カナダに滞在している香港の民主活動家の周庭(アグネス・チョウ)さんが
ユーチューブチャンネルに動画を投稿し、収監されていた香港の刑務所生活について語った。 香港で逃亡犯条例改正案に反対する未許可デモを組織するなどした罪で2020年に禁錮10カ月の実刑判決を受け、21年6月に刑期を終えて出所。昨年9月からカナダに留学し、事実上の亡命を宣言している。
動画は日中の字幕付きで、囚人服の洗濯や裁縫の作業に従事したことや、刑務所内の食事などについて紹介。「他の受刑者とおしゃべりして笑うこともあった。いじめられたことは一度もない」と明かした。
20年に施行された香港国家安全維持法(国安法)にも言及。警察の当局者が刑務所に面会にくる際には「国安法で逮捕か、起訴をしに来たんじゃないかと怖かった」とトラウマになった経験を語った。
また「たくさんのことを経験して、カメラの前で自分のことを話せる自由は当たり前のことじゃない」と話し、今後も動画の配信を続ける方針を示した。
日本人は自覚している人は少ないですが、自由は大変貴重なものです。
香港警察は29日、周氏の両親から事情を聴いた。警察はこれまでに、国家の安全に危害を加えたなどとして、海外在住の羅冠聡氏ら計13人を指名手配しているが、同時に親族ら関係者からも事情聴取している。
周氏は2020年8月に香港国家安全維持法(国安法)違反の容疑で逮捕され、保釈金など計20万香港ドル(約360万円)と引き換えに保釈。保釈条件として警察に定期的に出頭する義務もあり、今月28日が出頭日だった。
警察当局者は「処罰を恐れて逃亡する恥ずべき行為だ」と周氏を非難。「国家の安全に危害を加える犯罪は極めて重い」とし、「香港を離れることで刑事責任から逃れられると考えるべきではない。自首しない限り一生追跡され逮捕されるだろう」と警告した。