会員制オフィスとして運営されることになった九段、暁星中前の旧山口邸素晴らしいの一言です。太平洋戦争を無事通過し、91年の歳月を刻んだ建物は「国の登録有形文化財」として、今後保存され続けるべきです。山口萬吉氏は貿易などで財を成し、わずか30歳で次世代に残す邸宅を築いた。映画でみた世界で最も高額な絵画、グスタフ・クリムトの「黄金のアデーレ」の返還といい、戦争は個人からも歴史、建築物、文化、芸術を奪い悲惨です。
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所有者の「先代の山口萬吉が築いた邸宅を次世代に遺したい」という想いを受けて2017年1月に開始。設計は竹中工務店、施工は東京理建が担当しています。
「旧山口萬吉邸」は、1927(昭和2)年に竣工した地下1階、地上3階の洋館です。延床面積は約850平方メートル。関東大震災後に設計され、耐震鉄筋コンクリート構造を採用し、建物内は当時流行したスパニッシュ風のデザインでまとめられています。2018年5月には国の登録有形文化財に認定。場所は東京メトロ東西線・半蔵門線、都営地下鉄新宿線の九段下駅から徒歩約5分のところです。
山口萬吉さんは、1897(明治30)年生まれで新潟県長岡出身の財界人。中国をはじめ海外からガラスなどの輸入品を仕入れ、東京や長岡などで販売して財を築いたそうです。
改修にあたって、間取りは変えていませんが、地下1階の物置やボイラー室はギャラリースペースやイベントスペースに。1階の洋室はライブラリースペース、3階の物置はオフィスや会議室、スタジオとなっています。また、2階には和室もあります。床のフローリングや壁などは当時のものを使用していますが、空調装置や水回りは現代のものに変えています。