浜松の中田島海岸です。
砂丘の風紋に埋もれているのは、砂が風で飛ばされるのを防ぐとともに、飛んでくる砂を堆積させる「堆砂垣(たいさがき)」です。
天竜川から海への砂の補給が減少すると、中田島海岸への砂の補給が減少し、海岸侵食が進むだけでなく、中田島砂丘への砂の補給が減少します。
砂丘の砂は、強い西風を受けて東側へ飛び続けるので、砂丘はどんどん低くなり、台風時の高波が来ると、砂丘から内陸部へ海水が侵入し、住民災害の危険性が拡大します。
東側に飛んだ砂は、海岸防砂林の松林に堆積し、松が砂に埋まってしまいます。
もうちょっとで埋まってしまう
中田島海岸の近くに住む方々が、「海岸侵食災害より住民を守る会」を結成し、堆砂垣を作ったり、松林から砂丘へ砂を戻すバケツリレーなどを呼びかけ、砂丘で起きている環境問題を多くの市民に伝え、市民や行政を動かしてきました。
中田島砂丘のバケツリレー
案内していただいた浜松のキャプテンさんのお陰で、「海岸侵食災害より住民を守る会」の方々に、3年ぶりに再会できました。深く感謝します。
最近、スピリッツに連載している人気マンガの「美味しんぼ」で、料理対決ならぬ環境対決が始まり、中田島砂丘の問題が取り上げられ、「海岸侵食災害より住民を守る会」が、取材を受けたそうです(表紙の写真)。頑張ってますね。
市民によるバケツリレーでは限界があり、大量に砂を運べないため、建設機械を使って、砂の中から松を掘り出しています。
遠くの松は、ほとんど埋まっているのが見えます。
ダンプトラックで運んだ砂は、堆砂垣の風上に置かれて、砂丘の砂を補給する源となっています。砂丘の西側に、遠くの方に建設機械が見えます。
ダムは発電、洪水防止に大きな役割を果たしていますが、自然を改変してしまいます。環境を維持しようとすると、人為的な大変な努力が必要となります。