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Re:SALOON & VBA

しばらくは、過去BBSの倉庫、および
作成した EXCEL VBA の置き場(公開)として

林の中に

2005年11月19日 00時17分24秒 | 詩(塚原将)
空につなぎとめられた太陽に 伸び上がるように咲く山つつじを 美しく思うには わたしの心は疲れすぎていて 逃れるように 林の奥深く続く路を 足早やに分け入って うっすらともれてくる陽のなかに 地面をみつめて咲く 一群の花に出逢った 花のそばに腰を下ろすと か細い香りが わたしの心の一番疲れた部分から しっとりと満ちはじめ 何時か ささえきれずに倒れこんだ わたしの瞳のなかに 花の回る音が . . . Read more

歳月のなかに

2005年11月16日 22時33分33秒 | 詩(塚原将)
わたしの心は いつも深い雪に埋もれていて わたしは ラッセル車を通すこともしないし 季節の移ることさえ拒んでいる 雪がとけた後の 荒れ果てた草原をみるのも嫌だし ましてや 細い指が落していった いちまいの桜貝を探しだす時間は もうわたしには残されていないのだ 塚原将『消せない時間』より . . . Read more

遠い冬

2005年11月15日 22時51分18秒 | 詩(塚原将)
心細い花が 昼をさかさまにうつしている 実の熟するのはもっと遠い冬のようだ 意味もない秋のなかに こわれた古い風車を握りしめて ひとつの微笑を忘れるのは それより遠い冬だろう 塚原将『消せない時間』より . . . Read more

雪模様の日に

2005年11月14日 23時39分38秒 | 詩(塚原将)
雪模様の海に ひらぺったい哀しみはよく似合った 触れるには遠すぎて 忘れるには近すぎて 慣れてしまった想い起こしは ただ漂うだけにすぎなくなっていた 一台のとても古い型の電車が わたしの背後のつめたさを増した砂丘を 通りすぎていって 窓にみえたのは はちきれそうにまっ青な 一日だった 塚原将『消せない時間』より . . . Read more

秋の夕暮れ

2005年11月13日 00時05分41秒 | 詩(塚原将)
張りつめることもなく 淋しい音をたてて弦が切れると ひとつ梢に残った柿のような色をして 太陽はころげおちた うす赤い時間は 素早く折りたたまれてしまって 空は 最も哀しい伝説を秘めた 湖を抱きしめている 塚原将『消せない時間』より . . . Read more

初夏の雨

2005年11月11日 06時44分58秒 | 詩(塚原将)
傘をつぼめる 歯切れの良い音をたてて 梢を通ってくる雨を防げるのは 勿体なさすぎる 雨は遠くまで降っていて 並木はよじれることもなく 少しずつ煙っていく わたしはつぼめた傘の柄を肩にあて 静かに発砲する 並木をつきぬけた 遥か遠いところで 浅黄色に弾んで 燃えあがったもの 塚原将『消せない時間』より . . . Read more

切符

2005年11月07日 00時05分12秒 | 詩(塚原将)
ポケットの中に 思いきり放りこんで そのくせ諦めることの出来なかった 二枚の使わなかった切符 いまは机のいちばん奥深く あたかも仕方なくというように ていねいに 折り目ひとつないことが 遠い時間の 枯れ散ることを拒んでいるのに 塚原将『消せない時間』より . . . Read more

小鳥の目

2005年11月06日 00時19分28秒 | 詩(塚原将)
意識よりも速く 視線が追ってしまうので まぶしい光の継ぎ目に 凍てついた小鳥の目をみる あれはわたしの家で飼っていて 一寸した怠け心から とうの昔に死なせてしまった小鳥の目だ 羽は風の中にとび散って 骨は雨の中に砕け散って 目だけが わたしの前に残っていて 飽きもせずにその日を語り続け わたしが 流れ去った月日を彩色しようとすると こわれかけたおしゃぶりのような音をたてて 目をしばたたかせ . . . Read more