Re:SALOON & VBA

初夏の雨

傘をつぼめる

歯切れの良い音をたてて
梢を通ってくる雨を防げるのは
勿体なさすぎる

雨は遠くまで降っていて
並木はよじれることもなく
少しずつ煙っていく

わたしはつぼめた傘の柄を肩にあて
静かに発砲する

並木をつきぬけた
遥か遠いところで
浅黄色に弾んで
燃えあがったもの


塚原将『消せない時間』より
名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

※ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「詩(塚原将)」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事