乳頭温泉郷

2006-09-15 08:50:34 | Weblog
今日は昨日に続いて秋田の温泉談義である。後生掛温泉と玉川温泉の次は当然ながら乳頭温泉郷となる。乳頭温泉郷は去年も行ったので、たくさんある温泉の中でどれが良くてどれがダメか、は大体頭に入っている。あくまでも私の趣味であるが、ベストは黒湯温泉だ。ともかく雰囲気が良い。最高は木造の露天風呂である。爽やかに吹き渡る山の風の中にポツンとあって、すぐ側には例の「打たせ湯」もある。さらに良いのは湯の温度で、ややヌル目に設定してあっていつまでも入っていられる天国のような露天風呂なのだ。ただし、この露天風呂には巨大な欠陥がある。それは、この露天風呂が混浴であることだ。混浴を気にする人と気にしない人が居るだろうから一般論としては言えないけれども、私は甚だ気になる。私だって、風呂が大きくてプールのような造りならば混浴も別に気にはならないだろうが、黒湯のこの露天風呂は家族風呂を少し大きくしたようなサイズなのだ。男どうしだって5人も入ればむさ苦しい雰囲気だ。ましてや、相手がバアサンだったとしても女性では気が疲れる。うるさいギャルがどっと入ってでもきたら、たまらんから退散だ。ま、そういうことなんです。どういうわけか、去年はここに私一人で30分もゆっくり漬かったし、今年もジイサンが一人居るだけでまことにのんびり出来た。しかし、他人のブログなどを見ると、いつもそんな具合には行かないようですよ。芋の子を洗うように混む時は混むらしいのである。こうなると、宿の経営者が何を考えているのか疑う。これは怠慢ではないだろうか?一つの案だけれども、どうしても風呂桶を一つだけにするのであれば、男女で時間差にすればいいではないか。30分は男、30分は女、と分けさえすればどちらもゆったり風呂に漬かることができるではないか?どうしてそうしないのだろうか?いや、ほぼ同じような構造の露天風呂をもう一つ設定できればそれは最高だけれども、それを要求するのは酷である。

今年の冬雪崩にやられて浴室などを潰された鶴の湯はすっかり立ち直っていた。外から見る限りどこにも傷跡は残っていない。ただ私個人の趣味としては、この温泉はあまり好きになれないのだ。いかにも観光客様御用達、という感じがギラギラして何か落ち着かないのだ。風呂もあまり良くない。その日は露天風呂は掃除の日で利用できないということだったので持参したオニギリを食べて早々に退散した。改めて鶴の湯の全景を見ると、なるほど本館のすぐ側まですごい急傾斜の裏山が迫っている。これでは冬は危険なわけだと納得した。

あともう一つ私が好きな温泉は大釜温泉である。乳頭温泉郷の中では一番地味な感じなのだが風呂が良い。清潔なのだ。風情があっても不潔な温泉は嫌いだ。去年は大釜温泉で1時間も漬かったのだが、今年はそうは行かなかった。露天風呂の湯が熱いのだ。去年はこうではなかった。水でたえず薄めているのでタイミングのせいだろうと思う。もう一つ小さめの湯船があったので試してみると、これは逆に水に近い温度だった。しかし熱いのよりはましなのでこちらに入る。30分も漬かっていると次第に温まってきて、ウトウト居眠りしてしまった。大空の下で湯の中で居眠りするというこの上ない贅沢を味わうことができた。乳頭温泉なら大釜温泉、というわけだ。昔の小学校を改造した建物なんだそうです。

黒湯露天風呂


鶴の湯正面付近(後が雪崩の落ちた斜面)