玄文講

日記

電波喫茶

2004-11-04 12:25:26 | バカな話
私はふざけた話が好きである。
たとえば、「宝島30」で根本敬氏が書いた記事にこんな話がある。

都内某所に「電波喫茶」と呼ばれる喫茶店がある。そこの経営者の美人ママは、電波を利用して世界を支配せんとたくらむ悪の組織を追及するべく大量の糾弾ビラを店内に貼りつめ、その店を訪れた客に切々と世界の真理を説き続ける正義の人である。
彼女によると逸見さんも皇后さまも電波攻撃を受けているらしい。そして自分も韓国人である大家から電波攻撃を受けており、日々その大家と戦っているそうだ。
まったく同情してしまう話である。(大家さんのほうに)
ママさん曰く

「ビラを1枚貼るたびに1人ずつ客がいなくなっていったわ。やっぱり正義と商売は両立しないのね」

そしてこの話には後日談がある。氏が知り合いにこの店を紹介したところ、その人は友人A氏、B氏を誘いその店を訪れたそうである。
そしてそこでこのA氏はママさんの話の矛盾を見つけ出しそれを批難し始めたのである。


A氏は次々に「アレはおかしい、コレもおかしい」と指摘したところ、ママさんはちょっとシドロモドロになり、返答に窮したという。それでもA氏は勝ち誇った様に疑問を投げつけた。
と、その時であったという。


「お前は黙ってろ!」


彼らの50センチ頭上から、男の声でそう怒鳴るのがはっきり聞こえたという。だが、頭上には勿論、店の中にもその声の主と覚しき男は誰もいない。


(中略)


彼らは知人の霊能力者に霊視してもらい、その店には男性の霊がついており、彼らが聞いたのはその声だということでその件は「落着」したらしい。


しかし後日、それを聞いた私は、長年にわたる因果系宇宙観測で得た経験から、即座にそれは霊だの何だのという次元の話じゃないと直感した。そして何よりもA氏という人物に対して、じわじわとケツの穴から内臓をつたわってこみ上げて来るような怒りを覚えた。


湯浅学は「五月みどりの『一週間に十日来い』はあきらかにビートルズの『エイト・デイズ・ア・ウィーク』に影響を与えている。それは真理に時空は無関係であるというだけのことである」と書いている。だとすれば……。この際だからハッキリ言おう、その時「お前は黙ってろ!」と怒鳴ったのはこの「俺」だ、と。



どうだろうか?これほどふざけた話はそうはあるまい。しかし私はこの話が大好きである。
ここまで荒唐無稽なことを堂々と言えるのは素晴らしいことだ。
氏の語り口には小賢しいところが何もない。普通この手のいかがわしい話をするオカルト人間は相対論や量子力学を(滅茶苦茶に)使って自説の補強をしたがるものだ。だがそれは自分に自信がないことを表明しているに過ぎない。
しかし氏は違う。根拠を示すことも、相手を説得することも考えてなどいない。氏はただ断言するのみである。

『真理に時空は無関係である。その時怒鳴ったのは、俺だ』


私はたまに同僚にこの素晴らしい話を聞かせてみるのだが、返ってくる反応は「頭のカワイソウな人を見るような視線」ばかりである。
おもしろいと思うんだけどなぁ、、、

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