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ロシアの石油・天然ガス資源

2006-11-01 | ガス
最近サハリンI、サハリンIIに関わるニュースがいくつかありました。ロシアの石油、天然ガスに関する事項を忘備のため、まとめておきます。

ロシアの原油生産量はサウジについで世界第二位でシェアは12%である。1995年には6割まで生産が落ち込んだが、2000年以降年率8.5%の増加を見せ足元は1987年のピーク時に戻っている。

西シベリアが中心地域で、石油生産量、埋蔵量ともに約7割を占める。また超大型ガス田もこの地域にある。サハリンの開発は日本では関心が高いが、ロシア全体から見ると優先順位は低い。

ロシアの天然ガス埋蔵量は世界一で27%、イランが15%、カタールが14%と続く。天然ガスは石油以上に一握りの国に偏在している。世界の石油と天然ガスの消費量は3:2(重量比)であり、天然ガスも重要なエネルギー源である。

ガス会社ガスプロムはサウジ、アラムコやベネズエラのペドベサを押さえて世界第一の石油、天然ガス埋蔵量を有している。

ロシア原油の55%は直接輸出に、製品を合わせると石油の7割が輸出されている。またガスプロムのガスの25%は欧州市場に輸出され、これが売上げでは7割を占める。つまりロシア国内ガス価格は低く保たれている。これは冬の厳しいロシアでは暖房の主燃料である天然ガスの価格は極めて公共性が高いからである。

ガスプロムはロシア税収の4分の1を占める。ロシア政府がガスプロムへ一定の発言権を維持することは国家安全上極めて重要で、2006年に30%から51%まで株式保有を増やした。それはロスネフチ(石油会社、非上場で100%政府保有)との株式交換による。

ロスネフチはユコス事件で確認埋蔵量を11億バレルから150億バレルに増やした。今後はIPOが予定されている。

こうしてみるとロシアの石油、天然ガス資源は大量の埋蔵量であり、またロシア政府が直接関与していることが分かる。

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