施した「特攻服」や学生服でJR岡山駅前に集まる行為を巡り、岡山県警や県内の教育委員会が対策を強化している。岡山、倉敷市で卒業式がある13日に向け、県警は「非行を助長する」などとして、これらの服装の生徒を補導対象とする方針を打ち出し、教委は学校を通じて生徒に参加しないよう指導している」(2019/03/08 山陽新聞)。
 世の大人たちにとっては、騒々しくて迷惑な騒ぎに違いない。だいたい子供たちが集まって、仲間同志で意気投合し合っていたらやかましいに決まっている。それが、この未熟な世代の特徴であり習性なのだから。
 なぜ県の玄関口岡山駅が選ばれてしまったのか?。乗降客にとっては通行の邪魔であり、賓客の送迎もある地元の名士たちにとってはいささか赤面もの、噴飯ものであろう。だから、できることなら見ないだけでなく、無くて済ませたい。大人たちにとっては大いに恥じ入る悪ガキたちの騒擾に違いない。だからこそ彼らはここを選んだのであろう。実に賢い。
「おい、何とかしろ!」という声が、さぞ、学校や教育委員会にたくさん寄せられていることであろう。年来、眉をひそめていた警察も誰かが言い出したら動かぬわけにはいかないと思っていたところへ、「どうしましょう?」と市や県から声を掛けられては動かざるをえない。しかし、警察が動くのは、ニキビに売薬の「タコの吸出し」を塗るようなもので、跡が残るシミの原因で最悪だ。
 自分でも制御不能なエネルギーが噴出する年齢の青春前期。世の大人は、そのエネルギーを「健全」な方向に向けてもらいたいと都合の良い事を考える。しかし、「可能性」しか誇るものの無い未熟をもっぱらの少年少女たちにとって、そんな「おためごかし」はなかなか通じない。通じないのを無理に力ずくで圧殺したのでは、「焼けボックイに火」、その不燃のくすぶりがますます内圧を高めて大爆発を招来するだけ。締め付けが強ければ強い程爆発力が高まることは、爆発物の威力特性と原理を全く同じうする。
 どうだろう?、ダメダメとばかり言わないで、大の大人が中に入れてもらって一緒にこの「卒業パレード」に参加してみては?。若い先生などが入るのも面白いかもしれない(日頃の関係がよくて受け入れられる人に限られるが)。少なくとも、機動隊が取り囲んで威嚇したり、各中学校の校長先生が監視に行ったりすれば悲壮感とヒロイズムをたかぶらせて益々もって逆効果、愚の骨頂というものであろう。彼らのオモウツボになること請け合いだ。
 矢じりの先にちょっとした鼻薬を塗る知恵が必要だ。それは、彼らへの愛情の深さでもある。こうなったのも、肝心の「愛情」が不足していたためだったのだろうから。