化学系エンジニアの独り言

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家庭用燃料電池

2006-01-15 | 水素
ガス会社や石油会社から家庭用燃料電池システムの販売が始まり、国の補助金を受けて実証試験が始まっている。課題は耐久性と価格と言われている。

東京ガス 都市ガス 10万円
新日石  LPG    6万円
新日石  灯油   6万円
価格は年間契約価格で、メンテナンス費用として消費者が支払う金額である。これ以外に、使用燃料費が消費者の出費となるが、トータルとして今支払っている電気代とガス代(あるいは灯油代)の合計値と同じになるように、ガス会社や石油会社は特別料金設定をしているようである。使う側の立場にたてば、今と同じ料金である。ただし、コジェネ機器を利用するのでCO2発生量というか、燃料使用そのものは削減できるということになる。

メンテナンス費用とはリース代金のようなものだが、現状では燃料電池1台は数百万円から1000万円くらいする。各メーカーは設置(販売)に当たって、国の補助金を一台辺り400万円受ける。それでも各メーカーは持ち出しになるが、機器の普及や実際に使用するデータ取得のための費用(開発費の一種)として考えている。

新聞発表では、都市ガス用の耐用年数が3年、LPGや灯油用は1年といっている。これは1年で燃料電池が壊れるのではなくて、改質や脱硫に使っている触媒を交換する期間と思われる。あるいは、燃料電池のスタックそのものの寿命なのかもしれない。いずれにせよ、消費者から見ればリース品なので、そのタイミングで部品の一部を交換したり、あるいは機器そのものをもっとバージョンアップされたものに交換してもらえることになり、特段の不都合は生じない仕組みである。

こうやって実際の使用を通じて性能の検証と不具合の微調整を続けていくこととなるのでしょう。一方の、コストについては大量に普及したときの量産効果を考慮してもまだまだ目標に到達するには時間がかかりそうである。