サツマイモの貯蔵について、興味深いページがありました。(こちら)
業務用の文書だと思われますが、家庭菜園をする場合にも参考になることがいくつも書いてあります。
リンクが切れてしまう可能性もあるので、要点をまとめておきます。
■収穫時の注意
・前作がキャベツだと貯蔵性が低下する。
・病気(黒色斑点の潰瘍病)の芋が出た畑のものは貯蔵しない。
・収穫直後のサツマイモは呼吸量が多いので、1~2日休ませる。
・収穫時および搬送中に過度の衝撃があると貯蔵性を低下させる。
・降霜後収穫したサツマイモは貯蔵しない。
(つまり、霜が降りる前に収穫し、優しく扱った方がよいということですね)
■キュアリング
・サツマイモの傷を癒し、腐敗の進行を防止するためのもの。この処理により傷口の
コルク層形成が早まるが、病原菌は死滅しない。
・高温(31-33度)、高湿度(100%)条件下に7日間おく。この後12-24時間以内に13度前後まで放熱する。
・病原菌に汚染された芋の場合、腐敗が促進される場合がある。
・果皮色の低下を伴う(青果用サツマイモはキュアリングしない場合がある)
(やってみたいけれど、湿度100%を7日間、どうやって維持するのだろうか。お芋が濡れた状態だと腐りそうだし・・)
■高温処理
・特定の病原菌を死滅させ、かつコルク層を促進するために行う。
・温度40度、湿度100%で1.5日間処理し、このあと室温まで冷ました後貯蔵する。
・この処理により黒斑病、潰瘍病菌は死滅、生菌数は約1/2に減少し、傷口にはコルク層が2~3層形成される。
・品種によっては高温による内部黒変が発生する場合もある。
■貯蔵温度
・13度が貯蔵適温といわれているが、厳密には品種によって異なる。
・貯蔵性のない品種(コガネセンガン、シロユタカ、ベニアズマ、ベニハヤト)は15度付近。
・貯蔵性のある品種(高系14号、サツマヒカリ、シロサツマ)は13度。
・10度以下の低温では低温障害が発生し、活力が弱まった組織は軟腐病の発生源となる。
・低温に強いのは干し芋原料のタマユタカ。低温にあうことで、澱粉から糖への変換が促進される。
■湿度
・貯蔵温度が適正であれば、湿度100%が望ましい。文献によると85-90%。
・乾燥しているとサツマイモの先端部がしなびて、これが進行すると組織の活力がなくなり病原菌の侵入を受ける。
■ガス組成
・サツマイモ周辺のガス組成も貯蔵性に大きな影響がある。
・サツマイモは収穫後も呼吸しており、酸素を吸収して二酸化炭素を排出する。この二酸化炭素濃度が3%以上にならないようにする。
・酸素濃度3-5%、二酸化炭素濃度が0%に近い条件下だと、通常大気中貯蔵より品質が良好となる。
・サツマイモの品質劣化には、低酸素より高炭酸ガスの影響が大きい。
(つまり、ビニール袋などで密閉して保存してはダメ、ということ。母は、温度を安定させようと発泡スチロールの箱に入れたことがあったようですが、失敗だったとか。恐らく段ボールより密閉力があるので、二酸化炭素濃度が上がってしまったためではないかな)
というわけで、私の場合は、乾燥を防ぐため1個1個新聞紙に包み、段ボールに入れて、一番寒い部屋に置いています。南側の部屋だと、いまのところ20度くらいになるので。
もっと寒くなったら、やや温かい部屋に移そうかと思っています(温湿度計が欲しい・・・)。
長年サツマイモの保存に苦労してきた母によると、段ボール箱を二重にすると、温度が安定するせいか保存性がいいようだ、とのことです。
--------------
今年植えたサツマイモの記録です。
よかったら全品種のリストもご覧下さい。
九州121号という品種を10本買って一畝に植えました。苗は上山種苗で購入。
やや遅めに届いたため、霜にはあわずに済みました。
九州121号は次のような特徴だそうです。
赤紅色の外皮と淡黄色の肉。芋の形状は短紡錘型。やや小さめ芋がたくさんつくので植え付け後、150日を目安に収穫する。貯蔵して年越した芋は粘質で甘い。
----
蒸し芋にして冷えても硬くなりにくい。 蒸し芋や焼芋にした時の肉食が黄色で、調理後黒く変わることが少ない。
芋の大きさはやや小ぶりだが、形や大きさの揃いが良好(女性には食べやすい量)
収量性は高系14号並みで、1株当り芋個数が多い。
掘取り後2~3ヶ月貯蔵して甘みを増加させる必要がある。
12月頃に本当に甘くなっているか楽しみにしているところです。
色が変わりにくいということは、(パンなんかに焼き込んだりする)サツマイモの蜜煮とかに向いているかも。
でも、パン作りはハードルが高いのでした・・・。
九州121号の味ですが、蒸かして食べたのですが、しっとり系かな?
蒸かし芋の肉色は、少しくすんだ色になりました。
巨大芋、さっさと消費したほうがいいのですが、一度でどうやって使い切ろうと思い悩んでまだ包丁を入れられずにいます。
大学芋、レモン煮、天ぷら、などなど、料理法は思いつくのだけれど、そんなにお芋料理ばかりあっても、ダンナサマは食べてくれなさそう・・・。
ダンナサマの許容芋料理はとてもナローバンドで、天ぷらか大学芋、くらいかなあ。
お味噌汁や豚汁にサツマイモは、ダメなんだそうです。
私は、子供の頃母が豚汁を作ったとき、サツマイモが入っているとヤッター!って思ったのにな・・・。