ある人が自転車の修理についてこんなことがあった、
というのがこのお話しのはじまりです。
子供の自転車がパンクしてしまいました。
当然、修理が必要です。自分ではやったこともなく、できません。
自転車屋さんに持っていってお願いすればいいのですが、
これ、うちの自転車じゃないね、買ったところにいけばいいんじゃないの、
と断られたそうです。
上の子のとき、その店で買った自転車が故障したときは、
笑顔で修理を引き受けてくれて、
ほかに傷んだところはないかチェックまでしてくれたのに。
あえて買ったお店でないところに持って行ったわけでなく、
使わなくなった自転車を知り合いからもらったものだったためで、
どこで買ったものかわからなったけど、
あの自転車屋さんならなんとかしてくれると思ったから、相談したのに。
もう、その自転車屋さんには行きたくありません。
悩んだあげく、ふと思いついて、
ショッピングセンターの自転車売場で相談しました。
すぐには直せませんが、3日ほどお預かりして修理できますよ。
へえ、ここでも直せるんだ。
うれしくなって、ふたつ返事でお願いしました。
3日後、修理が終わったと電話がかかってきました。
自転車を取りに行きました。
子供は喜んで乗っています。
ああ、街の店はダメになるはずだなあ。
ショッピングセンターは気楽だし、
今度から新しいものを買うときもそうしよう。
ガチャン。
子供が自転車に乗っていて止まりきれずぶつかってしまいました。
自転車のブレーキが甘くなっていて、
子供のチカラではかかりにくくなっていたようです。
ショッピングセンターの自転車売場では、
依頼したパンクを直すことができました。
でも、頼んでないことまでしてくれなくてあたりまえです。
自転車屋のおじさんのことが頭に浮かびました。
ああ、街の自転車屋さんなら、ブレーキもチェックしてくれてただろうな。
いま、どこの業種業態も、
コストや手間という現実と戦いながら、
お客様のためにできることにしのぎを削っています。
近いうちに、ショッピングセンターの自転車売場にパンク修理を頼むと
ほかもちゃんと点検してくれるようになるのではないでしょうか。
もう既にしてくれるているところもあるかもしれません。
自転車屋のおじさんは、お客様の相談を感情的にならずに
笑顔で受け止めることができるようになるでしょうか。
それとも、頑ななままなのでしょうか。
いまのお客様はどんな視点でお店を見て、そして選んでいるのでしょうか。
一度じっくり考えてみなくてはいけない大事なことだと思います。