玄文講

日記

奥崎謙三氏の訃報

2005-06-28 20:26:56 | バカな話
「ゆきゆきて神軍」で有名な奥崎謙三氏がお亡くなりになったそうだ。

奥崎先生はパラノイアである。
しかも偉大なるパラノイアである。

天皇が世界の諸悪の根源と信じ、昭和天皇をパチンコで狙撃し、「天皇ポルノビラ」をまいたり、不動産屋を殺したり、拳銃を発砲したり、キリストを名乗ったりと大活躍した。

こう書くと、ただのキチガイの犯罪者じゃないか、とほとんどの人は思われることだろう。
あるサイトでも毎日新聞が氏の訃報で「奥崎さん」と書いてあるのを見て、「こんな人間をさん付けする新聞ってどういう精神してるんだ。これは単なる気違いだろうが。」なんて怒っていた。(しかし、よくも、まぁ、こんな些細な理由で怒れるものだ。訃報が載ったのは単に有名人だから。イデオロギー的な理由ではない。「さん」づけしているのは訃報だから。好き嫌いで訃報に「さん」をつけたり、つけなかったりする方が変である。怒るべきことは何もない)

しかし、違うのである。
氏はただのキチガイではない。
尋常ならざるキチガイなのである。
観察し、畏怖し、あざ笑い、敬愛するに値する偉大なるキチガイなのである。

誤解がないように言っておけば、私は天皇陛下に対する敬意を失ったことはない。
そんなこととは別にして、この常軌を逸したパラノイアの存在そのものが素晴らしいのである。

天災や災厄は、時として多くのことを私たちに教えてくれる。
大地震から地質学が進歩し、大不況や戦争は経済学に多くのことを教えてくれた。
同じようにこの大パラノイアは、貴重で有意義な存在であった。
先生には随分と楽しまさせてもらった。

この場を借りて奥崎謙三先生のご冥福を祈りたい。

(追記)
奥崎氏の著書の一つ「ヤマザキ天皇を撃て」は氏が天皇陛下を狙撃したときに叫んだ言葉をタイトルにしたものである。
何故ヤマザキ?問うことに意味のない問題もある。


(追記)
当然のことだが、根本敬氏のサイトに奥崎謙三先生へのコメントがのった。

「神様の傀儡」であり「神様の法律」に従い、そして人類史上最も「神様の愛い奴」として生き、そして逝った奥崎さんに冥福を祈るなぞという言葉は無礼この上ない。となればやはりこの言葉しかないだろう。
「奥崎大先生を永遠に尊敬しております!!」


どうやら私は無礼であるらしい。
それも、またよし。

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