goo blog サービス終了のお知らせ 

日々是好日日記

心にうつりゆくよしなしごとを<思う存分>書きつくればあやしうこそものぐるほしけれ

外交問題として再燃する「明治日本の産業革命遺産」

2020年06月26日 07時03分08秒 | 旅行
 ソウル発の外電は、韓国政府が、端島炭鉱(軍艦島)、八幡製鐡所、長崎造船所等々、山口・福岡・佐賀・長崎・熊本・鹿児島・岩手・静岡の8県23施設で構成する「明治日本の産業革命遺産」という世界文化遺産の登録取り消しを求める書簡を、UNESCOに発送することを決めたと伝えている。
 これは、またまた日韓に係るあらたな外交問題の出来だ。どうも「外交の安倍」と自ら喧伝し、「地球儀を俯瞰する」とまで言うわりには安倍政権下でこと隣国、特に大韓民国との「外交」は最初から最後?までうまくいかなかったようだ。もはや斜陽の安倍政権だが、後々のためにちゃんと「落とし前」はつけておいてもらいたいものである。
 この「世界文化遺産」というのは、「産業革命遺産」と言いながらもその中身は「石炭」と「製鉄」と「造船」という日本の「明治近代化」を主導した、文字どおり日本の産業近代化とそれにまつわる「技術進歩」の歴史であって、これを人類の共通遺産として保存し伝えていこうという謳い文句の「人類の文化遺産」というには少々ローカルではあった。
 加えて、コトこれが日本にとっては「脱亜入欧」、アジアに先駆けて近代日本を興し、当時世界を支配していた帝国主義と植民地主義の荒波に遅ればせながら乗り出していくという近隣諸国にとっては迷惑千万な歴史でもあった。それゆえに、こういう指摘がこの企画のユネスコへの申請当事、近隣各国から指弾され、不安視されてもいたのであった。
 この「文化遺産」の中には、実に唐突に「松下村塾」が入っていることからも分かるように、そこには「ナショナリズム」という羊頭狗肉が混じっているように思われる。これは、この企画を熱心に推進した安倍首相に強い思い入れがあって、ために「明治近代化」とは直接的な機縁の無い「松陰先生」をこんなところに持ち込んだものと、筆者は邪推している。どうみても「松陰先生」と「産業革命」は牽強付会にして無縁である。
 明治近代化には福沢諭吉による「脱亜入欧」という、アジア蔑視の思想が基盤にあり、その延長上にアジア太平洋戦争という歴史が後からついていく。このユネスコ遺産にはこの「匂い」が払っても払いきれない程に強く付着して離れない。
 こういう政治的「匂い」を払しょくしておかないと日本にとっては「近代遺産」ではあっても、それ故にこそ近隣諸国は言うに及ばず国際的理解は得られず、人類の「共通の文化遺産」という主張に陰りが出てしまう。韓国からのクレームは、そのまま中国や台湾、はては東南アジアにまで共通の不快感を与えているのではないだろうか?
 真に世界遺産として尊重されるように、安倍氏が常日頃多用する「しっかりと」という言葉にたぐわないよう、これを機に、世界から疑義を持たれないようなディスプレイにすべきだ。