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Re:SALOON & VBA

しばらくは、過去BBSの倉庫、および
作成した EXCEL VBA の置き場(公開)として

真実

2005年02月12日 04時39分27秒 | 詩(塚原将)
目をとじると 浮かび上がるものがある── 目をあけると 消え去ってしまうものがある なんであるか わかりきっているのに 知らん顔して 半分目をとじて 微笑っている 塚原将「たったひとつの季節に』より . . . Read more

形成

2005年02月10日 02時51分48秒 | 詩(塚原将)
一番遠いところでいえば わたしとわたしのあいだだ ラクダにのって幾日わたっていったとしても 熱しきった砂の上に 月ははずんでしまって 沈むことのできない 風を失った 厖大なところなのだ 塚原将「たったひとつの季節に』より . . . Read more

山ぐみ

2005年02月08日 00時09分28秒 | 詩(塚原将)
友に山ぐみの枝をもらった 深閑とした山あいの路が 山ぐみの枝をつたって わたしの胸深く通じた 電車にゆられているあいだに いくつかの実がこぼれた 闇のなかを 淋しさがころがっていって わたしが本当に帰るべきところは 深い谷底に沈みこんだ 塚原将「たったひとつの季節に』より . . . Read more

つかむ

2005年02月07日 23時59分02秒 | 詩(塚原将)
掌でつかんだものは 真実でなくてはならない たとえそれが 何らの思考もなくつかんだものでも それは確かな真実で なくてはならない 掌のなかが ただまっくらな夜であったとしても それを疑うことは ささえきれないほどの 罪悪になる 塚原将「たったひとつの季節に』より . . . Read more

雨の朝

2005年02月05日 01時40分02秒 | 詩(塚原将)
小さな魚の抱く 哀しみを秘めて 雨が降っている ふくらみを失った影が 舗道深く倒立して 朝は 眠ったままで掌をひらいた 深く湾曲した街にそって 赤い傘をさしたひとりぼっちの女が 逃がしてしまった 小さな魚を 探しつづけてゆく 塚原将「たったひとつの季節に』より . . . Read more

孤影

2005年02月04日 01時28分45秒 | 詩(塚原将)
目を伏せて 自分の影深く 思考をおとすと 一輪の花をのぞいて すべてが急激に遠ざかった 花の上に 思考は眠りきった蝶のように 淡い色彩をおとして 流れてきた蝶のように 花は ひとかけらの重さも喪失して かすかにまわりながら 浮き上がった 塚原将「たったひとつの季節に』より . . . Read more

山村

2005年02月02日 23時40分45秒 | 詩(塚原将)
路をよぎった いたちがひきずってきた夜は つややかな肌さわりがして どこまでもどこまでも 際限なく森の深い茂みから流れでる 山鳩の声が眠ると 夜はたわわに実って 村は静寂を抱きしめて とっぷりと沈みこんだ 点在する家の灯は 掌の先にあるようにも 何光年も離れてあるようにも思えて わたしは途絶したものの上にいる わたしをつきぬけてとんでいった かなぶんぶんの軌跡が 縫い合わさって消えたのは 灯 . . . Read more

距離

2005年02月01日 07時06分41秒 | 詩(塚原将)
人気ない山あいの 小さな畑を 老夫婦が耕している 流れのふちに腰をおろして みつめていると 平和なのか不幸なのか 思考はおぼろげに 深刻ぶって 人口流出問題などを 蝶のように軽やかに 澄みきった流れのなかに 流れるままにうつったわたしの影は ビルの窓 塚原将「たったひとつの季節に』より . . . Read more

2005年01月31日 21時48分45秒 | 詩(塚原将)
風のむこうに 村は清々としている ひとりの女が 歩いてゆく 足音を影が深くすいこんでいて 静けさがゆっくりと移っていく 緑におおわれた畑を つらぬいて平らに光る川が 村をよけいに 清々とみせている 何の音もない村を この山の上から 一握りの時間のなかで リュックを肩に眺めているので 村はこのうえもなく 清々としている 塚原将「たったひとつの季節に』より . . . Read more

2005年01月25日 22時01分26秒 | 詩(塚原将)
夕暮れの光が沈んでゆく 暗い隙間をみせて流れる河に ひとり少年は石を投げつづける 投げつづける 投げつづける 心のなかにはねる しぶきが みえなくなり 心のなかが からっぽになるという 途方もない夢をみながら 投げつづける 投げつづける 塚原将「たったひとつの季節に』より . . . Read more