採集生活

お菓子作り、ジャム作り、料理などについての記録

極上やわらか黒豆

2011-01-24 | +野菜系保存食
昨年(2010)年のお正月、お友達のサクマさんから、お母様作の秘伝の黒豆煮を頂きました。
まずは一粒、ぱっくし頂いてみると・・・
「ほよよよよ!!!こ、これは・・・!」
これまで食べたことのない、衝撃の柔らかさと上品さ!

まるで和菓子のようです。
蜜部分はうっすら琥珀色で透明で、如何にも黒豆、という黒さではないです。
液体を足して、寒天で寄せても美味しそう・・・(暑い時期に涼しげなデザートになりそうです)。

まさに衝撃の黒豆でした。
是非作り方を教わらなくては。

サクマさんに伺ってみると、これはサクマさんのお母様が、長年かけて研究を重ねて編み出した、究極のレシピなのだそうです。
サクマさんのメールをちょっと引用させて頂きますね。

母はそもそも料理にさほどの興味もないように見受けられるのですが、この黒豆と、栗の渋皮煮だけは、本当に毎年、「研鑽」という姿勢で臨んでいました。
インターネットも何もない昭和の時代に、 一人、台所で味見を繰り返し、毎年なにかしら改良していた。
黄ばんだ新聞の切り抜きだけを頼りに、 なにやら鉛筆でメモをしてみたり。
そんな姿を、思えば何年も何年も見続けていました。
すごいですよね~。
私も色々、下手の横好きであれこれ作り散らかしていますが、サクマさんのお母様のように研鑽し続けて、そして少しずつでも上達して行きたいものです。

どこぞの料理研究家のように、自信過剰「えっへんどうだ美味いか」みたいなタイプでは全然なくて、とっても控えめなお母様なので、レシピなんてそんな大層なものは、と一度は謙遜されてしまいましたが、そこをなんとか、と(サクマさんを通じて)お願いして、秘伝のレシピを書き記して頂きました。


すぐに記事にするつもりが、黒豆のいい写真が撮れなかったり行方不明になったりで、こんな時期になってしまいましたが、遅ればせながらご紹介します。
(本当は読んで下さっている方のおせち準備に間に合うように、12月中に書くつもりが、こんな中途半端な時期になってしまいすみません)

皆さん既に、「我が家の」黒豆レシピをお持ちだとは思いますが、ちょっと気分を変えたいときなどに、是非お試し下さい。
瓶詰めして脱気保存すれば1年くらい大丈夫です(7ヶ月まで実験済み)。


■■極上やわらか黒豆(サクマさんのお母様レシピ)
■材料
黒豆 600g(約5カップ強)
重曹 小さじ1強
蜜(ザラメ糖 5.5カップ 水6カップ)・・一煮立ちさせて人肌に冷ましておく

■作り方
(1) 黒豆を洗い、豆の3倍の水に重曹を加えて一晩つける。
(2)その水のまま強火にかけ沸騰してきたらとろ火にして、浮いてくるアクを丁寧に取る。
(3)吹きこぼれないように、ぐらぐら煮立たないように。
(4)豆が柔らかく、芯がなくなったら、和紙かオーブンペーパーにところどころ穴をあけたもので落としぶたをしてとろとろ煮詰めていく。
豆の柔らかさは親指と人差し指でつぶしてみて抵抗なくつぶれるくらい。又はタイルなどのかたい所に投げつけてピシャッとつぶれる状態を目安に。
(母が、壁に投げつける、というところで大受けしていました)
大体6時間から7時間くらいかかります。
(5)これでよしとなったら、鍋ごと人はだくらいになるまで待つ。
(6)人肌くらいに冷めた豆をザルにあけ、やはり人はだくらいのお湯をかけながらよごれや重曹の気を取り除く。
(7)水気を切ったら豆の表面が乾かないうちに蜜につける。
(8)そのまま一晩おいて翌日もう一度火を入れる。
ゆっくりとろ火でかすかに煮立つまで。
こうすることで、冷蔵庫でなくとも5日~6日は大丈夫。
尚、残ったら再度火を入れても豆は固くならない。

「丁寧に根気よくやることだけがレシピです」と書いていらっしゃいますが、これは研鑽し続けた名人だからこそ言えることですよね。
初挑戦のときは、ドキドキ・ハラハラ、やはりおっかなびっくりでした(でもまあまあ成功☆)


我が家の黒豆は、母が結婚前に習ってきた「辻調」流のもの。
(青焼きで配られたレシピは、もはや白紙に近づいて古文書より判読が難しくなりつつあります)
洗った黒豆を、すっかり味付けした熱いシロップに直接浸してしまい、それを翌日にコトコト煮るというものです。シロップには醤油が結構沢山入り、割と塩味の効いた、コクのある味付けです。こちらも、つやのあるふっくらした黒豆になります。

それに比べてサクマ家流は、黒豆を柔らかくなるまで茹でて、そのあと塩分の入らないシロップで煮るというもの。
目から鱗の意外な煮方でしたが、考えてみたら栗の渋皮煮や花豆などの煮豆と同じ原理です。
豆のゆで汁を使わず、新しい蜜で煮ることで、スッキリした和菓子のような味になるのかもしれません。
蜜は透明ですっきりした味なので、そのまま飲める程なのです。コーヒーに入れるのもお勧めです。


皆さんのMy黒豆レシピはどんなものですか?


2009黒豆レシピ2009黒豆レシピ サクマさんのお母様直筆レシピ。
クリックすると拡大しますので、是非ご覧になって下さいね。

2010/03/27黒豆 レシピに従って初挑戦!
瓶詰めしてみました。

右から二つ目上段の瓶を見ると、シロップが意外に薄い色なのが分かるかと思います。
2010/03/27黒豆 豆を写そうと思ったのだけれど、ちょっとダメでした。
2010/12/29サクマ家流黒豆 器に移して撮り直し。
つやつやしてとてもふっくらしています。

(確かこれはカワバタさんの無農薬菜園栽培黒豆だったはず。ありがとうございました!)

 
2010年のお正月、頂いた黒豆はお手本としてちびちび大切に頂くつもりで、親戚が集まる新年会で「小さめの」鉢に出したら、開始早々おかわりコールが。
むむっ。
仕方がなく、2回目もよそることになり、思っていたよりも随分早く、食べ終わってしまったのでした・・・。


ところで、絶品の黒豆を作るためには仕方がないのですが、ちょっと勿体ないのが黒豆を下ゆでした液体。
重曹が入っているとはいえ、味見してみると、大豆の美味しい味がするのです。
それほど濁っている訳でもなく、何かに使えそう・・・。豆のゆで汁には栄養もあるというし・・・。

今度はこの液体でおこわでも炊いてみようかと思っています。
(アクが気になる場合は、一度煮立てて泡をとるなり、茶こしで漉すなりすれば大丈夫そうです)

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8 コメント

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つくってみます。 (姫ちゃんのリボン)
2011-01-25 10:35:50
ありがとうございました。
これをつくって、そのまま食べて
残りは黒豆のパウンドケーキを
つくりたいとおもいます。
お祝い事にぴったりのケーキです。
返信する
つくってみます。 (サクマ)
2011-01-25 19:11:22
うわぁ、わかりやすい!
これなら、私にも煮ることができるかな(いつか、そのうちに)?

……って、ムスメがこんなこっちゃ、いけませんね。
丁寧にご紹介いただき、恐縮です。
母も、大層喜ぶことと思います!
返信する
かるかんや浮島にも (●姫ちゃんのリボンさま~Fujika)
2011-01-27 17:05:17
黒豆パウンドケーキ、美味しそうですね!
あと、まだ試してはいないのですが、上手に干せば、デパ地下などで売っているうっすらお砂糖の浮いた黒豆甘納豆になるのでは、と思っています。
あと、かるかんや浮島に使ってもよさそうですよね。
首尾を教えて下さいね~。
返信する
添削希望 (●サクマさま~Fujika)
2011-01-27 17:07:28
お母様のレシピ、本当に分かり易くて大感謝です!
こんな感じのご紹介で、失礼はなかったかなあ・・。直しがありましたら教えて下さいね。
お母様にどうぞよろしくお伝え下さいませ。
返信する
浮島を忘れていました。 (姫ちゃんのリボン)
2011-01-27 23:03:19
浮島にもいいですね。
花豆や小豆で浮島
小男鹿(さおしか)を作りますが
黒豆でもいいかもしれません。
返信する
黒豆炊きました。 (姫ちゃんのリボン)
2011-01-30 21:59:26
明日の朝
火を入れてみます。
下ゆでした汁、本当にもったいないですね。
黒豆の色を少し黒くするため
少しまぜるのもありですか?
返信する
黒豆できあがりました。 (姫ちゃんのリボン)
2011-02-01 12:59:36
まずはそのまま食べました。
やさしい味です。
一口、二口・・・・
おいしいのですが「わたしの味」では
ないかな?
と思い、黒豆2カップ半(半分量)に対し
しょうゆ約小さじ1
塩ほんの少々で紙のおとしぶたをし
踊らない火加減で少し煮含めました。

半分量はそのままたべました。
半分量はマフインの分量でパウンドケーキを
つくりました。
黒豆の汁も加えました。
おいしかったです!


返信する
お返事遅くなりました! (●姫ちゃんのリボンさま~Fujika)
2011-02-01 17:16:34
おたおたしている間にお返事が遅くなりすみません!
小男鹿、初めて聞く名前でした!
調べてみるとヤマノイモが使われているようで、甘納豆を散らしたかるかんのようなものでしょうか。生地にも餡が混ぜてあるのかな。美味しそうですね☆
ゆで汁、どうしようか迷いますよね。
蜜に混ぜるというのも・・・・ありかな?
他にも、おからを炊く出汁に使うとか、色々使うとよさそうですよね。

お醤油・お塩少々入りのMYレシピが出来上がってよかったですね!オリジナルの作者もきっと喜んで下さるのでは、と思います。
パウンドケーキも美味しそうですね。断面がきっと(小男鹿に似て)可愛い水玉模様なのでしょうね☆
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