採集生活

お菓子作り、ジャム作り、料理などについての記録

もなかフロランタン

2009-05-20 | +お菓子(西洋)

和菓子屋さんに、手作り最中セット、みたいな名前のものがありますよね。
既製品の最中に比べ、自分で作るものは皮のサクサク感が違って断然おいしいのよ、という話をお友達から聞きました。
「皮だけ買おうかな~」と。

え?小売りしてくれるところがあるの?
私は、最中は別にあんこが挟まっていてもいいかなーと思うけれど、皮だけ買えるのならば、洋菓子に使ってみたいものだと思っていたのです。

そのお友達が、一般人でも最中の皮だけ買えるところを教えて下さいました。
(marinoさんありがとうございます~☆)
ネットってすごいなあ。何だか便利な世の中になったものですよね☆

最中の皮を扱うお店は、一般的に「種屋」というそうです。
最中の皮も、正しくは「最中種」と呼ぶとか。
そういえば、以前電話帳にある製菓材料店全部に電話をかけてバターを探したとき、「うちは最中の皮の店なんですよ」と言われたことがありました。
今調べ直してみると、「種卯」という名前の店があります。これがきっと最中皮屋さんだったのだわ。

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最中の皮って何から出来ているかご存知ですか?
私は、特に根拠もなく、小麦粉のグルテンか何かかなーと思っていました。

実際は、もち米。

作り方は次のような感じ。
もち米に吸水させる → 脱水 → 胴突製粉機で製粉(挽臼での製粉ではダメだとか。理由は不明) → 適当な水分とともに蒸す → 搗いて餅にする → 2~3mmもしくは3~5mm厚さにのばす → パスタマシンのような要領で、数㎝幅の長い帯状にする(写真をみるとこの時点でパスタ生地のよう。手にはくっつかない感じ) → 型のサイズに合わせて短冊状に切り分ける → 型に入れて焼く
(加賀種のHPに写真入りで作り方があります)

写真を見ると大体様子が理解出来ますが、型に入れて焼く、というところが謎だな。
お餅って、焼くとオーブントースターの網にくっついてしまったりしますよね。
型は何か特殊な表面加工をしているのだろうか。いや、でも昔(江戸中期だとか)からあるお菓子だし、テフロン加工はその頃なかったはず。
とすると、温度とか焼成時間に技があるのかなあ。見てみたいものだわ。


■最中の皮情報
丸井商店(東京都中野区)
 にゃんこの肉球、カエルの顔、にゃんこの顔、鯛など、可愛い型が多いです。
 お徳用袋(各種取り混ぜ)、30組以上で630円はかなりお値打ちかも。
 その他セット売り、ばら売りなど選択肢多数あります。

種久商店(長野県長野市)
 くり、松の実、くるみ、鯛焼き、など6種類がネットで購入出来ます。
 それぞれ何組かずつセットになっています。
 例えば栗のかたちは、10組で240円。
 既製型最中種一覧を見ると野沢菜なんていうものもあり、地域性を感じます。
 作り方のページもあり、胴突製粉の様子が動画で見られます。

加賀種(石川県金沢市)
 基本的には専門店向けですが、一般用に最中種1種類、手作り最中キット(あんとセット)なども販売しています。 
 丸くて浅いアイスクリーム用の皮10組420円(通常の最中用とは配合が違い乳分・油脂分を加えているそうです)。
 ただ、こちらのホームページは情報が豊富で見る価値は大です。
 既製型一覧の「変形」を見ると、とても複雑な形があってびっくりします。
 帆立貝はまあ分かるにしても、サザエなんてものも。
 種物図書館には材料や製造工程など非常に沢山の情報があり、勉強になります。
 一般向けQ&Aページもあって、とても親切なHPだと思いました。
 「ふやき」という軽いおせんべい状のお菓子も、「麩」(グルテン)ではなくもち米製だったと、このQ&Aで知りました。目から鱗がぽろりん。


さてさて、色々HPを見て気分も盛り上がったことだし、試しに買ってみるかな☆

可愛い型の多い丸井商店に注文することにしました。お任せ詰め合わせセットは2種類あります。
 お徳用セット:約30組630円
 皮だけバラエティセット:90組3150円

この単価の違いは何故?
一応問い合わせてみたところ、お徳用は実際価格的に大サービスのセットです、と。
でもまあ、多分小さめの型が多いのだろうな、と思っていたら、思ったより大きな皮ばかりで驚きました。

2009/5/4モナカアイス
こんな可愛い鯛のかたちとか


他にも肉球やネコの顔、カエルなど、わくわくする楽しい形がありました。
(写真撮り忘れ。良かったらお店のHPを見て下さいね)

チョコでコーティングされたPINOアイスや、ハーゲンダッツのバニラを挟んで最中アイスにして食べてみました。
市販の最中アイスより、皮のサクサク感が楽しめます。
アイスクリームを直接挟む方が、アイスの柔らかさと皮のサクサク感を同時に楽しめるかなー。PINOだと、皮と中身がちょっとバラバラな感じ。でも止まらない美味さだけど。


でもでも、やってみたかったのはアイスサンドでなくて、焼き菓子。
市販のお菓子で、「アーモンドリーフ」というのがありますよね。葉っぱ型の浅い最中の皮に、カラメルで固めたアーモンドスライスが詰めてあるものです。
あれを作ってみたかったのだ。

カラメル部分はフロランタンが参考になるはず、とMyレシピファイルを探したけれど、どうやらこれまでフロランタンには興味がなかったようで、2つしか出てきません。
ひとまず片方のやり方で挑戦してみました。

■■もなかフロランタン
(出典の本が何かわからなくなってしまいました。)
■材料
砂糖 50g
水飴  大さじ1
はちみつ 大さじ1
無塩バター 20g
生クリーム 50cc
スライスアーモンド 50~80g

■作り方
(1)アーモンドスライスは軽く色づく程度までローストし、温かい状態を保っておく。
このあとの工程ではあまりアーモンドに色がつかないので、この段階で香ばしく焼いておいてもいい気がします。
(2)鍋にアーモンド以外の材料を全て入れ、強火にかける。溶けたらアーモンドスライスを入れ、薄茶色になるまで煮詰める。
茶色い砂糖を使うと、煮詰まっているのかどうか分かり難いです。
味見する際は絶対に直接口に運ばないように。カラメルはとっても熱いのでやけどします。
(3)もなかの皮に少しずつ詰める。
(4)200度のオーブンで5~10分、カラメルが溶けてぐつぐつ煮える程度まで焼く。
あまり長時間焼くとモナカの皮が色づきそうでした。
それもいいのかな。


皮が既にあると、計量さえすればほとんどあっという間に作れるということが分かりました。しかも使う道具も鍋ひとつです。こんなに手軽とは意外だわ。
夜中に着手して、割とすぐ出来上がり。
音も静かな作業で、片付けも簡単(カラメルがこびりついた鍋はどちらにしろ一晩水に漬けておくしかないですし)。


こんなんが出来上がりました。

2009/4/25作もなかフロランタン
2009/4/25作 もなかフロランタン


サクサクの最中皮とぱりっとしたカラメルの組み合わせが好みなのです。
アーモンドをもう少々香ばしく焼いておくともっといいかも。もしくは最後の焼成時間をもっと伸ばすのかな。

ビターなカラメルにしようと(舌をやけどしつつ味見して)よく焦がしたので、市販品とはひと味違う出来映え。
でもかなり似てるともいえる。

ということは、作る価値ないってこと? むむ。


2009/5/25市販品アーモンドリーフ
こちらが市販品



小さい最中種に、溶かしたチョコレートとナッツ、ドライフルーツを詰めてみようと思ったけれど、どれもチョコを詰めるには大きい(深い)気がして、どうしようかと悩んでいる間に、ついそのままつまんでなくなってしまったのでした。


最中種、また買って、色々試してみたい素材でした。

コメント (2)
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