1月中旬の鳥取滞在、2泊目の夕食は、「はせ川」というお店に伺いました。
ここは初めてのところ。
ダンナサマが独身時代7年ほど鳥取に住んでいたのですが、その頃よくお世話になっていた何件ものお店は、もうすべてが閉店。
ダンナサマが定年の年頃なので、当時のお店の大将達も、それより年上ということになります。
リタイヤされて当然といえば当然です。
(とはいえダンナサマはさみしそう)
なじみのお店がないならばこれから作ろう!、という訳で、今回、以前住んでいたマンションのそばのお店をダンナサマがチョイス
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「はせ川」というお店。 (記事を書いてる今気づいたのですが、大将は長谷川さんじゃないんだ・・) 独立してお店を出されて24年(うろ覚え25年だったかも)とのこと。
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ビルの一階にあります。 開店していない朝の様子なので暗くなっていますが、この廊下を入ってすぐ右側がお店です。
席のみ予約して行ったのですが、予約しといてよかった! 6時の開店と同時に入ったのですが、すぐに続々とお客さんが。 カウンター8席くらいとあと小上がりくらいの小さめのお店のようですが、ほぼ満席になってきました。 コロナの懸念がある時期でしたが、常連さんが多数いる人気店は影響少ないようですね。
県外から来た初来店のお客さんだということで、特に注文はしなかったのですが、いろいろとお料理を出して頂けました。 (言ったのは、お造りと、モサエビ、くらい) ダンナサマによると、鳥取のこなれたお店は、だいたいこんな感じのようです。
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前菜盛り合わせ。 手のかかったものが少しずつ何種類も☆ (ダンナサマはこういうのが大好き) タケノコ木の芽和え、小鉢に入った南蛮漬け、蕗、クワイ薄切りの揚げたもの、空豆、そして右手前に見える、円筒形のものは、「黄身寿司」。 黄身寿司って初めて知ったお料理です。 山芋を蒸したものと卵黄を裏ごして甘酢で味付け、表面はきゅうりとサーモンで手綱状に飾り付けてあります。 仕事が細かい! とってもお話し上手の大将で、 「黄身寿司は、すっごい手間かかるのでほんまは作りたくないんですよ」と言いつつ、 「お客さんにキレイなもんお出しして喜んでもらいたいですし」と。
どれもとてもいいお味でしたが、南蛮漬けが、ちょうどいい酸味で、酸っぱい味が好きな私にはヒットでした。
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お造りは、アオリイカとマグロ。 鳥取はイカが美味しいんだよねーとダンナサマ。
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おまけみたいに出して下さったのが、お造りに使ったアオリイカのエンペラやゲソで作ったというキムチ。 お刺身にする部分とはまた違ったコリコリ感がとてもよかったです。
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鳥取にきたら是非食べたいと思っているモサエビ。 殻ごと焼いて殻ごと食べるのが一番だと思いますが、この日は殻を剥いた天ぷらで出して下さいました。 殻を剥いてしまうと食感はほわほわ☆ これもまた乙な味です。
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ノドグロの焼き物。 三枚おろしになっているので、とっても食べやすく、身のしっとり感を存分に堪能できます。 レンコンは、直径4-5cmの小ささ。お花型にしてあって、さすがプロの仕事・・・。
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鱈白子の湯葉包み揚げ。 「中熱いですよ」との注意通り、トロリとして熱々! わざわざ湯葉で包んで、手間がかかっていますよね。
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サワラの西京焼き。 ぎんなんは揚げたあと、わざわざ松葉で刺してあります。 市販の西京焼きって、味が濃くなりすぎていて魚の味があまりしない程ですが、これは丁度良い味付けでした。 「デパ地下の西京焼きの名店のを前に買ってみたけど、全然うまくないですわ」と大将。 その批評に納得の味です。
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ごはんものということで、熟成ブリのお寿司。 熟成させたブリとのことですが、サックリした歯ごたえもあり、かつ旨みも濃くて、美味でした。
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デザートは、鳥取産いちごの「とっておき」。 大将のご親戚がいちご農家とのことで、格安で仕入れられるけれど、普通なら高くて出せない値段、とのこと。 すごく大粒でいちごらしい味がちゃんとして、美味しいいちごでした。 翌日小さな農産物直売所に行ってみましたが、高級いちごはそういうところには出回らないみたい。
お皿の鶴亀もかわいいです☆
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お伺いしたのは1月中旬でした。
丁度、阪神大震災(1995.1.17)から27年、というニュースが流れていた頃でした。
この大将、その時、神戸の学校(辻調?)で勉強中だったのだそうです。
若かったということもあり、救援活動もされて、瓦礫の中から亡くなった方を運び出したりも沢山されたそうです。
「早朝のことで、お布団に入ったまま圧死してしまったので、ご遺体はきれいなままでしたね・・・」と。
で、アドバイスも。
「緊急時に持ち出すものは、防災グッズとかじゃなくて、まずは現金!」
ですって。
何か買うにもすぐにお金が必要だし、避難している間に留守宅に空き巣が入ったりもするし、と。
経験者の語ることは感慨深いものがあります。
とてもお話し上手で、ほかにも、ホテルモーリスのこととか、ダンナサマの元上司がお客さんでいらしてたとか、独立される前の「花のれん」のこととかいろいろ伺って、一夜にして鳥取の情報通になってしまった気がします。
こちらのお会計は、前日の「さか田」の半分くらいというお手頃価格。
(カウンターで隣になった方(鳥取の人)も「ええ、そんなお値段でいいんですか」と。)
地元の素材を無駄なく生かして、でも手間暇は惜しまずに、とても有り難いお店だと思いました。
是非またお伺いしたいな~。
お正月にはおせちもやっていらっしゃるそうです。(常連さん専用かなと思いますが)
(で、その分年始はゆっくり休まれるとか)
ここの大将のおせちなら、目にも綺麗で美味しいだろうなーと思いました。
どっかに画像、ないかな。