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<米中貿易戦争>中国に対する対応が甘いとWTO無力さを際立たせている! 

2018-09-25 08:27:59 | 日記

世界貿易機関WTOが「機能不全」に陥っているようです。2001年に加入した中国が市場をゆがめる行為を繰り返してきたのに、これまでの対応は不十分だった。ここにきて米国が不満を爆発させています。中国の「技術移転の強要」や禁止されている補助金の支出問題などルール違反が横行しています。米国は独自に日本や欧州連合(EU)と共同で「対中国包囲網」を築こうとしており、事後処理が遅いWTOは岐路に立たされています。トヨタなどが未だに、技術供与を条件に広州市に年産20万台程度の新工場を建設する予定ですが時代に逆行しています。世界貿易の枠組みが急速に変わり、変化に対応できていない世界貿易機関は改革を求められています。

以下抜粋コピー

米中の貿易戦争が広がっていることは、紛争の行司役である世界貿易機関(WTO)の無力さを際立たせている。トランプ米政権は、WTOの中国に対する対応が甘いため、有効な通商ルールを確立できなかったと不満を募らせており、WTO離脱も辞さない姿勢だ。WTO改革への機運はあるものの、具体化への動きは鈍い。

 「米中の対立が終わるとは思えない。両国には多くの『弾薬』があり、対立は関税から貿易全体へと拡大していく可能性がある」。WTOのアゼベド事務局長は19日、ブラジル南東部リオデジャネイロで開かれたイベントで、無力感をにじませた。ロイター通信が伝えた。

 WTOの「機能不全」は今に始まったことではない。2001年に加入した中国が市場をゆがめる行為を繰り返してきたのに、対応は不十分だった。

 例えば中国が進出企業に求めている「技術移転の強要」だ。中国は自国市場への参入を認める代りに中国企業に対する補助金の支出問題も深刻だ。WTOは補助金を禁止、または事務局への通知を求めている。しかし、中国政府は「補助金を出しているのは地方政府なので把握していない」と放置。鉄鋼企業などに補助金を出し続け、世界的な「鉄余り」を生んだ。

 WTOには裁判形式で加盟国の紛争を仲裁する「紛争解決手続き」がある。米国は不公正な貿易慣行の是正を求めて中国を提訴しているが、米情報技術・イノベーション財団のステファン・エゼル副会長は「(証拠をそろえにくく)裁判で米国が勝てるかどうかはリスクがある」とみる。結論が出るまで数年かかるとの指摘もある。トランプ氏はWTOに不満を募らせ「WTO無視」に傾いている。

 日本や欧州連合(EU)は「対中国包囲網」という点では米国と利害が一致している。日米欧は25日、ニューヨークで貿易担当相会合を開催し、中国を念頭に、より厳格化したルールを適用するなどWTO改革を検討する予定だ。だが米国も、輸入制限や制裁関税などルール無視ともいえる措置を取っており、改革の方向性で一致できるかは分からない。りに、技術を教えるよう求めるケースが多い。WTOは移転強要を禁じているが、中国政府は規定を明文化せず、あくまで企業側の「自主的な協力」として行わせるため、規制できていない。

コメント (1)
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