沖縄での一人暮らし

延べ8年間、沖縄で一人暮らしをしました。歴史・自然・文化を伝えます。

首里城 全面開園ー平成に始まり平成に終わる

2019-02-11 | 琉球・首里城


1月に御内原(おうちばら)エリアが完成し、全面開園した首里城に行って来ました。
正殿も塗り直して、見事な色彩に仕上がっています。
塗り直す際は、古文書で琉球王国時代の記録を元に、材料や塗り方を専門家と漆職人さんと一緒に検討しているそうです。

御内原エリアの中心施設の世誇殿(よほこりでん)です。王子が国王に即位した儀式が行われた建物だそうです。
御内原は男子禁制でしたので、王子は城外に住んでおり、王女が世誇殿に住んでいました。

湯屋です。
建物は資料がないため復元されていませんが、明治時代の緻密な測量図(横内家資料)を基に、敷地や基盤が復元されています。
湯屋というからには、女官さん達のお風呂場だと思われます。入口は狭く、高い壁に囲まれており、如何にも雰囲気が出ています。

金蔵(かねぐら)の跡です。貴重な金品保管庫です。首里城の東端の建物で、当時の人達でもここまで来る人はほとんどいなかったのでしょう。
なお、似た名前の銭蔵(ぜにくら)も復元されていますが、これは泡盛の保管庫でした。イベントで首里城下の酒蔵の試飲会やってました。すぐ近くの瑞泉酒造に行けば、試飲できますよ。

解説板です。左下の地図が横内家資料で沖縄県首里旧城図です。平成4年の首里城一部開園のニュースが全国に流れ、明治時代に沖縄県庁知事官房文書係だった横内さんが保管していた数々の資料が平成5年に那覇市歴史博物館に寄贈されたものです。非常に緻密な測量図で復元に重要な役割を担っています。

手前の城壁で堅く囲まれた空間は、御内原の最も奥に位置し、寝廟殿(しんびょうでん)という国王が死去した際に遺体を安置した建物がありました。

入り口の石の門が白銀門(はくぎんもん)です。首里城の門は木製の櫓が乗っていますが、ここは石だけです。

東(あがり)のアザナからは、新規に開園したエリアが見渡せます。

東のアザナから、東を展望しました。
中央の遠く、海の向こうに神聖なる久高島が見えます。


1:正殿、南殿、北殿などの行政空間。
2:神女達が信仰や祭祀を行った京の内の祭祀空間。
3:国王家族、女官達が暮らした御内原の生活空間。
この3つが完成して全面開園となりました。

「戦災で焼失した首里城の復元なくして沖縄の戦後はない」と県内経済界を中心とした首里城復元期成会と、沖縄開発庁長官を務めた山中氏や植木氏が国政を動かし、昭和61年に復元事業が閣議決定され、事業が開始しました。

首里城の復元工事の着手は平成元年7月。完成が平成31年1月。平成に始まり、平成に終わりました。



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2 コメント

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Unknown (フーミン)
2019-02-11 10:49:57
私たちが沖縄へ行ったときも修復中で
工事をしていました。ようやく全面開園
ですか。この話題もあまり紹介されていないような気がします。
沖縄のニュースと言うと、辺野古関連が多い
ですが、蘭の博覧会や首里城の修復完了
などの明るいニュースは嬉しいですね。
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フーミンさんへ (forever-green)
2019-02-13 21:10:53
ありがとうございます。
先週の土曜日に「世界ふしぎ発見」で首里城、琉球王国を詳しく取り上げており、嬉しかったです。
是非見に来てくださいね。

おっしゃるように、マスコミ報道が特定の事項のみを取り上げており、残念です。
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