前回に続いて〈戦争〉関連の本を読んでみました。今回は、人気作家の田口ランディさんが戦後60年を機に、ヒロシマとナガサキの「傷跡」をテーマにして作った連作小説。本書には、4つの短編小説が収録されています。
はじめの作品「永遠の火」は、結婚式のキャンドルサービスに父親から「原爆の火」を使えと言われた娘の心の葛藤を描いています。「時の川」は平和学習で学校から広島の平和記念資料館を訪れた中学生と被爆した語り部の女性との交流、「イワカガミ」は被爆女性が書いた1冊の本に魅了された女性作家の奮闘と心の成長、表題作「被爆のマリア」は、ナガサキの「被爆のマリア」を心の支えとしているフリーターの女性の内面心理などを描いています。
戦後60年を過ぎても日本人の心を重く揺さぶる現実、無原罪のマリア像が見つめる現代の「闇」に、「戦争」を知らない世代の作家が迫った渾身の異色作です。
はじめの作品「永遠の火」は、結婚式のキャンドルサービスに父親から「原爆の火」を使えと言われた娘の心の葛藤を描いています。「時の川」は平和学習で学校から広島の平和記念資料館を訪れた中学生と被爆した語り部の女性との交流、「イワカガミ」は被爆女性が書いた1冊の本に魅了された女性作家の奮闘と心の成長、表題作「被爆のマリア」は、ナガサキの「被爆のマリア」を心の支えとしているフリーターの女性の内面心理などを描いています。
戦後60年を過ぎても日本人の心を重く揺さぶる現実、無原罪のマリア像が見つめる現代の「闇」に、「戦争」を知らない世代の作家が迫った渾身の異色作です。