035:株(春畑 茜) (アールグレイ日和)
株主の去りたるのちを椅子たたむ音春の音ひびく日の暮れ
035:株(野良ゆうき) (野良犬的)
ケータイで株価をチェックする君のとなりで海をみていた九月
035:株(新野みどり) (明日は明日の風が吹く)
私には関係ないと思ってた株価を君は真剣に見る
035:株(小原英滋) (過去と現実)
生きること死ぬこと想う夕まぐれ我 . . . Read more
034:シャンプー(みゆ) (*** ことばあそび ***)
恋心 並んだ時の身長差 思い描いて選んだシャンプー
034:シャンプー(秋野道子) (気まぐれ通信)
シャンプーの終わったあとの濡れ猫はあっけらかんと痩せ細ってる
034:シャンプー(濱屋桔梗) (桔梗の独白)
吊るし売るシャンプーハットに蘇る父と入りし団地の風呂場
「題詠100首blog」より選(敬称略) . . . Read more
033:鍵(まつしま) (心の空)
鍵穴の金属音に凍りつく寂しさがある気ままな暮らし
033:鍵(暮夜 宴) (青い蝶)
まだ何もわかっていない夕暮れにぽつんと鍵は置かれています
033:鍵(鈴雨) (鈴雨日記)
ドアを閉め鍵を返すということのせつなさを越え春を踏み出す
033:鍵(みずすまし) (水紋)
鍵かけて開かぬ思いの知りたきは君が心の暗証番号
033:鍵(田崎うに . . . Read more
029:草(まつしま) (心の空)
ごめんねと草にわびつつ草むしり強さに嫉妬した日もあるが
029:草(ワンコ山田) (歩道を走る自転車のこども)
ランドセル投げてあずけたれんげ草あっちゃんの帽子どこに隠した
029:草(ざぼん) (グレイト・エスケイプ!)
草の香の風に膨らむスカートを押さえて走れ!夏の果てまで
「題詠100首blog」より選(敬称略) . . . Read more
030:政治(船坂圭之介) (kei's anex room)
わがことにあらずと視線ふと外す脂ぎりたる政治屋の顔
030:政治(畠山拓郎) (想いまっすぐに)
政治的配慮はどこにでも在るよ人が集えば思惑交差
030:政治(本原隆) (それについて)
飛び乗った走る電車の食堂で詰め込むように政治済ませる
030:政治(島田久輔) (裏庭のきりぎりす)
小遣いの額をめぐって論争に、難しいものだ . . . Read more
027:嘘(船坂圭之介) (kei's anex room)
来たる世に逢はむと誓ふ心根を嘘と知りつつ涙流しき
027:嘘(はこべ) (梅の咲くころから)
嘘と知り気づかぬふりのその人の 横顔やさし初冬の午後に
027:嘘(しゃっくり) (春雨じゃ)
臨終の父に嘘つき誉められしみかんの苗は植え終わったと
027:嘘(川内青泉) (青泉の部屋)
退院を願っているのみその一心で体の . . . Read more
025:とんぼ(暮夜 宴) (青い蝶)
手を繋ぐことのないまま見上げてる茜の空のつがいのとんぼ
025:とんぼ(ドール) (花物語)
伝えたいことあるように側へ来て吾にとまった赤とんぼたち
025:とんぼ(原田 町) (カトレア日記)
きみのため一所懸命とってきた目玉と翅を失くせしとんぼ
025:とんぼ(新野みどり) (明日は明日の風が吹く)
幼い日「とんぼのめがね」を歌ってた . . . Read more
024:牛乳(草野つゆ) (草野つゆ@はてな)
風呂上がり腰に手を当て飲む牛乳 一気にグビグビ200cc
024:牛乳(花夢) (花夢)
とぷとぷとぷ牛乳をつぐ まっくらなよるにわたしがひろがってゆく
024:牛乳(田崎うに) (楽し気に落ちてゆく雪)
牛乳のヒゲ付け笑うくちもとに永久歯の芽正しくあれと
024:牛乳(方舟) (方舟)
捨てるべく牛乳搾る器具あてて牝牛は . . . Read more
023:結(行方祐美) (やまとことのは)
結び目はゆるくしましょうコーヒーの香ゆたかな朝の約束
023:結(かっぱ) (きゅーりをこのむ)
靴ひものちょうちょを上手く結えた日の飛んでくようなきみのあしどり
023:結(本原隆) (それについて)
駅裏で結んだままの約束も恥ずかしいのは青春と呼ぶ
023:結(スガユウコ) (ココロに花を)
独り身を貫くだろう今更に"結"ぶの文字に敏感となる
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013:クリーム (はこべ) (梅の咲くころから)
クリームとコーヒー揃え友を待つ午後のひととき外は雨です
013:クリーム (中村成志) (はいほー通信 短歌編)
古壁にクリームを塗るすべすべな母様の手になりますように
013:クリーム (かっぱ) (きゅーりをこのむ)
会心のクリームシチューが冷えてゆく君とわたしの無言のなかで
013:クリーム (水都 歩) (水都blog . . . Read more
012:噛(青野ことり) (こ と り の ( 目 ))
ストローを噛む癖までも恋という魔法のもとに光を放つ
012:噛(暮夜 宴) (青い蝶)
肝心なときになんにも言えなくて春のまなかでくちびるを噛む
012:噛(野良ゆうき) (野良犬的)
校庭の角で唇噛みしめる天下無敵の鉄棒少女
012:噛(佐田やよい) (言の波紋)
雨の午後行き場をなくす君と僕缶入りドロップ噛み砕く音 . . . Read more