二分法に呪われた世界

2006-09-09 08:28:59 | Weblog
ブッシュさんの評判がアメリカ本土であまり良くないようだ。テロ撃滅一点張りの強硬外交が広く疑問視されてきた結果らしい。11月には中間選挙があるけれども、ここでは民主党が善戦するのではないかと推定されているようだ。
ブッシュさんは先日のスピーチの中でアルカイダなどをヒトラー呼ばわりしたけれども、どうも発想が単調で貧困ではないか、という印象を受けた。
それにしても、ブッシュさん、および多くのアメリカ人は物事を二分法で片付けたがる。善か悪か、である。アルカイダはもちろんのこと、シーア派、ヒズボラあたりまでトータルにテロ組織と位置づけ、テロ組織であるからには悪である、悪であればそういう組織とはまともな交渉はしない、という三段論法(?)で切り捨ててあとは思考停止状態で戦闘手段に訴えたがる。
人間の信条のグレイゾーンを認めたがらない国が現実には超大国である、というのは極めて危険な状態だ。axis of evilなどという語をブッシュさんは頻発するけれども、相手方から見れば、正にアメリカこそがそれに該当する国に見えるのは必定だ。だから相手も簡単に武力に訴える。そういう構造になってしまった。
二分法は頭を使いたくない人にとっては有力な武器だ。しかし、もうそろそろ二分法のバカバカしさを認識すべきではないか。
面白いことに二分法をある組織(国家など)にぶっつけると、相手の国も二分法で応じる。二分法は増殖するのである。相手を殴れば相手も殴り返す、ということです。
世界は二分法に呪われている。いつ脱出できるのか。