日々是好日日記

心にうつりゆくよしなしごとを<思う存分>書きつくればあやしうこそものぐるほしけれ

朝のTVで,「泣いて馬謖を切る」と誰かが口走っていたが・・・

2023年05月31日 07時33分03秒 | 政治
 ・・・それって,決められたモラルを厳格に保つためには,たとえ愛する者であっても「規律」を破るものがあればこれを厳しく処分することが必要だという意味だ。このTVスタジオでの話題は,そんな高尚な「話」ではない。
 このTV朝番組の「話」というのは,岸田首相のご子息岸田翔太郎氏(32)が,昨2022年も押し詰まった年末,首相公邸に従兄弟などの親族一同を集めて忘年会を開いた・・まではよかったが,あろうことか広く世に知られている内閣組閣時の新閣僚全員うち揃って記念写真に収まる赤じゅうたんの階段で,一同を閣僚に擬してカメラに収めた写真が週刊誌に暴露されてしまうという,いささか褒められない話題に関して飛び出した「故事成語」である。「泣いて馬謖を斬る」というそもそもの事の起こりとこれは比べようもない軽挙妄動にすぎない。切る方も切られる方も泣いたりわめいたりする義理も資格ももとよりない。 
 「泣いて馬謖(ばしょく)を切った」のは,「中国史の<三国時代>、蜀の諸葛孔明が日ごろ重用していた配下の馬謖がその命に従わず作戦を実行して魏に大敗したために、軍規に従って「泣いて馬謖を斬罪に処した」という「蜀志馬謖伝」の故事から出た言葉で、規律を保つためにはたとえ愛する者であっても、違反者は厳しく処分することの重要性を説いた「成語」である。どうみても「泣いて馬謖を切った」諸葛亮の思いと我らが宰相岸田文雄氏とそのご子息や甥らの悪ふざけとは縁が無い。
 それにしても天下の秀才=諸葛孔明には比すべきもない一国の宰相岸田文雄氏,おのがじし比すべきも無いと思わばよもや年若にして未熟な子息を秘書につけるとは,それがおのれが選挙事務所のつかいっぱしりというのならさもありなんというべきを,天下の首相側近の筆頭特別秘書に置くとは如何なる認識あってのことであろうか? それほどまでにこの国の中央政治のその中核は実体の無いものになっていたのであるか?
 岸田氏がご子息の首相特別秘書を解いたのは「泣いて馬謖を切った」のなどではなく,ただ役に立たないから辞めさせたのであろう。最後に誰でもする「適切な判断」がなされたというただそれだけのことである。もはや政治の信頼は地に堕ちた!
 


底なしにずれている維新の会とその党人と

2023年05月30日 08時27分17秒 | 政治
 「日本維新の会の藤田幹事長は、入管施設で亡くなったスリランカ人女性をめぐる一連の発言で問題となっている梅村みずほ参院議員を、『党員資格停止6か月』の処分とすると発表しました。日本維新の会 藤田文武幹事長は『処分理由はガバナンスを逸脱した行為で,指示を聞かずに自分の判断で、活動、質疑に立ってしまったり,党の指示を聞かなかったことなど、ガバナンスから逸脱した行為があったことから、党員資格停止6か月の処分とする』と発表しました」(2023/05/26 TBS)。
 と,ここまで聞いていると「むべなるかな!」と大いに合点がいったのだが,次のフレーズを聞いて頭が真っ白になってしまった!
 「一方、発言内容については不適切だとの認識を示したものの、『直接的な理由ではない』と述べました。梅村議員は、入管施設で亡くなったウィシュマ・サンダマリさんについて、『ハンガーストライキによって亡くなったかもしれない』などと繰り返し主張し、遺族らから発言の撤回と謝罪を求められています」。(同上)
 こういうのを「トホホ・・・!」というのである。てっきり彼女の発言の,その中身が根拠を持たないデッチ上げであり,ヒューマニズムの観点からして許されない人権暴虐の発言,言論の自由をあえて強調して許容される議会発言として想定される方向と180度逆行したものとして論外の発言であってみればこれを罰するものであるべきを,そうではないというのである。それでは一体全体この政党は何をもってこの人物に「党員資格停止6か月の処分」などという重罰を科すのであるか? その理由がまるで分らない。
 「日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであつて、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する」(「日本国憲法)前文)。
 ここには,世界に向かって,わけてもアジアに対して為したあの戦争への心からの反省がこめられている。この政党がもとよりこの憲法を全く尊重しないのである以上なんの説得力も持ち得ないが,それでもここにはアジアの人々への謝罪のまなざしを国家の基本法として置くに相応しい心だけは持ち続けてもらいたい。
 この国の民が世界の孤児にならないために,この議員とその政党の「心ある」行動を願いたい,のだが・・・。

国家存続のために「チバン相続禁止法」を

2023年05月29日 07時15分36秒 | 政治
 「岸田総理大臣の長男の翔太郎秘書官が去年の年末に総理大臣官邸に隣接する公邸で親戚と忘年会を開いていたと報じ、参加者が海外賓客を招くスペースで、はしゃぎながら写真撮影や『記者会見ごっこ』をしたり、邸内の階段で寝そべったりしていたなどと伝えています」(「文春オンライン」2023/05/24)。
 もはや点ける薬が無い! 先には父に随行した霧のロンドンや華のパリで,国民の血税を使ってお土産あさりいや観光に両在外大使館所有の政府公用車を乗り回したとして大いに批判を受けた総理特別秘書岸田翔太郎氏。今度は親戚集めてまたまた公私混同のモラルハザードだ。政界ご意見番「週刊文春」記事の一部は添付写真と共こんな具合だ。
 「写真の日付はいずれも昨年12月30日のものだ。翔太郎氏の知人が語る。この日は、岸田家の親戚あわせて10人以上が首相公邸に集まり、忘年会が開かれたそうです。現在、岸田首相は公邸で、翔太郎氏と2人で暮らしている。ご一行にとっては“親戚の家に遊びに来た”というノリだったのでしょう。親戚の気安さゆえか、赤じゅうたんの敷かれた階段に寝そべっている写真や、新閣僚がズラリとひな壇に並ぶ様子を模した写真もあるなど、やりたい放題の様子がうかがえる」
 この記事が語る遊びの「舞台」は,昭和4(1929)年に竣工され,爾来,戦中戦後から2005年までの75年の長きにわたって旧総理官邸として使われてきた歴史の舞台。時には青年将校のぶっぱなすピストルの音や抜刀した刃の血を払った壁のシミも隠されていて,疾風怒濤の日本近代史を見てきた建築物だ。そんな「歴史」を知ってか知らずか,ノーテンキに撮った写真の数々。よもや,これが岸田4代目になって政権を担当するなどということにはなるまいと一生懸命信じたい代物だ。
 それにしても,しみじみと,まことにしみじみと「ライオンはえらいなぁ」と思う。幼い子を崖から落として這い上がってきた子だけを育てるという。この国の宰相殿は,崖を登れない御曹司にエスカレーターを作って持ち上げてやりかねない。上記報道は,そのエスカレーターの上で4代目が悪ふざけをしていたという暴露話だ。
 「無礼なる一族集う忘年会」(群馬県 金井知巳)・「世襲です泣いて馬謖は切りませぬ(千葉県 福島成)・「どれだけの恥か気付かぬ親子かな」(埼玉県 小島福節)・・川柳子らは容赦ない。
 日本国家存続のために,「チバン・カンバン・カバン相続禁止法」を制定すべきだ。
 


働かざる者食うべからず! 1W・時も発電せずに黒字経営の日本原電

2023年05月26日 07時31分35秒 | 政治
 筆者,幼少のみぎり,暗くなるまで遊んで帰って,その朝,命ぜられていたことを怠ったとして父から落とされる雷の最初の「言霊」はきまって「働かざる者,食うべからず」だった。実際に食べさせられなかったことは無かったが,この格言はわが少年時代の紛れもない「敵性語」であった。
 そして今,まさに働かないからから「食うべからず」にもかかわらず「食い過ぎ」ているという民間会社がこの国に1社ある。その名が「日本原子力発電株式会社」。「茨城県那珂郡東海村と福井県敦賀市に原子力発電所を持つ卸売り電気事業者。その設立は1957年,日本に商用原子力発電を導入するために、電気事業連合会加盟の電力会社9社と電源開発の出資によって設立された」(Wikipedia)。
 この会社,今日までの 6年間1ワット・時の電力すら発電していないにもかかわらず,真っ黒ケの黒字企業である。同社がこの度発表した2023年度3月期決算によれば,総売り上げ921億円,「経営」に要する支出を引いた最終的なもうけを示す純利益は前年比25.1%の減ながらも18億円と,6年連続の黒字決算となった。
 発電を社業としながら発電せずに収入が921億円もあるというのが分からない。この収入を支えているのは, 東京電力、関西電力、中部電力、北陸電力、東北電力の5社だが,これらの中で東北・東京・北陸の3社は2023年3月期の決算は純益が「赤」だ。その赤字ゆえにこれらの各電力会社は需要家に来月からの値上げを通告している。「働かざる者は食うべからず」の格言からすれば,値上げされる貧しい需要家としては面白くない。最低限でも日本原電への支払い分「921億円」は免除してもらいたいと言いたくなる。
 この原電の二つの原発,そのうちの東海村の東海2号機はあのフクイチ事故と同時に停止したまま今日まで止まったまま,背景人口90万余の避難計画が周辺自治体で作り得ないままに今日に至り,さあらに他方敦賀原発2号機は発電所構内に活断層?の存在が指摘されていてその調査がはかばかしくないために審査自体が進まない。
 以上を要するに日本原電が働かない理由はそれなりに有るには違いないのだが,経済合理性からしてこれを生かしておくことの不合理と不条理は紛れもない。紛れもない不条理を平然として生かしている政府のだらしなさは言語に尽くしがたい。こういう国家行政が,一事が万事に国家のいたるところに存在し,かつ見えないところに伏在しているのである。
 いま,国民が苦しむのはこういう政府しか持ちえないからに違いない。
 


理研,雇い止め97人 国力衰退の根本的原因

2023年05月25日 07時27分10秒 | 政治
 理化学研究所が,この春10年を超えて有期雇用を継続しないという,いわゆる「10年ルール」を適用した結果,雇い止めされた研究者・技術職員が97人にのぼったという新聞記事があった。実際は,さらに106人が同様の扱いを受けるところだったが「理事長特例」という名の「対処」によって雇用が継続されたのだが,その中には「降格(減俸)」の付いた扱いもあったという。
 理研は,仁科記念財団以来の,我が国の貴重な人材の集積組織として国公私立に有名大学とともに知の壁を破る役目を負う機関であって,今日でもこの国における「知の源泉」である。それが組織の成長拡大とともにますます人材を集積して発展を遂げていくという好循環に乗れないという問題もあるとはいえ,もし国家の政治・行政の愚策によってこういう事態に陥っているとすれば,この事態は悲劇というしかないことになる。
 事実国政や国家行政を見渡してみれば,スタンドオフミサイル防衛と称して43兆円,実際は60兆円を超える巨額の予算を軍事費に充てるという。貴重な人材を彼らの仕事の途中で強制解雇するというルールによって衰退していく社会は,そうまでして守るに値する国家・社会であるのかどうかという疑問さえ浮かんでくる。
 上記理化学研究所の解雇で言えば,過去には彼らの受け皿としての役割も果たしてきた国公立の大学もいまや気息奄々でゆとりがまったく無い。無いどころか,こちらも「10年ルール」が覆いかぶさっている上に貧弱な予算で青息吐息の状況にある。「理研,雇い止め97人」という新聞見出しは,単に雇用・労働問題ではなく,この国の衰退を乱打する警鐘であることを忘れてはならない。
 理研は, 15年戦争終結時の1945年当時,これが大日本帝国の原子爆弾研究・開発組織であったとして存亡の危機を迎えた。その時ここから出て苦し紛れに起業・創業をした企業の数はそれこそ無数であった。現在でも「理研」・「リケン」・「理・・」という名称を附した企業がいくつかあるが,これらはその時の一種の<創業爆発>であって,日本史における経済カンブリア期といったあんばいでもあった。この度雇い止めにあった研究者たちがあの時の先人たちの創業精神で頑張ってくれたら,政府の課した禍も転じて福となるのだが・・・