心細い花が 昼をさかさまにうつしている 実の熟するのはもっと遠い冬のようだ 意味もない秋のなかに こわれた古い風車を握りしめて ひとつの微笑を忘れるのは それより遠い冬だろう 塚原将『消せない時間』より