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Re:SALOON & VBA

しばらくは、過去BBSの倉庫、および
作成した EXCEL VBA の置き場(公開)として

天気予報

2005年12月04日 09時21分32秒 | 詩(塚原将)
まっ白な紙に 詩を書こうとしたのは 午後から雨になるという 天気予報を ひとりきりの部屋で聞いたためだ それなのに わたしは詩のかわりに 一滴(ひとしずく)の雨を書き それよりも大きく あなたの顔を書いてしまった 塚原将『消せない時間』より . . . Read more

サボテン

2005年12月03日 20時35分34秒 | 詩(塚原将)
わたしがサボテンを好きなのは 夜の街に孤り 酒を飲むことが好きだからだ 目をとじたまま 風のなかにも揺れることもない表情は 緑の皮ふを持っているだけに 過去をひきずっている女(ひと)を思い起こさせるのだ それが棘の間から花を咲かせた時は そんな女がひと時のものと知りながら 愛に身をまかせる時の声を聞くのだ わたしは時折 棘に唇を寄せてみるのだが その感触は 触れ合うことの出来ない心の奥底に . . . Read more

終止符

2005年12月03日 02時52分34秒 | 詩(塚原将)
全てのひとびとを裏切って 全ての時間を裏切って 誰もいない砂浜に孤り 古い時代の酒を飲んで 飽きてきたら 海鳥を枕にねころんで 一言も言葉を交わさなかった 少女と語る夢をみて やがて潮が満ちて わたしは海の底から太陽をみつめて ブクブクと泡を吐いて 死んでゆく 全てのひとびとを裏切って それはなんと清々しい 終止符だろう 塚原将『消せない時間』より . . . Read more

胸中

2005年11月29日 23時30分46秒 | 詩(塚原将)
そう思うのならば わたしの胸に 刃を突き刺してもらおう わたしの胸の中に最早海は無い 汚れ切って重たいものが 腐臭を放って揺れているだけだ 言葉は時間を携えて沈殿してしまい 濁りを恐れるものは 白蝋化した太古の巻貝の中に手をついたまま 息絶えてしまった だから胸深く 突き刺さった刃の先が 青く光る魚の影に触れることが 奇跡的にあったとしたら わたしは満足して 両手を伸ばし切って仰向けに倒れる . . . Read more

ある会話

2005年11月29日 06時55分50秒 | 詩(塚原将)
ひとが泣いている わたしだ ひとが黙ってそれをみている わたしだ スポットライトのなかで 真夜中に朝がうつしだされて 枯れたつたの葉がゆれている窓が たったひとつの背景 一羽の鳥が赤い目をしばたたいて のぞきこんでいる 羽根をすこしばかりふるわせている 赤い目はわたしの目だ ヨシッと指をならして 泣いているわたしに近づく わたしを みあげる目に涙はなく 鳥にむかって笑いかけながら 合体が終わっ . . . Read more

同窓会

2005年11月25日 23時19分55秒 | 詩(塚原将)
あちらからひとり こちらからひとり 集まってきた仲間たち 数年の歳月を背負って ほんのわずかな緊張の後 目が握手しあって 心がいたずらっぽく微笑しあって 「やあ」と短い言葉 時を流れる河を 笹舟に乗った仲間たちが たあいないお喋りを積みこんで遡って 遠い湖にたどりついて 釣り糸をたれると 次々に釣り上げられる 緑色の魚たち 飽くこともなく 飽くこともなく 突然笹舟は走りはじめ 緑の魚達を水 . . . Read more

夢のなかに

2005年11月21日 22時08分38秒 | 詩(塚原将)
わたしのなかで 追いつめられたものが それでもまだ目を輝かせて 夢のなかにとびこもうとしている わたしがいつも 時を駆け抜けたい心を抱いて 遠い青春を 馬鹿馬鹿しいほど近くに感じるのは そのためだ 塚原将『消せない時間』より . . . Read more

ススキのなかに

2005年11月20日 23時57分50秒 | 詩(塚原将)
揺り籠のなかにおいてきてしまったものが ススキの穂のゆれるにまかせて 光っている ススキのなかにねころんでいると 想い出が 銀色の雨のむこうを一列に並んで 通りすぎていって 円く佇む山のあたりで 風にのってまい上がってゆく 取残された影が わたしを探し求めている足音が ススキの穂のゆれる音を 奇妙な明るさに彩っている 塚原将『消せない時間』より . . . Read more

白いままに

2005年11月19日 18時06分27秒 | 詩(塚原将)
清冽な風のなかに 死ななかったというこで 白いままに生きる時は失われた ひとけのない森でみた 花の染まりゆく過程は 氷塊のなかに浮遊して 意味もなく紙を刻んでいった 鋏の音は まるく型を変えてしまった 豊穣な孤独が わたしを満たしきってしまったので 透きとおった死は 笑いころげて位置を変え 蒼い影を引きずって遠く振りむいたところで 白いままに生きる時は甦ることもなく 偽悪者ぶった顔をし . . . Read more