カナダに滞在している香港の民主活動家、周庭(アグネス・チョウ)氏(27)について、香港警察は6日、定期的な出頭に応じなかったとして、香港国家安全維持法(国安法)に違反した疑いで指名手配したと発表した。周氏は国安法の細則により、昨年12月末の出頭を求められていた。
香港警察はこの日の会見で、周氏が「自ら出頭しない限り、生涯にわたって追われる」としたうえで、「外国の反中勢力に庇護(ひご)を求めることは恥ずかしい」などと批判した。 周氏は2021年6月、未許可デモを組織するなどした罪での刑期を終え、釈放された。昨年12月3日にSNSの投稿で、留学先のカナダから香港に戻る考えがないことを明らかにした。理由として、警察から再出国のために望まぬことを強要される可能性があるという懸念を挙げた。 その後の朝日新聞のインタビューでは、「いま香港には、まだ多くの人が自由を求めるために収監されていて、逮捕されていて、苦しんでいます。引き続き、香港の民主化運動を応援していただければと思います」と語っていた。 警察はこれまでに、香港立法会(議会)の元民主派議員らで、旧宗主国の英国や、米豪に逃れた計13人を国安法違反の疑いで指名手配し、それぞれ100万香港ドル(約1900万円)の懸賞金を設けている。 また、昨年12月には指名手配された元民主派議員が滞在国で運営する有料サイトの閲読契約をしたとして、香港の男女4人を国安法の資金援助違反容疑で逮捕した。
中国政府と人権を重視する欧米との対立がさらに深まりそうですね。